彼女は海へ行くへの応援コメント
良い物語をありがとうございました。
とても面白かったです。
これは介護の話なのかな、と思いました。
孤独に死ぬ人がきっと増えていくわけですよね。
友人も妻も子もいない。看取ってくれるものがいない。
そこへの救い。
ある種の子供にイマジナリーフレンドが必要だったように、孤独な死を予感した者にも最後には看取るものが必要となるのではないでしょうか。子供と壮年(あるいは老年)で、幻想が必要となる。
趣味で小説を書く男は、時折、登場人物が意図に反して動くことを経験する。
それは特に不思議なことじゃない。
「複数の小説」の「複数の登場人物」に「意図に反して動く女性キャラクター」。
その共通項。それが男の救いを求める心と結びついて、自分を看取るモノを作り出していく。
最初にキャラクターが意図に反した時、それは普通の現象だったのかもしれません。
でも、ずっとそうだったでしょうか。
途中からは、意図を超えることを願っていたのではないでしょうか?
もう子供ではないから、都合のいいイマジナリーフレンドでは男は安らげない。
意図に反することこそがその実在性を高めます。
複数の登場人物にまたがって現れることが、返って普遍性を高めます。
「キャラクター」じゃない。
そこにずっと宿ってきたものがある。それは男を看取るに相応しい実在生を帯びていく。
男は孤独な死を迎えるのかもしれない。よい小説家にはなれなかったのかもしれない。
でも、それは問題ではない。
空想は実在を超えることがある。それが十分に豊かになることがある。
かくして、彼女は最期の瞬間まで彼を裏切ってくれた。
あるいは思い通りにはならないことで彼の期待に応えてあげた。
心電図はフラットラインになったかもしれない。
でも、それは女が見にきた海の水平線に重なって、死を予感させるのに不思議に開かれている。
それはとてもよい看取りであったと思います。
物語を想像することは、それ自体が目的で、小説として結実させることは別に豊かさを意味しない。
そう、思いました。
感動しました。
作者からの返信
読んでいただき、こんなにも丁寧なご感想まで、ありがとうございます……!
「小説として結実させることは別に豊かさを意味しない」というお言葉に、まさにこの話で書きたかったことを掬い上げていただいたと感じ、胸がいっぱいになりました。
彼女が最後まで男を裏切ってくれること、思い通りにならなさが男を書き手へと戻してくれること、そして心電図の線が海の水平線へ重なっていくところまで……! 受け取っていただけて本当に嬉しいです。
創作は、完成させ、投稿すれば必ず報われるものでもない。数字がつけば満たされるものでもなく、誰かに褒められても、それですべてが解決するわけではない。
もちろんそこにも確かな喜びはあるのですが、そういったものは揮発性が高く、すぐに乾いてしまうと思ったんです。
でも、思い通りにならないものが自分の内側にある。
その『実在性』を感じた時に、創作物は自分のものでありながら、自分だけのものではなくなる。
そして自分の筆が自分を裏切るその瞬間にこそ、書き手は少し孤独からずれるのかもしれないなと思いました。
創作に付随する、主に評価軸においての苦しさや焦燥感はなかなか消えません。
それでも、書く楽しさこそが、少しだけそういったものを遠くへ押し広げてくれる。
用意した救いの言葉をかけられるよりもずっと、男は安らかに目を閉じたと思います。
書きたかった核心に触れていただいたようで、たいへん感動しております。長くなってすみません。
とても嬉しかったです。励みになりました。ありがとうございます!
彼女は海へ行くへの応援コメント
企画ご参加ありがとうございます!
えっ、すごぉ〜…。読み終わってまず浮かんだ感想がこちらです。この企画で素晴らしい作品を読んできましたが正直一番感動しました。書き手のあるあるエピソードをこんな物語に落とし込めるとは。そのまま映画に出来るクオリティ😭すばらし〜!これ私がエピソードキャラとして使用させていただくの正直勿体無いな…。何かしらの掌編賞に出してみてはいかがでしょうか。
作者からの返信
読んでいただき、ご感想までありがとうございます…!
身に余るお言葉ばかりで、何度も読み返してしまいました。書き手あるあるとして書きたかったお話なので、読み取っていただけて嬉しいです。
掌編作品、加えてテーマに沿ったものを書くというチャレンジができ、とても良かったです。楽しく参加させていただきました☺️
ほかの作家さんの作品も、刺激を受けながら拝読しております。同じ書き出しでもそれぞれ違っていてとても面白いですね。「ジョゼルの灯火」本編の方も、どんなふうにその小説家たちが登場するのか、続きを楽しみにしています。
彼女は海へ行くへの応援コメント
すごく、共感できる話でした。
どうしようかと詰まったときに、勝手にキャラクターが動き出すような感覚。
そして、「勝手に動く彼女」は、書き手が自由に出力できないときにこそ最大の自由度を発揮するのもまた、共感できます。
それこそ死の間際は彼女が一番自由になれる時間で、もしかしたらその先に、彼が完全に物語に埋没して、二人で自由になれる瞬間が訪れるのかもしれないな、なんて思いました。
素敵な作品でした。
作者からの返信
読んでいただき、ご感想まで本当にありがとうございます……!
「勝手に動く彼女」は、書き手が自由に出力できないときにこそ、最大の自由度を発揮する……この一文、とても刺さりました。まさにそうだと思います。
作者が文字で輪郭を作るの登場人物が、枠を外れて勝手に動き出してしまう…困ることもありますが、筆が乗るとやはり楽しいですし、物語の推進力にもなる気がします。
実は、この話のその先のことまでは考えたことがなかったので、「二人で自由になれる瞬間」という読み方に目から鱗でした!物語の先が開けたような、書く方ならではのご感想だなあと感じて、私までいろいろ思い描いてしまいました。
彼女が軽やかに歩いて、その少し後ろを男がついていくような形で、二人で砂浜を歩いてくれたらいいな……と、今はそんなことを考えて楽しくなっています。
あたたかく素敵なご感想をありがとうございました。