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  • 第三章 上弦-骨鳴り 後篇への応援コメント

    コメント失礼します。
    同じ宿命の人がいて、少しホッとしました。まして、教師なら安心かなと……。
    心理描写が分かりやすくてハラハラします。また、読みに参ります。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます!

    同じ宿命を持つ存在が現れたことで、少し安心していただけたとのこと、とても嬉しいです。

    朔の心理描写にも注目して読んでいただき、ありがとうございます。
    これから久世先生や朔のことも少しずつ描かれていきますので、最後まで見届けていただけたら嬉しいです。

    またのお越しをお待ちしております!

  • プロローグへの応援コメント

    はじめまして。企画からお邪魔しました。
    本編へリンクする説明書を置かせていただきました。
    なかなか読まれません⋯。
    狼男になる男の子の物語なのですね。月に運命を翻弄されていくのでしょうか。
    先が気になります。ぜひ、読ませて下さい。
    宜しければこちらにもお立ち寄り頂ければ嬉しいです。

    作者からの返信

    はじめまして!

    企画からお越しいただき、さらに作品を紹介していただきありがとうございます。

    「狼男になる男の子の物語」という部分に興味を持っていただけて、とても嬉しいです。
    月とともに少しずつ変化していく朔の姿を、最後まで見届けていただけたら幸いです。

    温かいコメントをありがとうございました。
    私も後ほどお邪魔させていただきます!

  • エピローグへの応援コメント

    完結まで拝読しました。

    満月に近づくほど狼になり、新月に近づくほど人間に戻っていく。一般的な狼男のイメージを踏まえながら、それを「一夜の変身」ではなく、月齢に沿って少しずつ進む変化として描いている設定に、まず引き込まれました。

    読み進めながら、私が本当に怖いと感じたのは、変身そのものよりも、「今は人間だ」と一度は思えたはずの確認が、また崩れていくことでした。

    この作品の奥で静かに支えているものについて、私なりに考えました。



    まず離れられなかったのは、骨でした。

    第一章の授業で、骨代謝の話が出てきます。
    古い骨を壊して、新しく作り直す。それが人間の身体を保つ仕組みだと説明される場面です。

    けれど朔にとっては、その説明がそのまま自分への問いになってしまう。

    壊れているのか

    作り替えられているのか

    授業の中では、この二つはどちらも人間の身体を保つための働きだったはずなのに、朔の中では、自分は何になっているのかという問いに変わってしまう。

    この問いに、作品は最後まで答えを出しません。骨が軋む場面、骨が折れる音のする場面を経て、エピローグで「骨の痛みもない」というところまで来ても、壊れているのか作り替えられているのかという問い自体は、そのまま残っているように感じました。



    白い錠剤も、単純な道具としては読めませんでした。

    普段は「一日一錠」という決まりのもとで、理性を保つための制御手段として扱われています。
    けれど同時に、それを飲むということは、自分が満ち人であることを認める行為でもある。人間でいるためのものを必要としている時点で、もう普通の人間ではいられないことを、その一粒が示してしまっている気がしました。

    そしてこの錠剤は、決定的な場面で役割を変えます。

    崩れかけた久世先生に、朔は自分の最後の一錠を渡します。
    その結果、朔自身は満月の夜を、白い錠剤を持たないまま迎えることになる。

    そのあとで、朔を助けに行くために、久世先生は白石先生から錠剤を受け取り、規定量を超えて飲みます。

    このふたつは、同じ一粒の話ではなく、別々に起きたことなのだと思います。そして、そのどちらも、きれいに片づいた展開としては読めませんでした。誰かを助けるたびに、危機そのものが消えるのではなく、危機の置かれる場所が、朔から久世先生へと、移っていくように見えたからです。



    呼び方の揺れも、印象に残りました。

    人間

    満ち人
    化け物
    怪物

    同じ変身現象に対して、いくつもの言葉が本文の中で並びます。そのどれもが朔を完全には固定しません。

    朔が「俺は……怪物なんですか」と聞いたとき、久世先生は「怪物なら、お前は今、そんな顔をしない」と返します。

    ここで問われているのは、朔が何という分類に属するかではなく、今どんな顔をしているか、抗おうとしているかどうかだけなのだと感じました。

    「お前は、どっちだ」

    この一言が、どんな分類語よりもずっと重く残りました。



    白石先生の「生き方」も、同じ方向にあると思います。

    「生き方を教えてあげる」と言った後に出てくるのが、大きな教訓ではなく、

    スーッじゃなくて、スッ。

    という、とても具体的な呼吸の仕方だったところが好きでした。

    大きな言葉のはずのものが、息の吸い方という小さな手続きに変わっている。満月の圧力の中で、自分を保てなくなりそうな体に対してできることは、まず呼吸を浅く、短くすることだけ。

