空蝉への応援コメント
企画から伺いました。コメント失礼します。
何かを埋めるために穴を掘る男を、蝉の羽化についての細かな描写とともに書かれているような、そんな作品だと感じました。1000字以内の作品とは思えないくらい、深みがあるというか。一文一文に意味があるというか……。まとめ方が凄くて、私も見習いたいくらいです。
感想としましては、どこか不穏な読後感を得ました。男が何を埋めたのか……おそらく男にとって「なかったことにしたいもの」なのだろうと思います。他の方への返信で、埋めたものは意図的に描写しなかったとありましたが、私もこの作品の雰囲気には合っているように思いました。限定しないことが、作品に深みを与えている、と。
方角についてですが、北西を予想させていただきます。
私は作品を読み進める中で、「穴を掘っていた男が、小さな穴をきっかけに少年時代のことを思い出したのだな」→「蝉はこんな風に羽化するのだな」→「男は何かを埋めるために穴を掘っていたのだな」というような順に思考していったのですが、最終的には「男は何を埋めたのだろうか?」という疑問が残りました。これは、私だけでなく他の読者さんたちも抱いたもののようなので、北向きなのではないかと考えます。読み終えた読者さんがそれぞれ少しずつ違ったものを抱くのが、西向きなのではないか、と私は考えました。
また、蝉の羽化についての具体的な描写には、なんとなくですが作者である藤葛さんの思いが込められているように感じました。「これ(蝉の羽化について)を書きたい」という思いが、伝わってきました。このような部分には、西向きを感じます。
この二つを合わせて考えて、北西になると考えました。
長々と書かせていただきましたが、素敵な読書体験をさせていただきました。ありがとうございました…!
作者からの返信
コメントありがとうございます。
蝉の羽化の描写から「これを書きたい」というものを感じ取っていただけたとのことで嬉しく思います。
実際にこれが描きたくて書いた作品で、少年時代の描写や羽化の部分は、この作品の核になっているところだと思っています。
北西とされた理由についても興味深く読ませていただきした。感じたことを詳しく伝えていただき、とても参考になりました。
丁寧に読み込んだ感想を書いてくださり、ありがとうございました!
空蝉への応援コメント
企画から参りました。
暗黒星雲です。
小さな穴に水を入れるとセミの幼虫が出てくるんですか??
いや、初めて知りました。
それを捕まえれば、家の中で羽化を観察できますよね。
素晴らしい。
さて、主人公が何で穴掘りをしているのか?
序盤から謎が提示されていますが、小説においては「死体を埋める穴」が定番ですね。
終盤になって「運びこんだそれ」を埋めてしまいましたが、この「それ」が死体ではないかと、常識的にはそう考えます。
しかし、この「それ」は何の死体であろうか??
と考えると、色々面白くて堪りませんね。
例えば、道路ではねてしまったイノシシだったとか、そうじゃなくて行き倒れたグレイ(宇宙人)だったとか、改造手術に失敗したサイボーグだったとか、いや、手術は成功したから土中で何日耐えられるかの実験をしたとか、色々考えると楽しいです。
暗黒としては、都会で生きていた森の妖精が衰弱して死んでしまったので、生き返らせるために森の土に埋めた……みたいなストーリーだと面白くてイイかなと思います。
え?
普通に殺人事件なんですかね??
では方角です。
「運びこんだそれ」が何か全くわからないです。この辺の情報が提示されれば北へ向きそうですが何もない。真夏の情景描写は西向き、セミの一生に関わるアレコレは北向き。このセミと埋めた何かの関連があればもっと北向きになると思いますが、何もないので北に引っ張る力は弱い。
よって、暗黒の判定は「西北西」です。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
おお、やっと西北西とおっしゃってくれる方が…w
蝉の幼虫は巣穴に適度に水を入れると出てきますよ。(様子を見ながら注ぐのがコツです)
出てこないと溺死してしまうので、蝉の幼虫も何事かと出てくるのだと思われます。
でも、まだ自ら穴を出るタイミングではなかったのに、無理やり引っ張りだされて羽化を急かされてしまうと、羽化後の短い寿命をさらに短くしてしまうらしく、蝉からしたらいい迷惑ですね😓
以前、とある山へドライブに行った際に、大きな鹿が轢かれてまるっと横たわっていて「うわ...」となったことがあります。
轢いた車もこれだと相当な衝撃だったろうなと思いつつ、人だったら大変な事故として扱われるはずなのに…と、なんとも複雑な気持ちになりました。
イノシシ説からなんだかそんなことを思い出してしまいました。
埋められたのがグレイやサイボーグだったら、それはそれで北要素たっぷりで面白くなりそうですし、生き返らせるために土に埋めるという発想もよいですね。
木々や大地からエネルギーを分けてもらう感じですかね。
お読みいただき、ありがとうございました!
