召喚式を間違えて異世界から3人の人間を呼び出してしまいました
安どぉなつ。
召喚式を間違えて異世界から3人の人間を呼び出してしまいました
この物語の始まりは、ほんの些細な出来事から始まった。
とある少女のミスで呼び出された少年少女達。
少女のミスは、子供達の運命を大きく変えたのであった。
***
森の中で1人の少女が頭を抱えていた。
彼女の足元には巨大な魔法陣。
傍から見たら完璧な魔法陣であるが・・・。
「ど・・・どうしましょう・・・」
彼女は今にも泣き出しそうな声音で、こう呟いた。
「召喚式を・・・間違えてしまったのですよ・・・!!」
***
西暦 2015年4月・・・。
今日から私立聖城学園に通う女の子、『八島 時雨』は、今正に学園生活への第一歩を踏み出した。
___はずだった。
彼女が第一歩を踏み出した瞬間に地面が消え失せ、青々と広がる空へ、放り出された。
「なっ!?」
スカートを抑え、落下していく時雨。
真下は森と・・・魔法陣。
彼女は一瞬で悟った。
嗚呼、私は異世界に来てしまったのだ、と___。
「ん・・・」
彼女が目を覚ますと、目の前にはいかにも魔女、という格好をした女の子。
「に・・・人間!?いくら間違えたとはいえ・・・人間とは・・・」
女の子は暫し黙り、腕を組み何かを考えている様だった。
「・・・ねぇ、ちょっと、此処は何処なの?」
「・・・」
「ちょっと!」
「は、はいっ!!?此処はえっと・・・特に地名とかはございません・・・!」
「地名とかが無い・・・?」
時雨は首を傾げ、女の子に問うた。
「はい。強いていうなら、『ヴェルカーン王國』と言った所でしょうか・・・」
「ヴェルカーン王國?」
時雨は聞きなれない地名に首を傾げた。
「はい。・・・しかしこの國は・・・問題が多く・・・」
「問題・・・か。それより貴女、誰?」
「も、申し遅れました!私は『キャロッセ・トルリッカ』と申します!」
女の子・・・キャロッセはペコリ、とお辞儀をした。
「私は『八島 時雨』。」
「時雨さんですね!よろしくお願い致します!・・・しかし、お1人ですか?」
「多分・・・ね」
「!時雨さん!上!」
キャロッセが上・・・空を指さす。
そこには鞄を持った男の子と、巫女服を着た女の子が空から降ってきたのであった。
「ってーな・・・誰だよ、こんな変な世界に俺を引っ張ってきたのは」
「わ、私じゃないですよぅ・・・、」
男の子はたいそう不機嫌そうに、女の子は今にも泣き出しそうに言う。
「あわわわ・・・!また人間ですか・・・!呼び出してしまったのはこの私、キャロッセ・トルリッカです・・・!」
「ほう・・・俺は『八雲 歩』だ」
「わ、私は・・・『白神 すずめ』・・・です・・・」
「歩さんとすずめさんですね。この度は私のせいで御迷惑を・・・!」
キャロッセは3人に深々と頭を下げた。
「キャロッセ・・・か。なぁ、キャロッセ。俺達が元の世界に戻る方法は?」
「え、あ・・・えっと、それはですね・・・」
キャロッセはしどろもどろになっていた。
尤も、今から彼女が話す事をこの人間達は受け入れてくれるか、という不安があったのである。
「もったいぶってないで早く話してよ」
と時雨が急かす。
「良いですけど・・・引かないで下さいね?」
キャロッセは涙目で告げる。
「・・・引かない・・・です」
とすずめ。
「で、では・・・。それは私のお願いを叶えてくだされば帰れますよ。・・・ですがその私の願いは・・・。このヴェルカーン國を滅ぼして、新しく國を作りたかったのです・・・!」
キャロッセが放った言葉は、3人を硬直させた。
「國を滅ぼすって・・・!戦争でも起こす気なの!?」
時雨が驚愕の声を上げる。
「せ、戦争はしませんよ!そうですね・・・うまく論破出来れば良いのですが・・・」
