水底の黒い遺骨への応援コメント
文芸部へのご参加、ありがとうございます。
「人骨の主成分はリン酸カルシウム」という冷徹な科学的記述から始まり、水槽の中でほろほろと溶けていく男の肉体を見つめる主人公。その静かで狂気的なまでの冷静さに、冒頭から一気に物語の緊張感へと引き込まれました。
■ 全体を読んでの感想
完璧に証拠を隠滅し、母の復讐を果たしたと確信した直後に訪れる、「ひやりとした感覚」からの展開が本当に素晴らしいです。
男が苦しみの最中に自ら込み上げた「黒ずんだ死骸、輪のかたちの遺骨」としての指輪。そこに刻まれた、かつて男の助手であり、主人公の母でもある「恵美利」の名。その事実が明かされた瞬間、主人公の単なる「醜悪な復讐対象」であった男の輪郭がガラリと変わり、壊れ物に触れるようだった男の手つきや祈るような声音の記憶が、全く違う意味を持って押し寄せてくる。
すべてを溶かす水槽の底で、指輪だけが「隠されるように」残ったという因果。誰かがドアをノックする音で幕を閉じるラストに、解き明かされない哀切と緊迫感の余韻が目の前に美しく広がりました。
■ お題「省略法」の活用について
本作では、テーマである「省略法」が、過去の人間関係や男の真意をあえて引き算することで、ミステリーとしてのサスペンスと、読者に委ねられる情緒を最大化するために、極めて洗練された形で使われていました。
・【母と男の『過去の真実』の省略】
男と母の間に本当は何があったのか。男は本当に母を手に掛けたのか、それとも別の真実があったのかという、すべての発端である「過去の出来事」が徹底して「省略」されています。この引き算があるからこそ、刻印を見つけた主人公(および読者)の脳内には、男の「寂しげな笑顔」の理由について幾通りもの切ない想像が駆け巡り、復讐劇のほろ苦さがより劇的に際立っていたように思います。
・【ノックの主や『その後の結末』の省略】
物語の最後、ドアをノックしたのが誰なのか、主人公がその後どう行動したのかという「結末」があえて書かれずに筆が置かれています。この静かな引き算によって、床に座り込んだまま動けない主人公の、思考がフリーズしたようなリアルタイムの衝撃がそのまま読者にも伝わり、破滅と哀哀の混ざり合った独特な空気感が胸に残る見事な構成になっていると感じました。
■ 最後に
省略法という技法を、単なる情報の制限ではなく、愛と憎しみの境界線を曖昧にし、物語に底知れない深みを与えるための「知的な行間」として使いこなされた素晴らしい作品をありがとうございました。
また部室にて、あなたの紡ぐ、精密な伏線と人間の深淵を覗き込むような美しい物語に出会えるのを心より楽しみにしております。
作者からの返信
@naimazeさま、丁寧な分析、ご感想、心よりお礼申し上げます。2000字という制限で、別企画として書いたものですが、まさに省略法だー!と思い参加させていただいた次第です。読者により、全く異なる真相を想像していただけるようで、作品としてはどうか…というところですかま、作者が楽しんでおります。
いつもありがとうございます!
水底の黒い遺骨への応援コメント
脊椎動物哺乳類人科なら濃硫酸のプールに沈めれば【跡形もなく】この世から消滅させることができます。ジョン・ジョージ・ヘイグという殺人鬼が少なくとも6人、本人の供述によると9名な人間をそれで殺害した事件があるね。 でも、濃硫酸のプールなんて大層なものがなくても人間をDNAの一本も残さずこの世から消滅させる方法なんて極めてシンプルなんだよね。しかも日本という検視官のレベルがまだ低い国だと、そして【そもそも遺体がなければ殺人事件として検挙できない愚かな国だと】遺体さえなければ【失踪扱いなんだよね】。もちろん失踪扱いならば【時効】が存在し7年(海難事故や震災などの危難に巻き込まれた場合は1年)生死不明から死亡認定されるよね。ここら辺のグロい話なら誰よりも得意だし、最近それをネタにして探偵モノ(誘導尋問が主な見せ場)の探偵と完全犯罪マニュアルを購入して犯罪を犯しておきながら天網恢々粗にして漏らさずから逃げおおせた真の悪党に法律ではなく閻魔大王に代わって地獄の裁きを与える閻魔の娘、という作品を考案し、プロットを練っています。
作者からの返信
ゆめじはるかさん、ご感想ありがとうございます!確かにSFにしなくても成立ですねφ(..)完全犯罪が可能な日本よ…
ぜひ大作完結させてくださいませ!たのしみにお待ちしております✨
水底の黒い遺骨への応援コメント
コメント失礼します。多くを語られないからこその重厚な余韻がすごいです…!
男は主人公に殺されることを予言していたのでしょうか。水槽に沈む指輪のように主人公の心がどこまでも沈殿して浮かび上がれないようなラストが印象的でした。
物語の細部を考察してみたくなります。
読ませていただきありがとうございました!
作者からの返信
お肉にはワサビさま、こちらも読んでいただきありがとうございます!
2000字の縛りということで、ほとんど真相を読者様に丸投げするスタイルとなりましたが、これはこれでおもしろいなと思えました。皆様それぞれのご考察教えていただけて作者は大変ホクホクです。
ありがとうございました!