空蝉への応援コメント
初めまして、企画からお邪魔致します♪
真夏に一人、穴を掘って「何か」を埋める男と、土から出て来て羽化する蝉。
あえて埋めたものが明示されていないだけに、想像力が掻き立てられますね。
深く掘った穴に横たえる何か。もう私には、アレを埋めているとしか!!💦
最後の、羽化に失敗した蝉の描写があるのも、これまた「いつかこの犯罪は明るみに出る…」みたいな、隠ぺい工作失敗の暗示に思えてなりませんでした。この文字数でそこまで想像させるとは、作者様の構成力と文章力が凄い、と思いました✨
というわけで、私はミステリ小説のプロローグみたいに楽しませて頂きましたが、特に断定されていない分、読者様によって色々な楽しみ方がありそうですね♪
ですので方角は、北方面かなと思いました。描写の雰囲気が西っぽい気がしたので、北北西に一票です!
正に蝉しぐれの季節ですね。蝉さん、全力で夏を生きられますように。
丁寧な描写と、想像力を掻き立てられる展開。楽しく読ませて頂きました♪
作者からの返信
初めまして!コメントありがとうございます。
深く掘った穴に横たえられる何かと考えたら、まあ、、そんな風にも考えちゃいますよね笑
羽化に失敗した蝉の描写から、隠ぺい工作失敗の暗示のようだと、ミステリーのように想像を膨らませていただけた事が嬉しいです。
方角についても、北北西と見ていただいた理由も書いてくださり、参考になりました。
お読みいただき、ありがとうございました!
空蝉への応援コメント
はじめまして。フィンディルさんの近況ノートから来ました。
シンプルに、何を埋めたのかとても気になりました。
この「気になる」が北的かなと思います。純文学的な感じはやや薄いかしら…?情景や事実の描写が多いからですかね。北北西くらいかな。
人称については、「男は」だけならまだ大丈夫かなと感じたのですが、「少年は」とあると、ちょっと視点がブレるような気がしました。
それにしても、何を埋めたんだろう…。相当大きいですよね。
作者からの返信
はじめまして。コメントありがとうございます。
何を埋めたのかはあえて明かさず、読んだ方の想像に委ねる形にしてみましたが、何を埋めているのかを伏せたことで北寄りに映ったのかな、とオレンジ11さんのご感想を読んで興味深く思いました。
また、人称についてのご指摘もありがとうございます。
「少年」の部分は、回想場面と現在の場面を明確に分ける意図で入れたのですが、自分でも少し引っかかっていた箇所ではあります。ほかの方からも同じ部分をご指摘いただいているので、これはちょっと考えものですね😂
お読みいただき、ありがとうございました。
編集済
空蝉への応援コメント
フィンディルさんの近況ノートからリンクしてきました!
ひとつ、想像力のない読者のことを考えておられますね。
暗喩によって想起させる方法をとられている。
現在の作業中男と現在の作業終えた男の過去が、蝉の羽化したイメージをはさんで表現されている。
羽化したての蝉は、白く、柔らかい。
なぜこのイメージを、スコップ+汗だくの男の内部に配置したのか。
ふいに直感を刺激されました。
埋めたのは……女性性を持ったなにかだ。あるいは赤子。
想像力がありませんから、いろいろ考えました。
産業廃棄物だったら、とか生ごみだったら、とか動物の死骸だったらとか。
いや、でもですよ? そういったものであれば、蝉の羽化シーンはいらないですね。
間違いなく、作者さんの書きたいものは、この埋めたものがなんであるか、ということと直感しました。
そして、それを事細かく描写したくない。
理由はなにか?