「おい、第一國を作るにしても論破にしても、人材とか金とかが必要になるんじゃねーか?」
と歩。
「じ、じゃあ人集めから・・・しようよ・・・?」
すずめが手を挙げ、告げる。
「そうですね・・・。まずは人を集めましょうか・・・。幸い資金には恵まれていますし・・・」
「じゃあさっさと集めるぞ」
「は、はい・・・!私は心当たりがある方々の所へ行ってみます。貴方達はそうですね・・・この國を見て回って下さい。」
キャロッセはそう言い、時雨に地図を渡す。
「わかった。とりあえずここの・・・中央広場集合で」
「わかりました!それではまた後程!」
キャロッセは言い終わるが否や脱兎の勢いで駆け出し、あっという間に姿を消した。
***
時雨達はヴェルカーン王國を見て回っていた。
其処は獣人や人間やらで賑わっている。
「・・・パッと見、平和に見えるね」
「だな。あいつ・・・キャロッセが此処を滅ぼしたい理由がわかんねぇな」
「そう・・・ですね・・・後で聞いてみましょう・・・」
「だね・・・あっ」
その時、時雨の腹の虫が鳴る。
「ご、ごめん・・・」
時雨は顔を真っ赤にし、2人に謝罪する。
「いや、仕方ねぇだろ。確かに腹減ったな」
「じゃあ何か・・・食べるか・・・?」
「だな!」
「うん!」
時雨達はすぐ近くにあったレストランに立ち寄った。
幸い元の世界のメニューもあったようで、時雨はオムライス、歩はラーメン、すずめは蕎麦を注文した。
すぐ間も無くして、料理が届いた。
「「「いただきます」」」
3人は手を合わせ、注文した料理を食べ始めた。
***
「蛍様あああ!!!お邪魔しますのですよおお!」
バン!と荒々しく館のドアを開けるキャロッセ。
「キャロッセ様・・・。扉を乱暴に開けるのはおやめください・・・」
メイドに注意をされながらキャロッセは館の主、『烏間 蛍』の元へ向かう。
「何じゃ、騒がしい」
床に届きそうな程長い黒髪を靡かせ、現れた和服を着た眼鏡少女、烏間蛍。
姿は幼いが、こう見えて年齢は千歳を超えているとか言われている。
「あ、蛍様!実はですね・・・召喚式を間違えてしまいまして、3人の人間を呼び出してしまったのですよ・・・!」
「その事なら既に知っておる。だから言っただろうに・・・」
蛍はハァ、と溜息を吐く。
「ど、どうしましょう・・・!」
「仕方あるまい。本当は戦争でも起こそうかと思ったのだが・・・人間ならどうしようもないのう。やはり論破しかないのう」
「蛍様・・・、協力頼めますか・・・?」
キャロッセは蛍に頭を下げる。
「・・・元々そのつもりじゃよ。」
「・・・!あ、ありがとうございます!」
キャロッセはあまりの嬉しさに泣き出しそうになる。
「相変わらずの泣き虫じゃの・・・まぁ正直私も今の政治には納得言っておらんからのう・・・」
「やはり蛍様も・・・」
「そりゃあそうじゃろ。度重なる意味の無い増税に意味の無い法律に王の傲慢さ・・・どれをとってもクソくらえじゃよ」
蛍はこの世の中を睨みつけるかのように天井を見上げる。
「まあ兎も角、じゃ。私も知り合いをあたってみるとするかの・・・」
「ありがとうございます!では失礼します!」
そう言い終わるが否やキャロッセは館を後にした。
「やれやれ・・・1度決めた事は曲げないのは相変わらずじゃの・・・」
キャロッセが館を出る時にまたしても扉を荒々しく閉めてメイドに怒られたのは言うまでもないだろう。
***
その後、何とか中央広場で合流した時雨達は、この後の事について話し合っていた。
「とりあえず私は他の協力者も当たってみますね」
「じゃあ私達はこの辺を見て回ろうかな・・・」
「わかりました。くれぐれも気をつけてくださいね!」
言い終わるが否や、キャロッセは脱兎の如くの勢いで駆け出していった。
