ムズガルド帝国編2

ランバ-ドはツバサの付与魔法のかいあって空の自由を手にする

そしてランバ-ドのおかげで

目的地であるムズガルド帝国に

順調に到着するかと思われたが

目の前にしてある殺気を確認する

そしてその二人組がワタルたちの行く手を阻もうとしていた…


ワタルたちは殺気を確認しランバ-ドから離れ臨戦態勢をとる

そしてワタルたちの行く手を阻んだのは二人組だった

俺は叫ぶ

「お前らは一体何者だ!?」

しかしその二人組は無言でつかつかと俺たちに近づいてくる

俺たちは剣を構えるがそれでもその二人組は進むのをやめない

全く何を考えているのか読めない

そして、いよいよ俺たちのすぐ近くにきバージェットの目の前まで来た

殺らねば殺られる…!

そう思ってワタルが剣をふりおろそうとした時…!

意外な声が聞こえてくる

「探しましたよアニキ!」

「!?」

………

………

アッ、アニキぃ!?

俺たちは目が点になる

この二人組は何を言っているのだ…


しかし確かにこの二人組はアニキと言った

しかもバージェットの目の前で…

俺とツバサの二人は当然この二人組を知らない

そしてバージェットの目の前でアニキと言った

これが意味することを理解しようとした時また声がしてきた

二人組のもう一人のほうだった

どうやらもう一人の方は女のようだ

「もうどこに突然消えちゃってたんですかバージェット様!?」

「!?」

俺とツバサはさらに目が点になる

もしこれを表情で表すならまさにこんな感じだろう

→オォォーーー!! w(゚ロ゚;w(゚ロ゚)w;゚ロ゚)w オォォーーー!!


バージェット…さま…だ…と…!?


