一への応援コメント
安曇みなみさん、私の企画に参加していただいてありがとうございます。
しかしながら、この作品は……純文学としては……読めないかな、と一章を通読して思いましたので、ここまでに致します。しかし、これはあくまで自分の定義での純文学とは違う、という事に過ぎません。内容自体はとても興味深いです。が、まだまだ読まねばならない作品が待っていますので、申し訳ないのですが、ここで失礼します。
作者からの返信
平山さま、お読みいただきありがとうございます。
お忙しい中、一章を通読してくださり、ご感想まで書いてくださったこと、嬉しく思います。
誤解がないよう、念のためひとつだけお伝えさせてください。
この作品はエンターテインメントとして書いたものを純文学の企画に無理に投稿したわけではありません。また、純文学を書こうとしたけれど失敗した、それでも投稿した、ということでもありませんでした。
実は、文学理論に基づいて純文学の構造的条件を定義し、その条件を満たすように設計して書いた作品となっております。異世界ファンタジーの語彙を使っているのも、そのジャンルの枠組みそのものを内側から異化する意図によるものでした。
ここまで真摯に純文学として書こうとしても伝わらない。その自分の力不足に落ち込んでおります。
論点がずれてしまいました……。ともかく、ジャンル違いの迷惑な企画参加を意図したものではない。むしろ本人はとても自信たっぷりに参加していた、ということだけ誤解のないように、お伝えしたいと思いました。
ありがとうございました。
***
せっかくの機会なので、少しだけ語らせてください。
文学について語れる機会など滅多にありませんので。
わたしが考える純文学は、文体の装飾性ではなく、構造の性質で定義される、というものでした。
読み終えた後、読者の中で問いが完結しないこと。登場人物を善悪で裁こうとしても、テクストがその着地を許さないこと。テクストが最後まで埋めない空白があって、読者がその空白を持ち帰ること。
この三つが揃っているとき、その作品は純文学的な性質を持つ、と考えて書いたものになります。誰も興味がない話なのにわたしは note というサイトで延々と語っているのですけど。
この定義に従えば、カーヴァーのミニマリズムも、カフカの乾いた散文も、修辞的には素朴ですが、構造においては純文学です。逆に、どれほど比喩が凝っていても、問いがテクスト内で完結し、読者の倫理的判断が安全に着地するなら、それは構造的にはエンターテインメントに近いと思うのです。
純文学かどうかは、文の美しさではなく、読後に読者の中に何が残るかで決まる。わたしはそう考えています。
それからもうひとつだけ。蛇足を承知で書かせてください。
カフカも安部公房もカズオ・イシグロも、SF的・幻想的な設定で純文学を書いているわけですが、さすがに「異世界ギルドの受付嬢」まで行くと話が違ってくるだろう、というのは、冷静に考えればそうですよね。テンプレの語彙を見た瞬間に、純文学としては読めないと感じられたのは、予期してしかるべきだったと思います。
ただ、これはまさにその反応を利用したくて選んだ舞台設定でもありました。ギルドの受付嬢が親切に仕事を紹介してくれる。読者がその場面に持ち込む安心感や親しみそのものを、構造的な仕掛けとして使いたかったんです。異世界テンプレを純文学にできるか、という実験です。
なんといっても note の連載でそのことを予告した上で、「異世界テンプレで純文学はできる」として書いたものだったのです。
しかし、そうです。
平山さまのご反応を見る限り、(お気遣いいただき、だいぶ柔らかくは書かれていますけれども)そもそも全く純文学としては読めないものだ、というそういう率直な感想をいただけたものと思います。
今後も精進いたします。
三への応援コメント
冒頭から最後まで徹底して硬質なテキスト、お見事です。
多層な比喩に一切の無駄がないのも良いですね。
そうかと思えば「神はそこにいる。」こうあっさりと書かれている部分に、かなり重要なそれが埋め込まれていたり。
読み手を選ぶ作品だとは思いますが、そう割り切ってしまうと全然こういうテイストもアリだと思います!