***
「商店街・・・って感じなのかな」
時雨達は商店街をうろうろしていた。
「俺達の見た事ない物もありそうだな・・・土産がてらに買っていくか?」
「・・・お金・・・ない・・・」
「確かに・・・あっ、ごめんなさい」
時雨は巨大な二足歩行の獅子にぶつかってしまい、頭を垂れる。
「あ?・・・チッ、人間か」
獅子は時雨の前に立ちふさがる。
「人間の分際で俺にぶつかるとはいい度胸だな。」
「だから謝ったじゃないですか・・・!」
「人間の癖に口答えするんじゃねぇ!!」
物凄い勢いで、獅子は時雨に殴りかかってきた。
「っ!」
時雨はそれを受け止め、そのまま背負い投げをしてやったのである。
「なっ!?」
「・・・まだやる気ですか・・・?」
「・・・チッ」
獅子はバッと起き上がり、人混みの中へ消えていった。
「・・・お前なかなかやるな」
「小さい頃に柔道と空手やってたし・・・」
「凄い・・・!」
「そうかな?」
「うん・・・!私何て出来ないよ・・・!」
すずめは目を輝かせて言った。
「ありがとう・・・さて、だいぶ注目されているみたいだね・・・」
先ほどのやりとりを見られていたらしく、(まぁ商店街なので当たり前だが)たくさんの人や人外の視線が時雨に向いていたのである。
「・・・どうするんだよ、これ」
歩が時雨を見やる。
「え、えっと・・・」
「ねぇ、そこの人間さん!」
時雨が困っていると、1人の女の子が話し掛けてきた。
「ん?・・・どうしたの?」
「さっきのやりとり見てたよ!人間さん、すっごく強いんだね!」
「ありがとう」
時雨は微笑む。
「私はマリン!水の妖精!」
マリンと名乗った妖精はくるり、と回った後にお辞儀をした。
「私は八島時雨。」
「俺は八雲歩だ。」
「わ、私は・・・白神すずめ・・・」
「へぇ・・・人間さん達、キャロッセさんの匂いがする・・・!」
マリンは時雨の服の匂いを嗅ぎ、呟く。
「キャロッセの事、知ってるの?」
「うん!私、キャロッセさんのお友達なんだ!」
「へぇ・・・じゃあキャロッセの計画については知ってるのか?」
「うん!」
歩が問いかけると、マリンは笑顔で質問に答えた。
「私は協力するよ!」
「ありがとうね。あれ、すずめちゃんは?」
「あ?アイツならさっきどっか行ったぞ」
時雨と歩が周りを見渡すが、すずめの姿は見当たらない。
「ったく・・・手間かけさせやがって・・・。俺が探してくる。お前らは此処で待ってろ」
歩はそう言い終わるが否や、人混みをかきわけ、すずめを探しに向かったのであった。
***
「・・・」
一方すずめは町外れの森の中に1人、歩いていた。
「・・・此処・・・白神様の気配がする・・・」
白神・・・すずめの苗字であるのと同時に、白神家が祀る神。
「お主・・・白神家の者か?」
と、突然すずめに話しかけてきた少女。
その少女は小柄で、彼女の足元には5匹程の白蛇が蠢いて居た。
「そうですけど・・・貴女は?」
「ふふ・・・わからんか。我は白神。お主羅が祀っておる神だ」
「白神・・・様?」
すずめは少女・・・白神から感じる神気を感じ取ってはいたが、本物だとは思っていたのである。
「うむ。お主等には感謝しておる。お主等が我を祀ってくれておるお陰で我は今やこの國で3番目の強さになっておるのだ」
「よ、よくわかりませんが・・・白神様のお役に立てたなら何よりです・・・」
「特にすずめ。お主には感謝してもしきれん。日々我の神社の手入れや参拝客が気付かぬ所まで綺麗にして・・・その様な小さな行いも、我の力となっておるのだ。我はちゃんと見ておるぞ」
「白神様・・・」
すずめは歓喜の余り泣き出しそうになるが、涙をグッと堪えた。
「そう涙を我慢せずとも良い。泣きたい時は泣けば良いのだ」
「白神・・・様ぁ・・・」
すずめはとうとう泣き出した。
