初めに小説をチラッと見た所、
抱いた感想は「ガバって何?」だ。
どうやら、非常にテンポが速いハードコア・テクノの事らしい。また明日には忘れてそうな知識が増えてしまった。
私は純文学をレビューするのはこれで二回目なのだが、やはり肌に合わないジャンルだが、これは面白かったと感じた。
なぜ肌に合わないかというと、私はポジティブ側の人間で自己肯定感が高いからだ。
だから、彼の厭世観を理解することができない。
でも、「理解できない事」と「理解しようとしない事」は全然別問題だとどこかの誰かがいっていたので、頑張って理解しようとしてみる事にした。
この作品の主人公は名もない「僕」。
名前がないため、誰でも自分の名前を当てはめて考えることができるんじゃないかな、と感じた。
ガバが好きで、未成年なのにタバコを吸っている、不良少年だ。
(そんな"不良"という言葉で片付けてしまうから、彼の本当の悲しみを理解できないのだろうな。)
どうやら彼は、冒頭によると「哀愁」という感情がなくなってしまったらしい。
それが比喩なのか、または病気的な物を患っていて感情がなくなってしまったのかは分からない。
個人的には、後の描写からして前者な気がする。
どうやら彼は、人と関わるのが苦手らしい。
バイトも5ヶ月でやめてしまったし、かといえば親からの「なんでやめたの?」という視線に耐えられずに復職したり。
他人と関わる時も、いつもニコニコして仮面をつけている。
ユング心理学で言う、ペルソナが顔に張り付いたような状態だ。
その様子や他の描写から、社会に対する不満を持っている事が伺える。
総評としては、この作品は「哀愁」を忘れてしまった「僕」が、また歩み続けようと決意するまでを書いた、短編純文学小説である。
これを読んでいる他でもない「僕」。
人生は果てしなく長く、また短く、辛い物かもしれないが、
どんな度合いの好きでもいいから、何か好きな物を一つ作ってみて、それに縋りながら毎日を生きて欲しい。
送ってくれてありがとう。
またのご応募お待ちしております。