ムズガルド帝国編3

ムズガルド帝国を目の前にして俺たちの前に二人組が待ち構えいた

俺たちは戦いを覚悟するが何とその二人組はバージェットの知り合いだった

そして二人は仲間に加わりたいのだと言う

バージェットは二人に覚悟を見定めるためあの事を話したのだった


二人は崩れ落ちる

「そ、そんなことがあってたまるかよ…!」

「な…ん…て…こ…と…を゛…」

ヨサクは両膝を地に落とし天に向かって叫ぶ

ジェニ-は両手を顔にやり泣き崩れた

「今までどれだけ多くの人が…!!」

「ああそうだ」

「そのためにも何としてでも絶対ヤツの野望は阻止しなきゃならねえ」

「みんなの笑顔を守るためにも…そして未来のためにもな」

バージェットは答える

そして言った

「それでも仲間に加わりたいか?」

「これっぽっちの人数でどこまでできるか分からねえ」

俺たちを見る

「俺たちが向かうところはまさに死だ」

「それでも…」

「それでも…!?」

「仲間に…加わるか?」

俺はバージェットが二人に仲間に加わることを望んでいないように見えた

二人のことを心配しているのだろう

心の底から…


しかし二人はふるふると身体を震わせながらは答える

「何言ってんすか!!」

「そうですよバージェット様!!」

「その事を聞いて俺たちが怖じけづいて仲間に加わらないとでも思ったんすか!?」

「ナメないで下さい!!!」

「アニキは俺たちの恩人す!」

「その恩人が命をかけて戦ってる…」

「そんなときに俺たちだけのうのうと暮らせるはずなんてないでしょうが!!」

二人は必死な顔でバージェットを見つめる

「分かったよ…」

「負けだ」

両手を広げバージェットは諦め顔で答える

そして二人に喜びの表情が浮かび上がる

それからバージェット二人の間に入り肩を組んで俺たちに言った

「それじゃあ仲間になったからにはちゃんと挨拶しねえとな」

「改めて紹介さしてもらおう」

「こいつはヨサク」

「うっす!」

「こんな小さい身体でも怪力においては俺でも敵わねえほどだ」「十分な戦力になってくれるはずだ」

「こいつはジェニ-」

「よろしく」

そうジェニ-はにっこりと微笑む

「ジェニ-は魔法使い…」

「こいつの魔法はかなり頼りになる」

「実際にピンチを何回も救われているしな」

「いくらワタルやツバサが魔法を使えるようになったと言っても

必ずこいつの魔法が役に立つときが必ずくる」

「こいつらを仲間に加えてもいいか?」

俺は答える

「当たり前だ」

「バージェットがすすめる仲間が加わるなんてこんな頼もしい仲間はいない」

二人は喜びの声をあげる

「ありがとな!…ワタル!」

「ありがとうございます!」

「コラっ」

「あっいてっ!」

そう言われてヨサクはバージェットに頭を小突かれる

「ワタルはな…」

「俺との真剣勝負で勝ってる」

「アニキに勝ったんだ…すげえ!」

「それに俺たちの大将だ」

「あんまり失礼な真似するんじゃねえぞ」

「それをお前が言うな」

「うん!」

俺ははっきりとバージェットに言ってやる

ツバサも同調してくれた

「(^・Å・^;)えっ?」


そんな馬鹿な会話をしつつしばらく進むと

無事にムズカルド帝国へ入ったので

その中心地ムズカルド城へと向かう

ここからさほど遠くないところにムズカルド城はある


ムズカルド城へ向かう途中でバージェットは二人に言った

「そういえばお前ら!」

「ランバ-ドすげえんだぜ」

「ランバ-ドは飛べるようになったんだ」

二人は驚きの表情を見せる

そしてまずバージェットはジェニ-に呼びかける

それからツバサはちょっとだけとバージェットにせがまれ

ランバ-ドに魔法をかけた

「うおお!?」

「わぁ♪」

翼の生えたランバ-ドを見て歓声をあげた

すかさずジェニ-はランバ-ドに飛び乗る

そして目立たないためにランバ-ドは二人を乗せムズカルド城へと反対の方向へ飛んで行った


そして俺とツバサとヨサクの3人となる

バージェットが抜けたことによって

お互い何を話していいか分からずしばし無言になる

しかし…

「ひゃっは-----!!!」

雑音が聞こえてくる

正直迷惑だった

死んでしまえばいいのに…

そう切に願っているとヨサクは口を開いた

「さっきは…」

「さっきはすいませんでした思わず口を荒げてしまって」

「本当は分かってたんすよね」

「あんなふざけてはいるけど」

ヨサクはバージェットをチラリと見る

ワタルやツバサも見た


「僕アルバイトおおおおおおおおぉおおおおお-------!!!!」

何かが叫んでいた

そしてバージェットは超高所恐怖症のため冗談みたいな顔で叫んでいる

「ははははは…」

「フハハハハハ!!!!」

バージェットは冗談みたいな顔で号泣しながら笑っていた

「私のパンチを受けてみろ!!」byパンチングマシ-ン


「バージェット様…」

しかしそんなバージェットをよそに

ジェニ-は本当に嬉しそうに笑いながらバージェットの背中に抱きついている


「突然俺たちの前から何のメッセージも残さずに消えた理由…」

「何で突然消えたんだ…!って憤りはありましたけど」

「アニキの話を聞いた瞬間にピンときました」

「俺たちのことを心から心配してくれてるんだなって…」

「胸の中に届くものがあったっす」

「でも…」

「それでも…!」

「俺たちのことをもっと頼って欲しい…」

「そんな考えがあって熱くなってしまいました」

「そうだったんだ」

俺は答える

「はい…すいません」

「それに…」


再びヨサクはバージェットを見る

「ぬおおおおおおお----!!!!!」

バージェットは雄叫びをあげている

しかしその瞳はジェニ-を捉えていた

「アニキは俺たちのことを心配させまいとしてあんな情けない顔して頑張ってるんすよ」

「特にジェニーを…」

「えっ?」

俺はヨサクに問いかける

「アニキは恩人だって言ったっすよね?」

「ああ」

「アニキは本当に俺たち二人の恩人なんす」

「俺は昔小さい頃にとある殺人一家にいました」

「強盗、レイプ、人身売買、拷問、殺人」

「己の快楽のためだけに殺人…」

「今考えるだけでも吐き気が出るようなところにいました」

「でも当時はそれが当たり前と思ってました」

「ほんとどうしようもない人間すよね」

ヨサクは下にうつむく

「でもアニキはそんなどうしようもない俺をそこから救ってくれたっす…」

「手を差しのべてくれたっす!!」


そしてそれからヨサクの口から二人の壮絶なる過去を聞かされることとなる

それに話はそれで終わりではなかった

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