最初は説明もそこそこに進む物語に訳が分からなかった。
登場人物の外見的特徴は分からないし、名前も知らないまま一人の少女が退場する。
しかし読み進めていく内に、最初の情報の少なさこそがこの物語を盛り上げる重要な要素だったのだと感じた。
そして、きっとそういうことなのだろう、と予想するのも楽しい。
今は亡き天才と、その面影を求める人々。真実に気づいてしまった時から、彼らの想いの一つ一つが切ない。
鮮赤のメシアは再び表舞台から姿を消したが、最後まで楽しませてもらった一読者としては是非続編が読みたい。
個人的にはハンスが二級であることが最大の謎。もしや見習いとの差は無いに等しいのか…?