実験室5

場面は変わって城内へ


バ-ジェットVSゼットン


「グハハハハ…あのワタルというゴブリンこそ逃したが

お前もなかなか骨がありそうよのう」

とゼットンは嬉しそうに笑った

根っからの戦い好きなのだろう

「名を何という?」

「我が名は…」

そう言おうとする前にバ-ジェットは言った

「それはさっき聞いた」

「俺の名はバ-ジェットだ」

「しかし何かお前をどこかで見覚えがあるような…」

「…」

「気のせいだろう」

「しかし俺は元々盗賊だ」

「商売柄いろんな国を見て回ってきた」

「もしかしてその時に俺の事を見かけたんじゃないのかい?」

「第一俺はお前のことは知らん」

「まぁそうかもしれぬな」

再びお互いに少しの沈黙が流れる

そして戦いが始まった

「いくぞ!」

「こい!」

お互い凄い勢いでぶつかり合う

キンキン!とお互いに武器の攻めあいで火花が散る

そしてゼットンが構える

「岩砕拳!」

「ぐっ…!」

バ-ジェットがその攻撃をくらいよろけた

「とんでもねえ力してやがるな…」

「グハハハハ…お主もまだまだ力を隠しているだろう?」

「その手からビシビシとこちらに力が伝わってきているぞ」

「もしかして気づいてないとでも思ったか?」

「ふっ」

そうバ-ジェットが笑うとゼットンも笑った

「どうも魔法は好かない」

「やはり戦いとは拳と拳を交わせてこそぉおおお-ー!!」

そう言いながらバ-ジェットに向かって拳を振るった

「確かになぁあああ-ー!!」

そう言い返しバ-ジェットも渾身の力で

ゼットンの拳を押し返した

お互い五分の力のようだった

そしてお互い距離を少しとる

するとバ-ジェットは言った

「本気でいくぜ?」

バ-ジェットはそう言いながら斧を構えた

バ-ジェットの纏う空気が変わったのを感じてか

ゼットンもニヤリと一瞬だけ笑い

そして真顔に戻った

「ヒャッハーー!!」

「ぬおおお--!!」


場面は変わって

ツバサVSカ-ズ

総指揮をして白魔女や黒魔女と戦っているカ-ズ

そこへ一瞬の殺気を感じ振り返った

そこには黒ずくめのマントをした男が立っていた

「誰だ!?」

そう言うと黒ずくめのマントをした男は答えた

「僕の名前はツバサ…」

「この城にみんなを助けにきた者の1人です!」

ツバサとカ-ズの戦いが始まった

「さっきの指揮は見事でしたよ」

「何が?」

ツバサが何を言っているのか分からないようで

カ-ズは訝しげな顔をした

するとツバサは答える

「さっきの戦いのことです」

「前衛部隊を固めて後方の部隊からのみの攻撃…」

「あれのみに集中されていたら

本当に危なかったかもしれません」

「そしてゼットンが突入してきた時に即座に

僕たちに対する攻撃をやめた…」

「並の指揮官ならゼットンなど関係なく

後方からの攻撃のみで

僕たちをそのまま皆殺しにしていたと思います」

カ-ズはポリポリと頭を掻き、

はぁと溜め息をついた

それからカ-ズは答える

「あの時は、ああするしか他に方法がなかったからで…」

「それにワザワザ仲間のゼットンを殺す必要はない…」

「あいつはバカだけどそれなりに信用できる漢…」

「今殺すのは惜しい…そう思っただけです」

それを聞いてツバサはびっくりした

ここにいる人たちはみんなドクターベルケルや

ハイデルの部下で非道なことを平気でする…

そういう者たちしかいないと思っていたからであった

しかしそれだけじゃない…

道徳的に考える人ももちろんいる…

ツバサは少し嬉しくなった

「ふふっ」

ツバサは思わず笑ってしまう

「なんだ!?」

「何でもないです」

「おかしな奴だな…」

カ-ズは何でツバサが笑ったのか理解していないようだった

しかしこのままもちろん話してる暇はない

ツバサは真剣な顔へと戻った

ツバサが武器を構える

「いきますよ?」

「来い!」

ツバサとカ-ズの戦いが始まった

するとグン!とツバサが距離の間合いをつめる

そして一瞬でカ-ズの懐に入りそれから天空へと舞った

「直角劍!」

カ-ズの顔に当たる…と誰もがそう思った瞬間!

顔をすんでの所で顔を後ろに下げ

バクテンするようにひらりとかわされてしまった

カ-ズはひやりと冷や汗をかいた

「危なかった…なかなかのスピ-ドですね」

「しかし俺もスピ-ドなら負けない自信がある」

「相手が悪かったな」

「私は闇鳥族のカ-ズ!」

「私のスピ-ドについてこれますかな?」

「空中戦の方が得意ですが

今は理由あって飛べない…」

ツバサとしてもスピ-ド勝負なら

負けるわけにはいかなかった

「ツバサ…行きますよ!」

「はい!」

再び二人の戦いは始まった

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