    小さい。
    けれど、切実でした。



    久世先生がどうなったのかは、最後まではっきりしません。

    「もう戻って来ないらしいよ」という噂と、遠くの木にとまる梟と、「お前のせいじゃない」という声だけが残ります。父・望の話も途中で出てきますが、川辺で朔が「お父さん?」と呼びかけた大きな狼が、本当に父なのかどうかも、確定はしません。誰かのそばにいるために、誰かを助けるために、規定量を超えた者が姿を消す側へ寄っていく。その構図だけが、重なって見えました。

    ここで思い出すのは、久世先生の「……だから今度は、俺がお前の居場所になる」という言葉です。

    最初は言葉として差し出された「居場所」が、満月の夜には、規定量を超えてでも朔のもとへ向かう行為になってしまう。だから余計に、温かい言葉としてだけは読めませんでした。

    白石先生も、エピローグで何かを言いかけて、結局言いません。何を言おうとしていたのか、私にはわかりませんでした。

    隣の席の子については、朔は「満ち人特有の匂い」を感じ取ります。
    それが本当にそうなのかどうかまでは、本文の中では確かめられません。
    それでも朔は、正体を決めつけたりせず、ただ呼吸の仕方だけを差し出します。

    スーッじゃなくて、スッだ。



    朔は下弦の月の下で、骨の痛みもない朝を迎えます。
    それでも白石先生からは、また白い錠剤を渡され、「一日一錠よ、絶対に守って」と言われる。朔は今日も、鏡の前で人間であることを確認します。

    つまり、終わってはいないのだと思います。

    骨の問いも
    錠剤の仕組みも
    父の正体も
    久世先生の行方も
    白石先生の言葉も
    隣の席の子のことも

    確定しないまま残されています。

    それでも、ひとつだけ手渡されるものがある。

    居場所という言葉
    生き方という言葉

    そして、それよりもっと小さな、

    スッ

    という呼吸です。

    私は、この結末を、きれいに閉じた終わりとしては読めませんでした。
    危機の置かれる場所は、久世先生が自分で選んだ先で、まだ続いているように思います。
    朔はその外側に出たわけではなく、ただ今度は自分から、隣にいる誰かへ、同じ呼吸の仕方を差し出しているだけなのだと思いました。

    作者からの返信

    完結までお読みいただき、本当にありがとうございました。

    今回も、作品の奥にあるものまで丁寧に読み解いてくださり、一文一文に何度も頷きながら拝読しました。

    「骨」「白い錠剤」「呼び方」「呼吸」など、それぞれのモチーフを繋げながら考察していただけて、作者としてとても嬉しかったです。

    「きれいに閉じた終わりではない」というお言葉も、残された余白や、その先も続いていく登場人物たちの時間として受け取ってくださったことが伝わってきて、とても印象に残りました。

