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誘蛾灯への応援コメント
自動販売機の毒々しいまでの白光と、その周囲にうごめく異形たちのコントラストが、まるで悪夢の一場面を覗いているようでゾクゾクしました。
印象的なのは、樹という男の変貌です。最初は孤独を分かち合う「生存者」のように見えて、その実、喉を鳴らしてコーヒーを啜るたびに人間性を喪失していく姿……。彼が叫んだ「俺たちは、もう生きているかもわからない」という言葉は、安息に身を任せてしまった者の末路としての悲哀に満ちていてわかる分苦しい。
そんな絶望的な「誘蛾灯」の檻を、自らの意志で蹴り破る松毬の強さが本当に鮮烈でした。施された楽になる慈悲(飲料)を、囮として闇へ投げ捨てる非情なまでの生存本能。
ラストシーンの、彼女の瞳に宿る「個」としての矜持だけが、自販機の光よりもずっと眩しく輝いて見えました。
剥き出しの「生」への執着が脈打っている、素晴らしい怪作!二ノ前ワールドはいつも新しい恐怖とワクワクを同時に与えてくれます!!
作者からの返信
乃東 かるる様、ご感想ありがとうございます。
登場するのが二人であるために、対照的な人物として描きました。立ち止まった者と足掻く者。多くは自動販売機で足を止め、そのまま動けなくなるかと思います。
彼女はきっと反骨精神が強いのでしょう。この現実を是とせず、出口を探して駆ける。その先に何があるかもわからないままに。
楽しんでくださったのなら、とても嬉しいです。
誘蛾灯への応援コメント
理不尽で救いのない世界にたったひとつの光があれば、それに吸い寄せられるのも無理ない事だと思いますが…
助かりたい、という人間の本能的な動きを見事に罠に変えてくる主題のホラーに、ぞわぞわしました。
光の下で油断して無防備になるの、いかにも人間らしい弱点ですね。
それにチラッと出てくる化け物の全容が闇で見えてないのもまた…怖すぎました……。
主人公はこの後どうなるのか、続編が読みたくなるお話でした。
作者からの返信
通院モグラ様、ご感想に感謝いたします。
暗い夜道でも自動販売機の明かりがあると少し安心すると思います。その心理を利用した悪辣な罠も言えます。
あえて怪物も光には近寄りません。そうして人を釘付けにしてしまいます。
光を辿った先に何があるのかは不明です。希望があるとは限りませんから。
ただ続編があったとしても、彼女は走り続けているかと思います。
誘蛾灯への応援コメント
電子決済使用不可のくだりで「幸い」?とわたしも引っ掛かりました。その違和感が鮮やかに回収されるときに感じた恐怖は素晴らしいものでした。
誘蛾灯の役割を担っている自販機は、現代社会を風刺しているようにも思え、ただの終末ホラー小説ではなく、より硬派なテーマを感じました。
松毬さんは強く賢い人ですね。
作者からの返信
猫小路葵様、ご感想をくださり感謝いたします。
さりげなく紛れ込ませようと思っていたわけではありませんが、やはり皆様はよく見ていますね。思った以上に違和感を覚えた方がいらっしゃって文法の誤りなどには気をつけねば、と思いました。
諦観と抗いが主題にありますね。足を止めた者と進む者。その良し悪しはわかりません。何が待ち受けているかは不明ですから。
ただ彼女の奮闘が報われれば、とも思います。
誘蛾灯への応援コメント
闇の中に差し込む光を、救いではなく“停滞”として描き切っている点に、明確な作家性を感じます。構図の設計とモチーフの統一が非常に的確で、短編として無駄のない完成度を備えています。
日常的な存在である自動販売機を異化し、読者に違和と意味を同時に立ち上げる手つきは、確かな技術に裏打ちされたものだと思います。
主題・構造・描写が高い水準で噛み合っており、プロの仕事だと感じました。
作者からの返信
餅兎春灯様、ご感想に感謝いたします。
身に余る評価に恐縮しております。自動販売機は束の間の安全地帯ではあっても、ずっとは留まれません。行き着く先がわからないまま、暗闇へと走り出す必要があります。
おそらく足を止めた方が楽なのだと思います。ただ、そうしてしまうと自分という存在も終わってしまうので、停滞の象徴として描きました。
改めまして、お目を通してくださり感謝申し上げます。
誘蛾灯への応援コメント
主人公の考察は正解に近そうだなと思いました。
自動販売機が光っているのもマッチポンプのようだなぁと。