執筆上の挑戦であるのか、そういう表現が好みでいらっしゃるのか、方角企画にたいする立ち位置を決められたからなのか。
埋められたものを細かく描写した時のメリットは、間違いなくそれそのものが男のテーマであると伝えられます。
デメリットは、文章上の香りといいますか、醸し出す生気というか息吹のようなものが失われます。
そして、それの描写がしてあったならば、あるていどの抵抗感を生んでいたかもしれない。
読者にとっても、作者さんにとってもそうであるかもしれない。
作者さんは描写しない。
それがちょうどいいとお考えなのでしょうか。
あるいは、タイトルにつなげて、ラストシーンを描きたかったとすれば、間の蝉のイメージは必ず必要でしょうし、男のその後も哀れなものだと思えます。
ですが、もし、描写が必要だったとして。
作者さんは書かれるでしょうか?
蝉の羽化シーンを抜きにして、このお話を書かねばならなかったとしたら、この作品は生まれていなかったかもしれない。
作者さんの書きたいものではなかった可能性があります。
そこの部分に行きついて思ったのは、作者さんの書き手としての威厳、矜持、意地、(それ以外のなにか?)が関わっている、ということ。
それは、芸術家たるもののなんたるか、ではないか、ということ。
この作品からは、本能的に悲劇を感じさせるなにかを感じます。
そのなにかは、男が埋めたものそのものを描いては決していけなかった。
これを禁忌と呼びます。
作者さんが書きたかったのは、女性性に対する禁忌であったとわたくしは結論付けました。
男は、その女性性に対する禁忌を犯した。
と、仮定して。
男とその女性性をもつものとの関係は? 今現在の互いの立ち位置を男はどう考えているのか?
さて、興味深いのですが、ここでわたくしの思考はぷつりと途絶えました。
この作品には、想像を絶するなにかが横たわっている。
触れてはならない、禁忌が埋まっている。
もしかしたら、作者さんも、それを知って、あえてそのものの描写を避けられたのかもしれません。
あるいは、そう思わせるための手立てだったのかもしれませんね。
方角は「北西」でお願いします!
ではまた。
れなれな9
作者からの返信
コメントありがとうございます。
埋めたものについては、あえて限定せず、読んだ方の中でそれぞれの像が立ち上がるようにしたいという意図がありました。
男が何者なのか、何を埋めたのかを具体的に描いてしまうと、作品の余韻や読み手の想像を狭めてしまう気がして、最後まで伏せる形を選びましたが、おっしゃる通り、蝉の羽化シーンを抜きにしては、この作品は生まれていなかったと思います。
考察をとても興味深く読ませていただきました。
方角は自分では西北西を想定していましたが、構成や読者への働きかけを北寄りに受け取っていただいたのだと思うと、北西というご意見にも納得するところがあります。
たくさん想像を巡らせて読んでいただき、そしてそれを言葉にして届けてくださり、ありがとうございました。
空蝉への応援コメント
拝読いたしました。
蝉は昆虫の中では一番好きかもしれません。その一生を含めて。
早朝に散歩に出ると、ちょうど羽化する時の蝉を見たことがあります。神秘的で、何かしようとは思いませんでした。羽化不全の幼虫も見かけたことがあり、物悲しい気持ちになりました。
蝉の合唱の中、彼は何を埋めたのでしょうか。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
何を埋めたのかは、あえて想像に委ねる書き方をしてみました。
蝉の羽化はとても神秘的ですよね。羽化不全については、空蝉になることすらできずに途中で命を終えた姿に、ただの抜け殻となったものより、強い儚さを感じてしまいます。
これは子供の頃に奪った小さな命への鎮魂みたいな作品だったりします……笑
お読みいただき、ありがとうございました。
空蝉への応援コメント
空気感と情景がリアルに伝わってきて、想像力を掻き立てられる作品でした。
何を埋めたのかを明確に明かさず、断定させない構造によって、読者にとって想像しやすい形に想像させることが出来る。没入感を阻害しない、良い描き方だなと思いました。