    そして実は、以前ほかの作品にも素敵なレビューをいただいてから、新作を公開するたびに「今回も読んでいただけるかな」と密かに楽しみにしています。

    もちろんご負担にならない範囲で大丈夫ですが、こうして作品と真摯に向き合ってくださることが、本当に励みになっています。

    今回も素敵なレビューを、本当にありがとうございました。
    これからも、一つひとつの物語を大切に書いていきます。

  • 第五章 十四夜─梟への応援コメント

    またコメントを書かせてください。

    第7話「第五章 十四夜─梟」まで、拝読しました。

    この作品の奥で静かに支えているものについて、私なりに考えました。

    少し長文になりますがお許しください。



    最初から引っかかっていたのは、「骨」という語です。

    第一章に、骨代謝の授業の場面があります。

    「古い骨を壊す作業と、新しい骨を作る作業を繰り返して、骨を常に新しく作り替える仕組み」

    普通の人間の身体の説明として読んでいました。

    でも朔は、そこから離れられない。

    「俺の骨はどうなのだろう。壊れているのか。それとも、作り替えられているのか」

    この問いは、第7話まで来ても答えを持っていません。

    後に久世先生が言います。

    「骨が月に引っ張られる奴がな」

    そして、タイトルにも置かれています。

    「骨の満ち欠け」

    人間の身体を保つための言葉と、月によって変異していく身体の言葉が、同じ「骨」に入っています。

    壊れているのか。
    作り替えられているのか。

    その問いは、人間の通常の維持と、朔の変異とをまだ分けられないまま、タイトルのところに残っている気がしました。



    白い錠剤の場面が、読んでいて苦しかったです。

    「飲めば、自分が“満ち人”だと認めることになる」

    朔はそれを分かっていて、飲みます。

    「体は拒絶している」
    「飲みたくない」
    「認めたくない」

    そこまで拒んでいるのに、最後に「でも、人を殺したくない」が来ます。

    ここは、前向きに自分を受け入れる場面ではないと思いました。

    人間でいたいから飲む。
    でも飲むためには、自分が「人間だけ」ではいられないことを認めなければならない。
    そのねじれが、苦しかったです。

    加害の可能性を避けるために、そこへ追い込まれている感じです。

    しかも飲み込んだ直後に「冷たいものが骨に染み込んでいく気がした」とあります。

    薬が喉を通るだけでなく、骨へ届く。
    人間でいようとする手続きが、「骨」という語に触れながら身体の奥へ入っていきます。

    第一章の問い――壊れているのか、作り替えられているのか――が、ここでまた戻ってくる感じがしました。



    十三夜の保健室の場面

    夢の中では、朔は噛まれる側にいます。
    目が覚めると、久世先生の手首に歯形のような傷があり、血が流れている。
    朔の口に鉄の味があって、手に血が付いていた。

    薬を飲んだ後の場面なのに、身体は止まりきっていない感じです。

    でも、朔がどう動いたのかは書かれていない。

    「俺、何をしたんですか」

    久世先生は言葉で答えない。
    鏡を向ける。

    映っているのは、犬歯を剥き出しにした朔自身。

    問いへの応答として返ってきたのは、言語ではなく、自分の外側からの視点でした。
    何をしたかではなく、それをした後の自分の顔です。

    行為の途中は見えないまま、血と傷と鉄の味だけが到達しています。

    「怪物なら。お前は今、そんな顔をしない」

    この久世先生の言葉は、怪物ではないことの証明ではなく、「今この瞬間の朔の顔を見ている」言葉として読みました。

    鏡と同じ形をしている。

    定義ではなく、観察として返ってきます。

    だから「俺は怪物なんですか」という問いは、消えないまま次へ持ち越されます。



    第五章、久世先生の過去の話

    父は「化け物」と呼んだ。
    母は受け入れてくれた。
    でも、誰も「苦しかったか」とは聞かなかった。

    だから鹿の男の「苦しかったか」で、久世先生の胸の奥が崩れたのだと分かります。

    拒絶でも受容でもなく、苦しさを問われること。
    それが転換点だったと思います。

    そして久世先生が朔へ向けたのは、

    「だから今度は、俺がお前の居場所になる」

    という宣言でした。

    問いの形式ではなく、宣言の形式です。

    久世先生が鹿の男から受け取ったもの、つまり問われることと、朔へ差し出したもの、宣言されることは、同じ形ではないと感じました。

    この差が、第7話の終わりにまだ埋まっていないと思いました。

    「居場所」という語は、山奥の集落、つまり場所から始まり、久世先生が初めて知った経験を経て、「俺がお前の居場所になる」という関係へと変わっていきます。

    その変化は分かる。

    でも朔は、

    「ただ、小さく息を呑む音だけが聞こえた」

    として止まっています。

    受け取ったとも、拒んだとも書かれていない。

    ここで言葉にならないまま止まっていることが、読後に残りました。



    「俺は人間だ。そして狼でもある」

    プロローグの冒頭の二文が、第7話まで来てもほどけていない。

    人間でいるための手続きが、満ち人であることを認めるところを経由し、認めたあとも、意識の外で傷だけが残る。
    問いへの応答は言語ではなく鏡として返ってくる。
    居場所は宣言されたけれど、朔の返事はまだ言葉になっていない。


    「居待月─嗅覚」

    第六章のタイトルです。

    ここまでの嗅覚は、石鹸の匂い、鉄の匂い、血の匂い、獣の匂いとして反復されてきました。

    石鹸・鉄・血・獣と積み重なった匂いが、第六章で朔の何を開くのか、何を覆うのか。

    静かに待ちながら読んでいます。

    作者からの返信

    ここまで丁寧に読み込んでくださり、本当にありがとうございます。

    一つひとつの場面や言葉を拾い上げながら考察していただけて、作者としてとても嬉しく拝読しました。

    「骨」という言葉や、朔の葛藤、薬を飲む場面、鏡の場面、そして久世先生の言葉まで、それぞれを繋げて読み解いてくださっていて、「こんなふうに受け取ってくださったんだ」と何度も頷きながら読ませていただきました。

    特に「壊れているのか。作り替えられているのか。」という問いが作品全体に残り続けている、というお話が印象的でした。

    まだ物語の途中なので詳しくはお話しできませんが、この先も朔が「人間であること」と向き合い続ける物語になります。

    最後の「静かに待ちながら読んでいます。」という言葉も、とても嬉しかったです。

    素敵なコメントを、本当にありがとうございました。
    続きを楽しんでいただけるよう、一話一話大切に書いていきます。