樹さんは終わりのない世界に希望を持てなくなってしまったのかもしれませんし、松毬さんはそんな樹さんのことを生きていてもあの連中と同じだと思ってしまったのかもしれませんね。
松毬さんの生き様は自動販売機よりも光り輝いていたと思います。
時折入る蛾の描写が不気味で、でも緻密な視覚的描写のおかげで美しく、シビアな世界なのにどこか幻想的なお話でした。
作者からの返信
片喰 一歌様、作品を言い表してくださったレビューコメントに大変感謝いたします。返信が遅れましたことをお詫びします。
あの暗闇の世界では、自動販売機だけが唯一機能している人工物です。逃げ惑う人間は自然とそこへ誘いこまれてしまいます。
樹は「居つき」であり、根を下ろす樹木から来たものです。エリンジウムの和名である松毬薊には、「光を求める」や「独立」といった花言葉があります。
描写を褒めてくださり、本当に嬉しいです。
誘蛾灯への応援コメント
コメント失礼します。多くは語られないディストピアな世界観で、唯一リアルと救いを想像させる自動販売機がまさかの罠とは…。自販機から自販機へと逃げ続ける主人公は、いつまで正気を保っていられるのでしょうか。
おそろしくもどこか儚く高潔な雰囲気のある作品でした。読ませていただきありがとうございました!
作者からの返信
お肉にはワサビ様、コメントに大変感謝いたします。
真相は語られないながら悪意が見え隠れしています。人間の習性を理解し、罠にかけようとしている。
半端に希望を見せているので、邪悪だと思います。自販機を辿った先に希望があるとは限りませんから。
お目を通してくださり、まことにありがとうございます。
編集済
誘蛾灯への応援コメント
海外には、使用者をゾンビのようにする麻薬があるようですが、よもつへぐいも自動販売機で買える時代ですね……!
怪異達も元は普通の人間だったのですね。怪現象に理由はないのがこの世界のルールの様ですが、気の毒に感じますね、、。
眠れないのは、辛い。そして、腹は減らなくても渇く。
彼らは光に寄れるヒトに、飲み物を買って欲しくて縋っているだけかもしれませんね。
……樹くん、ちょっとイイ感じだったのに。笑
作者からの返信
月兎耳様、ご感想に感謝いたします。返信が遅れてしまいました。
気軽に買えて二度と帰れないという歪さが恐ろしいですね。
不意に異常な現象に巻き込まれるのが自分のスタンスらしく、特に理由もなく登場人物が不条理な状況に追い込まれてしまいます。
中毒症状を起こす飲み物なので、人とは違う存在になっても追い求めてしまいます。理性が残っていたら、と考えると哀れかもしれません。
誘蛾灯への応援コメント
コメント、失礼いたします。
おそらく私は、二ノ前様がこの作品で伝えたかったこととはかけ離れた解釈を、これから書こうとしています。でも普通ではない解釈の自由も、小説の世界にはあってよいのではと思い、書かせていただきます。
この作品は、「今」の時代に小説を書く者の世界を描いているのではないでしょうか。
「腹もすかないし、眠たくもならない」、水とともにひたすら暗闇を歩き続けるしかない=従来の「小説(アナログ)」に取り憑かれたもの。
誘蛾灯の下に集い、中毒性のある密に群がるもの=電子決済、デジタル、AI、生成AIなど「アナログ」とは異なる時代に、小説を書くもの。
誘蛾灯、密。引き寄せられる。それに抗う難しさ。そのジレンマの世界を、象徴的に描いているのではないか。そう読ませていただきました。
見当違いをお許しください。深く考えさせていただく作品、ありがとうございます。
作者からの返信
ナカメグミ様、新しい解釈を施してくださり感謝申し上げます。コメント返信が遅れて申し訳ありません。
確かに今の小説界は激動の時代ですね。AIが台頭し、既存の作家の立場が危ぶまれている。
アナログな手段で小説を執筆する人間にとっては暗中模索で、生成AIを活用してしまうのは蜜を求めるのと同じかもしれません。
将来的に改善されるかもしれませんが、今のAIにはまだ乗り越えなければならない問題があると感じます。なので、暗闇の中を進むのもまた選択肢の一つかなと。
作品の解釈は読み手の方に委ねておりますので、新たな考察をしてくださって嬉しいです。
誘蛾灯への応援コメント
ニノマエ・コレクション(ずっと勝手に集めて
いるw)にはちょっと珍しい『怪談』だと。
今迄のニノマエ・コレクションでは幻想的な
怪異譚の素晴らしさを堪能して来ました。でも
この作品は、まさに怪談!
