炎上

西野 内斗

現在編

炎上

 赤く、紅く。炎はゴウゴウと燃え上がっていた。それは、まるで闇を裂く篝火のようで、しかし、明らかにそれとは違っていた。

 数々ある建物の中でも、一際壮大である王城を、呑み込むかのように炎は広がっていく。

 無差別に破壊を振りまくそれが触れた途端、朽ちるように王城はその形を変えていった。それを嘲笑うかのように、炎が揺らめく。

 それは、残虐で、暴力的で……それ故に、美しかった。

 まだ尚、炎は燃え上がる。

 まるで、魂を糧としているかのように…………。

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