自分が祀っている神がこの國に存在していた事、そして今迄の努力が実ったのが嬉しくて、泣き出してしまったのである。
「あ?白神・・・と、誰だ?」
「あ・・・歩・・・君」
そこに現れたのは、先程すずめを探しにやってきた歩だった。
「お主が八雲歩じゃの。我は白神。お主等の事はずっと見ておったから自己紹介は不要だ。」
「白神・・・ふぅん。あんた、神様なのかよ。そんなちっこくて」
歩はからかう様に笑う。
「歩君・・・白神様を罵らないでっ・・・!」
珍しくすずめが怒気を放つ。
どうやら割と本気で怒っているらしい。
「おいおい、そんなに怒るなよ」
「すずめよ、良いのだ。」
「し、しかし・・・」
「我が良いと言っておる。それに慣れておるから平気だ」
「・・・」
すずめは尚も歩を睨む。
「・・・そうだ、この際だ。我と1戦交えぬか?」
「白神様と・・・ですか?」
「2対1って事になるが良いのか?」
「構わん構わん。寧ろ人間たるお主等には相応しいハンデ・・・いや、3対1になるの」
「いた!歩、すずめちゃん!心配したんだよ」
そこにいたのは、時雨。
歩達の帰りが遅いので、心配してやって来たのだ。
「時雨ちゃん・・・!」
「お主が八島時雨か。我は白神。そこのすずめの一家が祀っておる神だ」
「神様・・・?よ、よくわかんないけど・・・何かあったの?」
「色々とな」
「そういう事だ。今から3対1で手合わせをしようと思うのだがどうだ?混ざらぬか?」
「神様と戦える機会なんて無いしね・・・是非お願いします」
「承知した。唯戦うだけではつまらんの。お主等が勝ったら・・・そうだの・・・お主等を呼んだ張本人が企んでおる作戦に参加させて貰おうかの」
「白神様が・・・!?」
「我もこの國には飽き飽きしていた所じゃし、丁度良いタイミングでの。」
「白神様が味方になってくださるなんて・・・!」
「それはいいんだけどよ・・・マリンってのはどこ行ったんだよ」
「マリンちゃんなら先にキャロッセの所に行ってるってさ。」
「・・・では、始めるかの?」
白神が構える。
「はい・・・!」
それに合わせ、時雨達も構える。
「・・・すずめよ。お主そろそろ本来の姿になったらどうだ?」
「・・・そうですね。神様と・・・ましてや白神様との戦い。私も本気で行きます・・・!」
すずめはお祓い棒を構える。
すると、すずめの体を光が包み込む。
「何・・・!?」
時雨達は眩しさの余り目を閉じた。
「・・・」
時雨達が目を開くと、すずめの巫女服は普通の巫女服では無く、赤と白・・・紅白を基調にし、袖が無く肩が露出し、ミニスカートの巫女服になっていた。
そして巫女服の所々に白蛇が描かれていた。
「すずめちゃん・・・綺麗・・・」
「・・・ありがとう・・・。これは白神家に伝わる正装なんだけど・・・まさか此処でも呼び出せる何て・・・」
「やはり白神の者はその服装が良く似合うのう・・・。さて、始めようかのッ!」
言い終わるが否や、白神は地面を抉り出す程のスピードで時雨に向かって来た。
「っ!?」
時雨はそれを受け止めるが、勢いに負け地面に叩き付けられる。
「ふむ・・・人間にしてはよく耐えたの。」
白神はパンパン、と自分の服に付いた土を手で払う。
「俺を忘れてんじゃねぇのか?」
歩は白神の後ろから姿を現し、白神に踵落としを喰らわせた。
「勿論忘れておらぬ・・・なかなかの蹴りだの。」
白神はそれを片手で受け止め、そのまま歩の足を掴み、歩の身体ごと放り投げた。
「白神様・・・行きますよ・・・!」
すずめは白神の懐に飛び込み、鳩尾に殴りかかろうとした。
「なっ・・・何してるんですかあああああぁッ!!!」
何処からとも無く響き渡る轟音。
その轟音に僅か遅れて響き渡る稲妻。
