再生魔法と術式師

Yuyu*/柚ゆっき

第1章 水無月学園と俺

プロローグ

 さて俺はこの春、水無月学園へと入学することになった。

 この日本という国には《術式師リアライザー》と呼ばれる特異存在がいる。

 《術式師》。

 簡単にいえば《魔法使い》と《魔術使い》のことをさす、魔力を用いて武装して戦うわけだ。彼らは人であり人を超越した存在である。

 まあ、数千人に一人単位で生まれるらしいから実際特異でも何でもなくなりつつあるかもしれないけど、それを生業とする人間は生まれだけではやっていけないわけだ。

 つまり学園とかに入ってその力の使い方や“魔術”を学ばなければいけない。

 この“術式師制度”を作った偉人は『魔法は個の力、魔術は万人の力』と言ったそうだ。

 その言葉の通り、魔術は発動方法の知識と魔力さえあれば誰でも使えるいわば自衛方法的な側面を持っているわけだ。

 対して魔法は生まれつき持ってる奴と持っていない奴がいるわけで、その魔法が戦闘向きかどうかも全部運なわけだ。ようするに俺は魔法を授かったがその能力はすごい使いにくかったりする。

 だからこそ、俺は自分の住んでいる関東地方で広大な土地を持つ《術式師養成学園》の一つ、水無月学園へと入学することにしたんだが――どうしてこうなったと言わざるをえない。

 いくら平行世界にあるとされる日本の娯楽作品の恋愛・ラブコメにご都合主義展開が多いと言われていても。これはご都合主義でも何でもない俺の事実に基づいた物語である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る