第15話

「それじゃあ、まずはあたしのステと装備を見せるわね」


 そう言うと、みやかはミラコンのステータスタブ画面をタッチして、わたくし達に腕を突き出しました。

 

 名前:スター

 称号:無し

 クラス:『ガンスリンガー<銃士>』 LV.1

 サブクラス:『アタッカープリンセス<攻撃>』

 HP<ヒットポイント> 50/50

 SP<スキルポイント> 20/20

 MP<マジックポイント> 0/0

 STR<腕力> 5

 DEF<耐久> 0

 AGI<俊敏> 43

 MAG<魔力> 0

 DEX<器用> 10

 LUK<幸運> 5


 『装備』

 服:流山女学院中学校の制服

 左手:火蜂

 右手:火蜂

 腕:※装備されていません

 体:※装備されていません

 足:火蜂

 アクセサリー:※装備されていません

 指輪:サファイアリング LV.1


 総攻撃力:2098 <限界9999>

 総防御力:0 <限界9999>

 総回避力:320 <限界999>

 総致命力:180 <限界499>


 所持マニラ:7万4千M


 半透明の青い立体映像にはずらっとみやかのステータスが事細やかに表示されていましたの。

 結局みやかはガンスリンガーに落ち着いたようですわね。

 戦闘シーンはあのゲームセンターの一瞬しか見てませんでしたが、とっても楽しそうにぶっ放してましたし……きっと銃が気に入ったのでしょう。

 サブクラスのプリンモードとやらはアタッカーを選んだみたいですわ。攻撃特化構成――ふふっ、みやからしいですの。


「ま、本当はスキルとか色々あるんだけどイチイチ見せてたらキリがないもんね。次はむいよっ!」

「はーいっ!」


 元気よく返事をしてミラコンをタッチ。

 やがて紫色した立体映像が出てきましたの。


 名前:ハッピー

 称号:無し

 クラス:『ヴァルキリーナイト<盾士>』 LV.1

 サブクラス:『ディフェンダープリンセス<防御>』

 HP<ヒットポイント> 90/90

 SP<スキルポイント> 20/20

 MP<マジックポイント> 0/0

 STR<腕力> 10

 DEF<耐久> 13

 AGI<俊敏> 0

 MAG<魔力> 0

 DEX<器用> 5

 LUK<幸運> 5


 『装備』

 服:流山女学院中学校の制服

 左手:雷のロングソード+10

 右手:※装備されていません

 腕:※装備されていません

 体:※装備されていません

 足:※装備されていません

 アクセサリー:※装備されていません

 指輪:アメジストリング LV.1


 総攻撃力:380 <限界9999>

 総防御力:13 <限界9999>

 総回避力:0 <限界999>

 総致命力:30 <限界499>


 所持マニラ:999万M

 

 こっちはみやかとは正反対の防御特化みたいですわね。

 ヴァルキリーナイト――名前からしてタンカー役なのでしょうか。

 きっとBEO2のシールドナイトみたいなものだと思いますわ。プリンも防御系……むいらしいと言えばむいらしい選択なのですが。


「ちょっと待ってくださいまし。なんでロングソードなんて弱いものを引継いだんですの?」


 雷のロングソード+10。付与と強化はされていますが、中盤の何の特殊能力も無い剣ですの。

 たしか、このゲームに引継がれるのは今持っている『最強』の武器とカードのはず。

 敵からポロポロドロップされてお店でも投売りされているこの武器をなんで引継いだのでしょう――と、首をかしげていますと、


「あはは。むいね、それが初めてのレアリティ3武器だったから大切に使ってたんだ。強化して雷属性付与すれば結構使えたし、あんまり戦闘もしなかったし」

「あんた、もしかして採取とか採掘だとか……クラフト系派だったの?」

「そうそう! 素材集めて装備作ったりエンチャントしたり、作ったアイテムをお店で売ったりするのが大好きだったの! だから武器はロングソードくらいしか持ってなかったんだ~っ」


 なるほど、ですわ。

 わたくしとみやかのような狩りメインや対人メイン派ばかりではないんですのね。

 当たり前の話ですが、まったり会話したり商売ゲームにハマる人も多いゲームでしたし。

 引継ぎマニラが凄い金額ですから、よっぽどお店が楽しかったのでしょう。


 もしかしたら、わたくしもむいのお店で何か買ったことがあったかもしれませんわ。

 なんて考えていましたら、


「それじゃ、次はななよちゃんの番だよっ」

「予想つかないわねぇ……ななよの選んだクラスとかサブクラスって」


 むいとみやかがズイッ! と、身を乗り出してきましたの。

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