宙に歌え

水影

補習の始まり


『魔法』それは俺達が使っているもの

杖を持って魔法を発動するための詠唱を言う

それで魔法は完成する・・・はずなんだけど


「キミ!!自分のやったことがわかっているかね!!」


どうも俺の魔法の扱いは下手くそみたいで相変わらず教室をジャングルにする

だから、担当教師にも怒られる


「キミは明日から補習生だ。」


だから、こんなことも言われる



俺達が使う『魔法』それは4つの属性がある

火・水・雷・植物

そして、俺達はその属性を生まれた時から1つだけ持っている

俺は火の魔法を使うんだけど


「君はなんてことをしてくれたんだ!!」


どうも魔力の込め方が下手くそでたまに校舎を燃やしてしまう


「君は明日から補習生だ。いいね?」


いつもとは違う言葉に驚いた



俺達が使う魔法にはその属性に『上位』というものがある

水は氷 植物は風 その2つの属性しか上位はない

俺ら見たいな子供には使えないものである

だけど、俺はそれ以前の問題で


「あなた、テストくらい真面目にやったらどうなんですか?」


どうも魔法の威力が弱いらしく他の人みたいにかっこよく雷が落とせない


「あなたは明日から補習生ですからね。」


俺はいたって真面目になのにこんなことを言われる




いつもの教室・・・を見るのは昨日で終わった。

今日からは違ういつもとは違う教室『補習室』ひょんなことから俺こと正樹は補習生となった。

扉を開けると

「あー!!正樹!!」

「おっ!正樹じゃん!」


いつも見慣れている顔が待っていた

クラスは違うが友達の2人

髪の色が黄色なのは黄輝こうき。赤みがかった黒は高火こうが

まさかとは思っていたが本当にいるとは


「もしかして、お前らも補習生になった?」

「「・・・うん。」」

「お前らも補習生になっちゃったのか。俺もなんだけどな!」

「お前明るすぎるだろ。」

「それがあいつのいいところじゃね?」


教室は前にいた教室とはあまり変わらず、変わったといえば机の数が3つしかないってところだ

話によると高火はまた校舎を燃やし、黄輝は魔法の威力が弱いせいで先生に不真面目とされた。

それが原因で補習生となったらしい。

俺は教室をジャングルにしたのが原因で補習生となった。


「俺はいたって真面目にやってるんだってー!ただ魔法の威力が弱いだけで。」

「俺だって別に教室をジャングルにしたかったわけじゃないし。」

「俺も火事起こしたかったわけじゃねぇし!」


「確かに君らがわざとやったわけではありませんね。」


唐突に後ろから声が聞こえた。

俺ら3人とは別な声が後ろから

後ろを向くと、1人の俺らと同い年くらいの人がいた


「どうも初めまして。君たちの担当教師になったみかどと申します。」


そう言った髪の色も目の色も水色の人は俺達の担当教師と言った

最初に俺が思った感想は


「えっ背ちっちゃくない?」


俺が最初に思った感想を高火が言ってくれた

ありがとう。


「言いたいことはそれだけですか。」


帝先生がそう言った瞬間、


「どわぁあああぁぁぁ!!!」


高火の悲鳴が聞こえた

何事かと思い俺と黄輝が高火見ると水浸しになっていた


「教師に背と年齢は関係ありません。」


さっきより怒気を含んだ声で帝先生は言った


「さぁ、授業を始めましょう。席についてください。」




「黄輝くん、君は自分の魔法の威力が弱いかわかりますか?」

「わかりません。」

「正樹くん、魔法に重要なことはなんですか?」

「詠唱と杖と魔力です。」

「正解です。もっと深く突っ込むなら魔力の込め方も入ります。」


そう言うと帝先生は黒板に水色で小さな人の形を描き始めた

帝先生は小さな人の絵を指した


「これは水の魔力です。まぁ、精霊としましょう。

 この水の精霊が沢山集まる何が出来ると思いますか?」

「水魔法だ!!」

「黄輝くん正解です。これが沢山集まると魔法ができます。

 そして、この精霊の質がよくなると水の魔法はどうなると思いますか?」

「でかい水魔法?」

「高火くん不正解です。この精霊の質が良くなると氷魔法になります。しかし、精霊がいるからといって魔法が勝手に発動するわけではありません。」

「詠晶が必要。」

「正樹くん正解です。詠晶によってこの精霊たちは合体することができます。こんなふうに。」


そう言って、帝先生が手を出し詠晶無しで水魔法を発動した。

けど、手の上で浮いていた水は拡散して消えた


「このように詠晶がないと精霊たちは合体することができずに、ばらけてしまいます。」

「ハーイ!質問です先生!」

「なんですか?」

「俺は魔力があって、杖も持って、詠晶もしてるのに魔法が弱いです!」

「黄輝くん今、魔法を使ってくれませんか。」

「ハイ。」


先生のお願いに黄輝が返事をすると立ち上がり

杖を持ち、詠唱をした

しかし、杖の先から出てきたのは静電気が目に見えたようなものだった


「・・・話に聞いた時は疑いましたが、これは先生も投げ出しますね。」

「俺だって、やりたくてやってるわけじゃないですよ!」

「困りましたね。何がダメなんでしょうか?」

「先生でもわかんないの?」

「まぁ、後々その問題を解いていきましょう。」

「はーい!」


どうやら黄輝の問題は帝先生でも解くのが難しいみたいだ


「高火くん、魔法を使ってくれませんか?ライターの火程度で。」

「はい!」


・・・今日は俺の命日かも知れない

先生は高火の恐ろしさをイマイチわかっていないようだ

高火は杖を持ち、詠唱をした

先生はライター程度の火と言ったが、高火の杖から出た火の魔法は


「あぁぁああぁあ!!俺の服が燃える!!」

「あ、ワリィ。」

「悪いと思ってないじゃん!うわっぷ!」


帝先生の魔法が大活躍した時だった

しかし、加減を考えて欲しい

おかげで黄輝はびしょ濡れだ


「先生酷いですよ~!!」

「火事になったら、大変だと思ったんで。」

「黄輝。」

「なんだよ!!」

「ドンマイ☆」

「死ね。」

「俺の心に傷が付いた。」

「そんぐらいで傷つくメンタルじゃないでしょ。」

「茶番しないでください。」


帝先生は俺の方に体を向けてこういった


「正樹くん、魔法を使ってくれませんか?この小鉢に小さな花が咲く程度で。」

「・・・断ってもいいですか?」

「ダメですね。」

「頑張ります。」


俺は杖を持ち、詠唱を始めた


「「た、たすけてえぇぇぇぇえぇ!!」」


やっぱりね

どうせこうなることは予想できた

俺の魔法によって出来た植物のつるで黄輝と高火は天井近くまで持って行かれた


「・・・ある意味才能ですよね。」

「帝先生、俺本当に無理なんですよ。」


かくして、俺らの酷い魔法を目の当たりにした先生は

少し呆れた顔で言った


「各自、家に帰ったら魔法を扱う練習をすること。いいですか!」

「先生!家を火事で失いたくないです!」

「先生。家をジャングルにしたくありません。」

「先生!扱う以前に少ししか使えません!」

「だったら、勉強してください。」

「「したくないです!」」


こいつらもしかしたらもしかしなくても本当に馬鹿だった

ちなみに俺は勉強はできる方だ


「いいから、黙ってやれ。」

「「・・・ハイ。」」

「はい。」



こうして補習をする日々がはじまる

帝先生は他の先生みたいに、俺らのことを投げ出したりしない

ちゃんと向き合って話してくれる

・・・少しは期待してもいいかもしれない

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