ゾッとしました…!((((;゚Д゚)))))))
作者からの返信
小野塚様、雰囲気を醸し出すレビューコメントに大変感謝申し上げます。返信が遅れましたことをお詫びいたします。
この状況はただただ不条理ですからね。安全だと思っていた自動販売機ですら罠だという。隠れた何者かの悪意さえあるかと思います。
そういった中でどう行動するのか、松毬の選択が正しいとは言えなくとも、対照的な明暗を描けていれば、考えております。
怪談らしい恐怖を感じてくださったのなら幸いです。
誘蛾灯への応援コメント
拝読しました。
「幸い電子決済が使えず、飲み物は買えませんでしたが」
幸い? と思ったのですが、なるほど自販機が罠だったのですね。
自販機を上手く渡り歩いているつもりが誘導されていて……なんてこともあるかなと妄想してしまいました。
いつも素敵な作品をありがとうございます。
作者からの返信
仁木 一青様、ご感想に感謝申し上げます。また返信が遅れまして申し訳ございません。
最近は現金を持ち歩かない人たちが増えているらしく、松毬が影響を受けていない理由としました。
自販機を渡り歩いて辿り着く先が、日常とは限りませんからね。何かの手の上で転がされている可能性も十分にあり得ます。
こちらこそいつもコメントをくださり、ありがとうございます。
誘蛾灯への応援コメント
安全圏と思った自販機の光が、トラップみたいになってる恐怖…(゚Д゚;)
この世界には、もう朝は来ないのでしょうか。
自販機を渡る先のどこかで、同じように飲み物に手を出していない人に会えると良いのですが…。(でも人に会ったところで…という感じでもありますね)
「幸い電子決済が使えず」で「?」と思ってしまいましたが、後でちゃんと「なるほど」がありました!
出口があるといいけれど‥‥‥。
とっても面白かったです!
ありがとうございます✨
作者からの返信
櫻庭ぬる様、雰囲気がよく伝わるレビューコメントに大変感謝いたします。
夜道で自動販売機に集まる蛾を見て思いついたお話となります。
多くは気を抜いて飲み物を購入するかと思うので、おそらくは一人でこの世界から抜け出す方法を探すことになるかと思います。
自動販売機以外は電子機器が機能していないので、松毬が影響を免れた理由としました。
誘蛾灯への応援コメント
おー、相変わらずいいですねー。短いけれどキレの良いホラーです。
幸い電子決済が使えない、のところで、あれって思って、誘蛾灯の仕組みが理解できました。
とにかく、朝がくるまで町から出られるが勝負ですね。隣町もおんなじかも知れませんがw
良い作品だと思います。
お星様も入れておきますー。
作者からの返信
小田島匠様、ご感想とお星様に大変感謝いたします。
最近は電子決済のみでお金を払う人たちが多く、それで主人公は影響から逃れました。自分は現金派なので、たぶん夜の世界から抜け出せなくなりますね。
世界規模の出来事か異界に囚われたか、何にせよ変わり者なので最後まで諦めないと思います。
誘蛾灯への応援コメント
コメント失礼します。
誘蛾灯の意味がなるほどとわかりました。
ディストピアのなかでも諦めない強さを持っているのがとても眩しかったです!
「幸い」の意味がすとんと落ちたり、筆力があってとても真に迫ってくるものでした。
とても恐ろしく、また面白かったです!
読ませて下さって本当にありがとうございました…!
作者からの返信
深山心春様、勢いのあるレビューコメントに大変感謝いたします。返信が遅れましたことをお詫びします。
楽しんでくださったなら何よりです。
自動販売機の光には、それこそ蛾を始めとした様々な生き物が吸い寄せられます。この暗闇の世界では、人間も例外ではないでしょう。
松毬は光の中に甘んじるのを是としない、反骨精神に溢れる人物として描きました。
こちらこそお目を通してくださり、感謝いたします。