第37話 お話は続く 翼人と龍と
なずなが、廊下から中庭に出て、屋敷の中枢に向かって走ってると、わき道から少年が飛び出してくる。
「わあ、誰で何でここにいる?」
なずなはその黒髪の13、4歳くらいの少年の前に仁王立ちし、誰何した。
「昼間、電話したロボット調律師のリン・イサワキです。ここにいるのは火急の用なんです」
「私も火急の用で急いでいるのよ、泥棒さん」
なずなはそう言うと、バックから縄の塊を取り出し、リンに投げつけた。
縄はするすると延び、リンの手足を縛りあげる。
「じゃあね!泥棒さん!私の火急の用が終わってから、縄を解くかもね」
なずなは、背中を向けて倉庫への道を急いだ。
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