作者からの返信
最後まで読んでいただき、ありがとうございました
物語論の分析技術は、書き上がった作品の分析だけじゃなくて、事前の構造設計にも使えるよね?という学術的に検証されて合意が取れてるとはいえないけれど直感的には「使えないわけない」というお気持ちがあり、それを検証する試みでした。
なんかうまくいった気がしてます
しかも著作権が自分にあるので、好きなだけ創作論で引用できて便利です!
一への応援コメント
いいですね!
数式、統計。
それらにあてはめられる残酷な現実は、しかしそれが数字として捉えられている間はその悲惨さが字義上はマスキングされる。
戦争や戦闘を語る際にしばしば指摘されるそれが、ノンフィクションではなくフィクションとして展開されると、こうなるのか。
稠密なテキストの情報も、むしろこの調子・展開・表現であれば、グッと引き立つ感じがします。
作者からの返信
涼風さまに読んで感想をいただけるのは嬉しいです!
ラノベもエンタメも純文も歴史資料も創作論も全部読まれてるような方なので。
ライトノベルやライト文芸の作者さまが、事実上の戦争や戦闘(あるいは殺戮)をちゃんとしたエンタメの形で読者に届ける才能は、すごいなといつも思っておりました。最近わたしの読んだやつだと、魔女と傭兵とか、魔女と猟犬とか。
異世界ものを純文にしようとすると、制度を脱構築して異常性を明かしつつ「ひとつも気持ちのいいところなんてないよ!」「読後感悪いけどそれは売りにしてないよ、エンタメになっちゃうもん」という感じで薄気味の悪さをホラー的な快楽や残虐さの悪ノリにならない形で全面に出すことになって、たぶん主題も必要になるんだろうから、読者の居心地はますます悪くなり、「なに読まされてるんだろ?」となるけど、たまにはそんなのだっていいじゃないですか。
というわけでジャンルに回収されないように頑張ったんですけど、そういえば純文学ってライトノベルなんかよりずっと変態じゃないですか。投稿サイトが性癖と欲望の見本市みたいになってるから忘れてたけど、そもそも純文の方が変態じゃないですか。
それでもって、気づけば異世界もの、というよりかは受付嬢の人間性を解体してしまい、手の美しさを延々と描写してしまい、自分の性癖が見えてきて恐ろしくなって描写を控えめにしたものの、見る人が見れば、この作者は変態フェティッシュの塊で、それを一生懸命隠そうとしてるんじゃないか?と疑われそうだと思って、あれ?快楽から離れた純粋な文学にしようとしてたはずなのに、もしかしたらこれは、投稿サイトの変態性癖小説を推し進めただけなのかな?という気がして、それこそ自分の動機だったんじゃないかって気づいたんです。
文学ってこわい!
三への応援コメント
おおおう。
なんともコメントが難しい、でも背筋が冷たくなるお話でした。
彼女は受付嬢より、将軍とかの方が向いているかも知れませんね。
どっちも、まともな神経ではやってられません。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
えへへ、そんなこといっちゃってー。風上さまも美人受付嬢の手のひらで転がされたいのでしょ?
将軍は全体指揮だけど、彼女は少数の超希少な冒険者の個別具体的管理だから適正が違うかもです。
でもあれです。一人称の語り手の頭がよい設定だとものすごく書きやすかったです。頭ポンコツな子の一人称ってほんとに難しかったんだなと。
ちなみに物語論で分析されるような純文ぽい技巧のオンパレードなので書いてて楽しかったです。「あ、これ、普段読んでる本とおんなじ空気ある!」みたいな。
二への応援コメント
定期的に読み返してしまいます。うーん、有害種が人間だってわかる場面やはり衝撃です…
作者からの返信
感想ありがとうございます。衝撃といっていただけるのは嬉しいです!
「徹底的にやってやるんだ」となんだかよくわからないままに心に決めました。テンプレに親を殺されたわけでも恨みがあるわけでもありませぬが、絶対テンプレを壊してやるーっ!と意気込んで書いてました。むしろそっちが衝撃かもです