終末のソナタ。

@SONATA1945

第1話

ーー旧東京都第26拒絶区域。

この街は、砲撃と断末魔以外の音を知らない。

廃ビルの群れが空を穿ち、散乱した瓦礫が地を覆うこの街において、砲撃と断末魔は全てだ。

時折混じるのは、何か獣のようなモノの咆哮。

けれどそんな声は、滅多に聞こえない。

ーー咆哮の主は、白い鳥だ。

いや、鳥という表記は誤りかもしれない。

何故ならヤツらには手足がある。白い鱗のようなもので覆われた外皮は、業火や砲爆撃にも耐えうる強度を誇る。顔には眼がなく、赤色の分厚い唇からは、絶えずヨダレを垂らしている。

ーー名称は、不明。俗称「近衛兵」。

肉を食し、破壊を快楽とするヤツらにとって、人間は格好のエサだ。

……故に襲われ、貪り食われ、殺される。

そんな化け物たちと、人類は闘っている。

……「神」が言う所の、「真の平和」の為に。

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