とはいえ「それ」には元々命があって、土に還すために埋めているということまでは、キャッチコピーや全体に滲む生命の描写から明らかで、多くの読者の想像は一致しそうな気はします。
幼少期に地面から幼虫を引きずり出して羽化させた行為。蝉の羽化の描写が生々しく、瑞々しい生命の存在を感じさせました。
そして、出てこなかった幼虫をなかったことにするように埋め戻した行為。そして現在の「男」が何かを埋めた行為。これが重なり合って、彼の「加害」と「隠蔽」の概念的な反復性が示されているように思えました。
最後に登場する羽化不全の一匹は、一見してタイトルに対する裏切りになっていて、なにか意図が込められていそうだと感じました。
空蝉は羽化を成功させた蝉の抜け殻。つまり「成功」や「成就」を象徴すると考えれば、羽化不全の一匹は、「失敗」あるいは「未成就」を象徴する。
とすると、「男」の隠蔽行為の失敗であったり、あるいは「男」の内面的な不全性を予感させる描写なのかなと思いました。
総じて、幼少期と現在の蝉にまつわる描写群が、現在の「男」の行為の輪郭を浮かび上がらせる仕掛けとして機能する構造は北的であると思いますが、その計算による解釈の制御は、真北というほど押しつけがましくはないのかなと。ただし、西と呼ぶには「男」の姿(外見的な意味ではなく、人となり)が少し薄味な気がしました。薄味というのはネガティブな意味ではなく、おそらく藤葛さんが意図的に制御した結果であると思うのですが、そうすると結果的に西が薄まるのではないかということです。
結果として北西、あるいは北北西なのかなという印象でした。
それから、これは蛇足かもしれませんが、細かい指摘として。
> 男はそれを誤魔化すようにスコップを地面に突き立て、ひと息ついた。
> そうやって捕まえるものなのだと学習してから、少年は虫カゴと一緒に空のペットボトルに汲んだ水を持参して、その小さな穴に水を注いだ。
この二文だけ三人称ラベルが明示されていて、他は一人称視点としても成立する文章になっているので、結果的に三人称限定視点となっている。これを完全に一人称視点にしてしまっても良かったのではないかなと思いました。
「男」と「少年」の明示によって主体の姿をそこだけ客観的に見せるという意味合いがあるのかなと思うのですが、その文の時だけ急にカメラが引くような感覚が、ちょっと没入感を阻害するような気がするのと、それが一人称になっても流れ的に主体の誤認は無さそうだなという気が、個人的にはしました。
以上です。楽しく読ませていただきました!
作者からの返信
コメントありがとうございます。
幼少期と現在の行為の反復や、最後の羽化不全について深く受け取っていただけて嬉しいです。
何を埋めたのか、男が何者なのかをどこまで伏せるかは意識していた部分なので、さまざまに想像していただけたことも興味深く読ませていただきました。
自分では西北西くらいを想定していましたが、構造による解釈から、北西から北北西に感じられたとのことで、作者の意図より北寄りに映ったことも含めて、この企画ならではの面白さを感じています。
ご指摘いただいた二箇所については、「男」と「少年」という言葉を入れることで、現在と回想の絵面を切り替える意図がありました。K.K.さんが書かれていた『カメラの引き』に近い感覚だと思います。
ただ、読み返したときに自分でも妙な引っかかりがあり、直すかどうかを結構悩んでいた部分でもあるので、ヒェーッとなっています。
K.K.さん、何者ですか?😂
細部まで目を留め、丁寧に読み込んでくださり、ありがとうございました。
空蝉への応援コメント
失礼します。方角は西北西とのことですが、私も納得しました。セミの羽化、子ども時代には見たことがありますが、このような方法で幼虫を捕まえることができるのは知りませんでした。ラストシーンの幼虫が、主人公の状況を暗示しているように感じました。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
作中のように穴に並々注いでしまうと、幼虫が溺死しやすいので注意が必要です😂
何年も土の中にいて、いよいよのところでこんな風に命を奪われてしまう不条理…
お読みいただきありがとうございました!