そんな俺たちの驚きとはよそに当たり前のように声がしてきた

バージェットだった

「おう久しぶりだな…二人とも」

確定的だった

この二人組はバージェットの知り合いだったのだ

敵ではない…

ふう…と安堵の気持ちと共にある気持ちがふつふつと沸いてくる

そして俺とツバサの二人はバージェットに説明しろオ-ラを送る

そのオ-ラを知ってか知らずかバージェットは俺たちに説明し始めた

「え-とこの二人組はな…」

そのバージェットの説明を遮るように

その二人組は自己紹介を始める

「えっと俺はヨサク」

「私はジェニ-です」

「二人合わせてぇ-」

「とぉ-う!!」

二人はポ-ズをとる

「ヨサクとジェニ-です!!」

「………」

「………」

「さぁ行こっか」

「うん」

「おう」

俺たちはそのままムズガルド帝国へ進もうとする

「っておい!!」

二人は怒り顔で突っ込む

そして連続で突っ込む

「あんたもかい!」

「(^・Å・^;)えっ?」

「えっ(^・Å・^;)?じゃねえよ!!」

「なに食わぬ顔して何であんたも何事もなかったかのように素通りしようとしてんだよ!!」

「やっと会えたのにそれかい!」

「いやあ…つられてつい悪い悪い」

「まったく…」

二人は呆れた表情をする

バージェットにこんな一面もあったのか…

そう思いはせているとバージェットは流石に悪いと思ったのか紹介をはじめた

「こいつがヨサク」

「うっす!」

「彼女がジェニ-だ」

「よろしく♪」

「こいつらは盗賊のときの仲間で…」

「仲間なんてとんでもない!!」

二人は否定する

二人が必死に言うにはバージェットは盗賊の頭で

仲間だなんておこがましい手下だという事らしかった

俺は言った

「バージェット…お前仲間がいたんだな」

「俺は何も一人だなんて言った覚えはないぜ」

「ああ確かにそうだな」

「ところで…」

バージェットはある疑問に思ったことを話す

「お前ら何で俺がここに来るって分かったんだ」

「俺はそんなことお前らに一言だって言った覚えはないぞ」

確かに俺もそれは考えていた

バージェットがここに来ることになったのはホント偶然だ

ここに来たのはあの地へ赴くためにこのムズガルド帝国へと来たからだ

当然この二人が知るはずがない

そう考えているとヨサクは言った

「ああそれはですね…」

「以前にアニキは一言だけ俺たちに言ったことがあったじゃないですか」

「ムズガルド帝国のことについて…」

「そんなこと言ったっけ」

ヨサクは答える

「ええ言いましたよ」

「それでピンときたんす」

「他にいくつかの候補はあったんすけど、

アニキに会えるとしたら

もしかしたらここかもしれない…」

「そう思ってずっとここで張ってたんすよ」

「それで待ち構えるように待ってたのか」

「はい」

「それにムズガルド帝国は高いんで偶然この辺で野宿してたら

ジェニ-がアニキを感じるって言うんでねここで待ってたんすよ」

ヨサクがジェニ-を指さすとジェニ-は照れたように下を向いていた

「それにしても酷いなぁ」

「ちょっと小遣い稼ぎ医草取ってくるって言っていきなり消えるんすもん」

「うんうん」

ジェニ-も頷く

それを聞いて俺はハッとする

バージェットがヨサクとジェニ-が消えた理由…

それは俺たちがバージェットと戦い

そしてバージェットが俺たちと共に行動をともにするようになったこと以外理由はないだろう

何だか悪い気分になる

バージェットが俺たちと出会わなければヨサクやジェニ-の前から消えることはなかったからだ


そして俺はこれからのことを悩んだ

ヨサクやジェニ-がここまで来た理由…

それはバージェットっと共に行動をするため以外なにものでもない

ヨサクやジェニ-がバージェットと共に行動を共にするという事はつまり俺たちと行動を共にするという事だ

バージェットがヨサクやジェニ-と行動を共にするという事なら別だが…

しかしそれは俺やツバサとバージェットの別れを意味する

でもこれからのことを考えるとバージェットも俺たちと別れ…

そう考えているとバージェットは真顔で言った

「おいワタル」

「辛気くさい顔しやがって、まさか変な事考えてないよな?」

俺はどきりとする

「これだけははっきりと言っておくぞ」

「俺はお前と別れるなんてことはこれっぽっちも考えてねえ!」

「俺がお前と別れるときは死ぬときだけだ!」

「よく覚えとけ!」

俺はバージェットの言葉を聞き恥ずかしくなった

しばし重い雰囲気になり無言でいるとバージェットは言った

「というわけだ…ごめんな」

「ヨサク、ジェニ-」

するとヨサクとジェニ-はバージェットにくってかかる

「俺たちはアニキとずっと行動をともにします!」

「このワタルと行動を共にするということなら俺たちも行動を共にします!」

「そうだろジェニ-!?」

ジェニ-は必死の形相で訴える

「ええもちろんよ!!」

「参ったな…」

バージェットはふうとため息をつく

バージェットは二人の必死の訴えかけに心を動かされようとしていた

そしてチラリと俺のほうを一瞬見てくる

それはヨサクとジェニ-を仲間に加えてもいいか?ということなのだろう

俺はコクりとうなずいた

そしてバージェットは俺のうなづきを確かめポリポリと頭をかきながら諦めた表情で二人に言った

「いいだろう」

「よっし!」

「やったわ!」

しかしバージェットは念をさすように言った

「しかし!」

二人は黙ってバージェットを見る

「俺たちと行動を共にするというなら今から俺の言うことを黙って聞け」

「今から言うことはウソじゃねえ」

「全て真実だ」

「そして、そのことを聞いてからもう一度よく考えろ」

「今ならまだ引き返せる」

「仲間になってからじゃもう引き返せねえぞ」

バージェットの並々ならぬ表情に二人はただ事ではないことを察しコクりとうなずいた

バージェットは再び俺に同意を求めてくる

今から言うこととは当然ドクターベルケルの恐るべき野望と

このムズガルド帝国へ来た理由についてだろう

俺はコクりとうなずいた


そしてバージェットは二人に語り始めた

なぜヨサクやジェニ-の前から突然消えたのか

そしてドクターベルケルの恐るべき実験と今からやろうとしていること

それになぜ自分たちがムズガルド帝国を目指してきたのかということを…

二人はバージェットの話を聞き信じられないといった驚愕の表情を浮かべていた

そして決して許せない…!という激しい怒りの表情もしていた

途中であまりのことに、

ヨサクは目頭に涙を浮かべ両膝を地面に落とし呆然としていた

ジェニ-は泣いていた


これからこの二人はどういう決断をするのだろう

それは自分には分からない

しかしその出した答えを素直に尊重しよう…

俺はそう思った

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