第23話

「きゃーっ」


 教室のどこかで黄色い悲鳴がふたたびあがった。


 イケメンとヤンキーのクールなやりとりに誰かがはしゃいでいるのだろう。その声を筆頭に女の子特有のきゃいきゃいした歓声が続いた。


 はっきりいってめちゃくちゃうるさい。耳に痛い。おそらく何人かは興奮してぱたりと倒れて失神しているかもしれない。


 私は私に興味のないクラスメートが少々心配になった。


 拳のあいさつをすませると、転入生は矢野のまえをとおりすぎ、そのうしろの位置でとまった。


 追従していた担任が、いそいそとその場所に座席をひとつしつらえた。もっとも机とイスをワンセットじかおきするだけなので、セッティングには十秒とかからない。


「じゃあ、あとはわからないことがあったらクラスのみんなにきいてくれ」


 そういって教室をでていく。


 金髪の転入生はイスを引き、そこに座った。


 ホームルームがそれで終わった。

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