「何か物音がすると思って来てみれば・・・!あろう事か白神様と戦ってらっしゃるって!どうしてこうなったんですかッ!」
神様1柱と人間3人の戦いを止めた張本人・・・キャロッセは怒りの余りフルフルと震えていた。
「キ、キャロッセ・・・!」
「お主!7色の・・・!」
「わーっ!白神様、それは秘密秘密、絶対に言ってはならない秘密なのですーっ!」
キャロッセは慌てて白神の口を手で抑えた。
「7色の・・・?」
「どういう事だ、キャロッセ」
「そ・・・それについては後程・・・!で、どうしてこうなったのか!徹頭徹尾!徹底的にっ!教えて頂きますよッ!!」
「・・・私から・・・話す」
すずめは挙手をし、キャロッセの元へ向かって行く。
「すずめさん。何があったのですか?」
「それは・・・」
すずめは一部始終をキャロッセに話す。
「なるほど・・・つまりこの戦いを誘ってきたのは白神様という事ですね?」
「いやー、何せ子孫に会うのは何千年振りだったからつい・・・の」
「ついじゃありません、ついじゃ!相手は人間ですよ!?死んだらどうするんですか!」
「死人は流石に出さぬ。・・・まぁもっとも怪我人は出してしまったがの・・・」
白神は倒れている時雨を見、そう呟いた。
「時雨ちゃん・・・大丈夫?」
すずめは時雨を抱き起こし、顔を覗き込む。
「ん・・・大丈夫。」
「なら良かった・・・」
すずめは安堵の溜息を吐く。
「・・・で、キャロッセ」
「は、はいっ」
「7色の・・・なんだ」
歩がキャロッセに問いかけると、キャロッセは冷や汗をかき始めた。
「・・・虹でも出せるの?」
すずめは首を傾げる。
「違いますっ!私はその・・・なんと言いますか・・・7色の魔法を扱えるのですが・・・」
「・・・それで?」
時雨は白神に手当てをされながら問いかける。
「その7色の魔法を扱えるのはこの國で2人・・・この世界で3人しか居ないのです」
「よくわかんねぇけどすげぇんだな」
歩は素直に関心していた。
「その3人は・・・《創設者》と呼ばれています・・・」
「創設者って、事は・・・」
「この國を・・・世界を作ったって事・・・?」
すずめが呟く。
「はい。この國・・・いや、この世界は貴方達の世界で言う平安時代から存在していました。
ですが・・・」
「・・・ですが?」
「明治時代に入りこの世界の人口は増えていきました。勿論それは喜ばしい事です。ですが同時に、戦争も増えていきました。そこで私達創設者は・・・この世界に五つの國を創りました。」
「・・・」
時雨達は黙って静聴している。
「一つは此処・・・五つの國でも中心的な國、ヴルカーン王國。そして二つ目は日本に似た國、撫子國。三つ目は発展途上のエスポワール。そして四つ目はヴェルカーン王國よりも発展している國、ウィスタリア王國。そして最後、五つ目は・・・衰退してしまった國、テラコッタ國です。これらの國は比較的平穏でした・・・といっても勿論、戦争が無くなった訳ではありませんが・・・。」
「なるほど・・・」
時雨が頷く。
「それで?話はまだ終わりじゃねーんだろ?」
「は、はい・・・。」
「しかし・・・最近になってテラコッタ國とヴァルカーン王國が争いをはじめたのです・・・」
「へぇ・・・それで?」
「それで・・・ですね。私は当時その・・・やんちゃしてましてね。」
キャロッセは恥ずかしそうに俯き、話を続ける。
「そしてその・・・戦争は未だに続いております。故にやがて何に使うのか定かではない程程、異常なまでの増税、そして政治家たちのめちゃくちゃな行動により・・・この國は崩壊して・・・」
(随時更新)
召喚式を間違えて異世界から3人の人間を呼び出してしまいました 安どぉなつ。 @azimu
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