第6話犯人は俺です
ついに俺もお外に飛び出すことができるようになりました。三か月たって俺もようやく一人で動けるようになり俺は憧れの木に登って昼寝を実践してみたいと思います。
俺は庭に出て丁度いい木を見つけて、爪を使って木を登った。葉が陰になり涼しい風が通り素晴らしく寝心地がいい空間が広がっていた。
「ニャーーオ(ハラショーーー)」
俺はそう言って木の枝で丸くなって、寝ることにした。いやーーー体重が軽いから枝が折れる心配もないから、安心して俺は爪で体を固定して寝れる。そして一時間後事件は起こった。
「フシャーー(そこは俺の場所だ退け)」
そう言って黒猫が木に登って俺に怒鳴ってくる。
「フーーーー(俺が最初に寝ていた場所だ)」
俺の発言に黒猫は実力行使に出る。
「にゃ(ガキだからって甘くすればつけあがりやがって、俺の場所に入ったことを後悔させてやる)」
そう言うと黒猫は俺に体当たりして俺を枝から落とす。さすがに大人の猫と子供の猫では体格差があって俺はあっさり枝から落とされる。
「にゃーーーーーー(こえーーーーーー)」
思いのほか枝から落ちるのは高く感じ、体がこわばってうまく着地出来なくて、俺は足を痛めてしまった。
「にゃーーーーお(痛ってぇーーーーーー)」
俺の鳴き声が庭にこだまし、黒猫は俺を一瞥すると丸くなって寝始める。
「にゃーーー(くっそーーーー)」
俺は捨て台詞の様にそう言って足を引きずって屋敷に戻った。
俺はおとなしく体を丸めて足に負担が掛らないように生活を心がけながら屋敷を歩くが、
「あらま、いつも厨房か窓際に居るのに珍しいですわね」
メイド長のクラピカに見つかり、
「ここでは邪魔になります。お部屋で大人しくしましょうね~」
ねこなで声でそう言って俺を抱き上げる。その時、痛めた足に痛みが走る。
「にゃーーーーーー(痛っつーーーーーーー)」
今度は屋敷に俺の鳴き声が響く。
「全くどこで怪我をしたんですか」
さすがに俺の様子がおかしいことに気づいたクラピカは俺の足に添え木をして治療をしてくれた。これは助かる。俺はお礼を籠めて顔を舐める。
「ふううう、くすぐったいです」
そう言って俺の頭を撫でてくれるクラピカ。それから俺を下ろすと
「今日はここで大人しくするんですよ」
俺は返事をするようにニャーと鳴いて足を庇いながら丸まった。
お嬢様は今日は俺を食事に呼ぶことも、ベットに連れてくる事もなかった。クラピカが俺が怪我をしたことを伝えて俺を刺激しないように言ったのだろう。さすがメイド長、猫にまで気が使えるなんて最高だね。
俺は誰もが寝静まった時に気づいた事があった。俺はポイントを使ってチート性能にしたはずなのに何で怪我をするんだ?
俺はステータスと念じたらステータスが出てきた。そう言えば転生してから初めてステータスを見るな。俺のステータスは
久我 黒彦 (オズワルド)
レベル1
HP10000(-8000)
MP10000
STR(攻撃力):10
DEF(防御力):100(-70)
INT(賢さ):100
AGL(素早さ):60(-50)
DEX(器用さ):100
所持スキル一覧
猫の咆哮
猫の癒し
寿命延長
異世界言語ねこ
異世界言語(人)
異世界文字(人)
鑑定
暗視3
気配遮断3
気配察知2
速さ成長値上昇1
本能1
隠蔽5
アイテムボックス5
危険察知5
毒耐性5
フレッシュ
人化
HP,DEF、AGL能力値の隣に括弧でマイナス数値が書いてある。AGLの元に数値が下がっているのは足のけがによるものだと思うが、この括弧は……
俺はこの括弧共通点を見つけ、考察する。
これは全て肉体系の能力値、もしかし子猫だからか!!
俺は取り敢えず自分が設定したステータスは大人の状態の物とそう考え、何となく納得する。確かに生まれたての子猫が普通に大人の基本値から始まるのはおかしいよな。
そこで自分が間抜けなことに気づく、猫の癒しと言うスキルがあることを忘れていたのだ。これを使えば足の怪我なんてすぐに治るんじゃねえか。取り敢えず使ってみましょう。
「にゃ~~おん(猫の癒し)」
俺の鳴き声が響きわたたった瞬間、俺の体が光り痛みが無くなった。俺は思わず
「にゃーお!!(やった!!)」
そう鳴いてジャンプして足の具合を確かめる。これなら普通に歩ける。そして俺はもう一つのスキル猫の咆哮に目を付ける。これを使えばあの黒猫も倒せるはずだ。これで昼寝の場所を取り返す!!ついでだから他のスキルも検証をするか。
俺は一階に下りて窓を開けて外へ出る。そして湖がある所に行くそからは山が見える。
静かな夜、風一つ起こらず湖にはきれいに月が映る。俺は湖の淵に立ち俺は息を吸い込みそして
「にゃ~(猫の咆哮)」
その瞬間俺の口のあった所から光の放射状の物が出て山に当たった瞬間
ドカーーーーーーーーーーン!!
そんな大きな音と共に山の半分が消える。俺はそれを呆然と見ていた。ピロリンと音がするが俺はそんなことを気にする余裕はなかった。
このスキル何だよ!!何が猫の咆哮だ。これなら竜の咆哮の方がまだ可愛げがある。一回で山が半分消し飛ぶなんて。これじゃ黒猫に当てた途端大事な昼寝ポイントごと消滅しちまうじゃねえか。このスキル使えないじゃねえな。
屋敷の窓から光が漏れる。さっきの音でみんな起きてしまったのだろう。俺はパニックを起こしていた。
ヤバイ!!こんなもん見られたらただの猫でいられなくなる。
俺は走って窓から飛び込み屋敷に戻り、部屋に戻った。気分は悪いことをして、頭から布団をかぶって震える子供だ。
翌朝早くから、ロットが鎧を着て出かける準備をしていた。俺が昨日起こしたことに関して調査するようだ。もしかしたら魔人や竜が近くにいるかもしれないからだからだ。すいません俺がやりました。
俺は内心は土下座状態だ。
「こんな大事な時に全く、厄介ごとは重なるな」
そう言ってロットがシャリーに愚痴る。
「本当ね時期が悪いわだから気を付けて、あなた」
そう言ってシャリーはロットの頬にキスをする。
「分かっている。全く誰が面倒事を増やした犯人は」
本当にすいません、犯人は俺です。
俺は部屋に戻って丸くなって一日中反省することになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます