第46話
「じゃあ順番どうしようかしら。あたしからでいい?」
「いいよー、じゃあその次はむいね!」
とりあえずむいの次は流れで決めることにして、最初はみやかになりましたの。
「六枚一気に回すでちか?」
「もっちろ~ん! あ、ちょっち待った。レアってどういうのがあるのか教えてくれない? あと、確率も気になるんだけど……」
「それならあそこに吊り下げられてあるでち」
上を見上げると、たしかに大きな看板がありましたわ。
『メロガチャ会場へようこそ!! ※チケットはクエスト達成やログインボーナスで付与されます。譲渡不可能になっています』
ふむふむ。他にもガチャチケを回すとガチャ補助チケットがもらえて、それが七枚になるともう一度確率アップした状態で回せるみたいですわ。
あとは現金では買えないみたいですわね。βテストだからでしょうか、そういった課金要素は無いらしいですの。
あったとしてもガチャチケットは買うつもりありませんが……。
「確率低い……かも」
「なの~。これじゃあ絶対当たらないなの」
れいらさん組がどんより顔になっていますわ。
レアには、『Nノーマル・Rレア・SRスーパーレア・SSRスペシャルスーパーレア・XRエックスレア』がありまして、このガチャではノーマルを除いたものが出るみたいですの。
それぞれの確率は、Rが85%、SRが10%、SSRが4.3%、XRが0.7%……。1%も無いって、凄まじく絞っていますの。
それに、物が多すぎですわ。武器、防具、装飾品、あとモンスターストーン? というものと、げげっ……アイテムまでありますわ!
これじゃあ欲しい装備を狙うのは無理ですわね……。
「まぁまぁ、ダメで元々でいいじゃん。どうせタダで貰った券なんだし!」
「むいの言うとおりね……この手のガチャゲーは本当に頭痛くなるわ。ま、それじゃあ六枚一気にお願いするわね、マリィちゃん」
「はいでち!」
マリィさんがチケットを受け取って、それを掲げると教会のステンドグラスから光が飛んできましたの。
「わわ、凄いにゃー!」
「……おお~、ですぅ」
シャノンもガチャ光景を見るのは初めてのようで、興味津々そうに見つめていますわ。
やがて光が収まり、テーブルの上に六枚のカードが現れましたの。
「これをめくって欲しいでち。裏に描かれた絵柄が当たったアイテムで、下の詳細が追加効果とアイテム説明文でち」
「なあるほど、わざわざめくらせるだなんて粋なことしてくれるじゃない」
ペラペラとめくるみやか……あらら、全部ただのレアだったみたいですわ。
「もうっ、なによこれ~! 回復ポーションが三つ、あとは火蜂よりも弱いヘンテコな銃が三つも出たわ」
「ほとんどの人が同じこと言うでちー。あ、言い忘れてまちたが、ガチャで出た装備品は譲渡不可能で、そのプレイヤーに装備出来るものちか出ないでち」
「……ふうん、まいいわ。むい、あとは任せたわよ」
サイドテールが悲しくうな垂れていますの。
託されたむいは鼻息荒くして、
「むっふー! 頑張るむいっ」
とは言っても、頑張ったところでガチャは無慈悲なものですわ……。
「ああん、全部回復アイテムだったよぅ! せめて簡単な防具でもいいから出て欲しかった……」
これまたツインテールがうな垂れちゃってますわ。
かわいそうですが、なんだかこれはこれで可愛らしい光景ですわね。
トボトボ歩くむいは、そっとれいらさんの肩に手を置いて、
「次、れらちゃんに託したよ……ガクッ」
あ。真っ白に燃え尽きちゃいましたの。
「……むいむい、あとは任せて」
やっぱり85%ですから、Rばっかり……おおっ!
「にゃにゃ! 歌雨さん、あのカード光ってませんかっ」
「光ってますのっ! もしかしてレア以外が出たんじゃありませんの?」
「キレイキレイなの~!」
盛り上がるわたくし達に、無表情のままのれいらさん。
他のカードは案の定回復アイテムでしたが、最後の光るカードは……!
「あ、スーパーレア。疾風のマインゴーシュ+6、風属性の短剣かも」
「れら、追加効果があるみたいよ」
「……追加効果は麻痺攻撃みたい」
麻痺攻撃ってかなりいいじゃありませんの!
あれですわよね、敵を殴ったら一定確率で動けなくさせる『麻痺状態異常』にさせるんですわよね。
「いいなぁ、れらちゃん。ラーニンググローリーもそうだし、運がいいよ絶対!」
「状態異常期待してるわよ~? 痺れてるところをあたしの火蜂で蜂の巣にしてやるわっ」
「ブイっ……。次は歌雨様」
もうっ、呼び捨てでいいって言ってますのにっ。
ま、いいですわ。私の出番ですわね!
ふっふっふ。こんだけ枚数あるんですもの、SRと言わずともSSR……いえ、XRを狙い撃ちさせて頂きますの!!
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