第4話 豪放! 破壊王獣レオリア!

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 突然だが、皆さんは殴り合いについて、一体どうお考えだろうか。


 例えば、お互いの主張がぶつかり合ってしまった末に至った、喧嘩だったり。


 例えば、相手を倒すために自らの肉体を鍛え、技を磨き競い合う、格闘技だったりするだろう。


 くだらない理由の子供の喧嘩だったり、不良の果し合いだったり、もっと直接的に暴力的な方々の抗争だったり、ボクシングだったり、空手だったり、総合格闘技だったり、もしくは、アクション映画やカンフー映画だったり、人によって様々な殴り合いが思い浮かぶことだろう。



 夕焼けの河原で、男二人が殴り合い、なぜか最終的に友情を育んでしまったり。

 宇宙生まれ地球育ちの戦闘民族が、宇宙の帝王と激しい戦闘を繰り広げたり。

 地上最強の生物の息子が、地下闘技場で大暴れしたり、親子喧嘩したり。。


 殴り合いと聞いて、ドラマチックな展開を思い浮かべる人も多いだろう。


 しかし、実際に自ら殴り合いをしたことがある人間となると、実はそれほど存在しないのではないだろうか?


 多くの人は精々、家族や恋人、友人や学友と、些細なことで喧嘩してしまい、思わず手が出たことがあるかどうか、くらいなのではないだろうか?


 格闘技を生業なりわいに、あるいは趣味にしてる人でも、それはあくまで合意の上の話であって、競技としての枠と飛び出すことは、まぁ、滅多なことではないだろう。



 互いの命を賭けて。

 互いの命を削り合うような。

 互いの命をぶつけ合うような。

 互いの命を打ち消し合うような。


 そんな殴り合いをしたことがある人となると、殆どいないことだろう。



 殴り合い。



 拳と拳をぶつけ合い、自らの主張を押し通す行為。



 相手より、自分の方が強いのだと


 相手より、自分の方が優れているのだと


 証明するためのもっとも原始的で、野蛮で、シンプルな行為。



 これは、俺と、悪の組織と、――殴り合いのお話だ。



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