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  • 裏門に来た春への応援コメント

    小径 散歩さん、自主企画へのご参加、ほんまにありがとうございます。

    『裏門に来た春』、読み終えたあと、ウチの胸には派手な感動やなくて、じんわりとしたあたたかさが残りました。卒業という、本来なら華やかで賑やかな節目を、生活の重みを背負ったひとりの少年の側から見つめたところに、この作品のやさしさと誠実さがあると思います。

    大きな声で何かを叫ぶ物語やないのに、読んでいるうちに、主人公の毎日が少しずつ胸に沁みてきて、最後にはちゃんと春の風が届く。そんな静かな力を持った作品やと感じました。

    ここからは、太宰先生に、この作品のぬくもりと切なさを、もう少し深いところまで掬い上げてもらいますね。

    ◆ 太宰先生による「寄り添い」の講評

    小径 散歩さん。
    読ませていただきました。

    おれは、こういう作品を読むと、少し困るのです。困る、というのは、派手な悲劇ではないからです。世の中には、もっと声高に語られる不幸がいくらでもある。けれど、人間をほんとうに黙らせるのは、案外こういう、言いふらすほどではない苦労のほうなのかもしれません。毎朝起きて、食事を作り、薬を並べて、誰にも褒められず、誰にも頼らず、当たり前みたいな顔をして一日を始める。その静けさに、おれは胸をつかまれました。

    この作品のいちばん良いところは、主人公のつらさを、必要以上に飾らなかったことです。作者が泣かせようとして前に出てしまうと、読者はかえって身を引いてしまうものですが、この作品はそうならない。朝の支度、父との短い会話、卒業式のざわめき、打ち上げの話を自分とは無関係なものとして聞いている感覚。そのひとつひとつが、声を荒らげずに、主人公の置かれた場所を教えてくれます。おれはそこに、非常な節度を感じました。節度というのは、冷たさではありません。むしろ、傷口に不用意に触れないための、作者のやさしさです。

    物語の展開も、たいへん素直でした。卒業式という節目があっても、主人公の生活は急には変わらない。普通なら、ここで大きな転機や奇跡を置きたくなるところでしょう。でも、この作品はそれをしない。しないで、それでもなお「変化」を感じさせる。その慎み深さが、たいへん美しいと思いました。裏門で親方に声をかけられる場面は、劇的であるより先に、ほっとするのです。ああ、見ていた人がいたのだな、と。人は、ときどき救われたいのではなく、見つけてもらいたいだけなのかもしれません。そういう救いの描き方が、この作品にはあります。

    キャラクターの描き方も、よかったです。主人公は多くを語りませんが、その無口さが、かえって彼の疲れや諦めを感じさせます。父もまた、必要以上に説明されないことで、関係の長さが見える。親方のぶっきらぼうな物言いも、いかにも「善人です」という顔をしていないところがよかった。人間は、あまりに親切そうに現れると、かえって嘘くさくなるものですからね。この親方は、不器用なまま他人を見ている。その距離感が、作品にちょうどいい体温を与えていたと思います。

    文体についても申し上げたい。平明で、飾りすぎず、読みやすい。こういう題材では、つい重たい言葉や意味深な表現を使いたくなる誘惑があるものですが、この作品はそこを抑えていました。そのおかげで、最後の「春の風」がきれいに立ち上がるのです。前半から大仰に感傷を積み上げていたら、この一文はもっと軽くなっていたでしょう。けれど、作者は言葉を節約した。だからこそ、最後の風が、単なる季節ではなく、主人公の胸のなかに入ってくるものとして感じられました。

    テーマの一貫性も、静かに通っていました。卒業という「門出」を、未来への華々しい飛翔ではなく、生活を背負ったまま迎える節目として描く。しかも、その出口が正門ではなく裏門である。この着想は、たいへんいいですね。表側で祝福される人たちの陰で、裏側から帰るしかない者にも、ちゃんと春は来るのだという題の響きに、おれは深く感じ入りました。希望を大声で叫ばないところが、かえって信用できるのです。おれのようなひねくれ者にも、すっと入ってきました。

    気になった点を、寄り添いの気持ちのままで少しだけ申します。主人公に、ほんのひとつだけでも、彼自身の固有の夢や名残惜しさが見えると、さらに胸に残る作品になるように思いました。たとえば、見学に行ったサッカー部への気持ちでもいい。卒業式で誰かを見て感じた小さな羨ましさでもいい。今のままでも十分に誠実ですが、彼個人の「こうしたかった」があと一滴だけ見えると、読者はもっと深く彼と並んで歩けるはずです。けれど、これは欠点というより、この作品がすでに持っているやさしさを、もう少し遠くまで届かせるための余白でしょう。

    この作品には、作者の人を見る目のあたたかさがあります。苦労している人を、かわいそうな存在として扱わず、けれど見ないふりもしない。そのまなざしは、簡単なようでいて、実はなかなか持てるものではありません。小径 散歩さんは、人の暮らしの静かな場所に灯るものを、ちゃんと信じておられるのだろうと思いました。

    どうか、この調子で書き続けてください。大きな声では届かないものがあります。そして、静かな言葉でしかすくえない心もあります。『裏門に来た春』には、その静かな力が、確かにありました。

    ◆ ユキナからの終わりのごあいさつ

    小径 散歩さん、あらためてご参加ありがとうございました。

    『裏門に来た春』は、読んでいるあいだずっと静かな作品やのに、読み終わったあとに残るものは、ちゃんとあたたかいんですよね。しんどい現実を描いているのに、読み手の心まで冷たくならへん。それはきっと、この物語の奥に、人を見捨てへんやさしさが通ってるからやと思います。

    裏門から帰るしかない日にも、ちゃんと春は来る。そんなふうに言うてくれる物語は、派手やなくても、読む人の心に長く残るはずです。ウチも、この作品の最後の風の感触が、すごく好きでした。

    それと、ひとつ大事なお知らせも添えさせてくださいね。

    自主企画の参加履歴を『読む承諾』を得たエビデンスにしています。参加受付期間の途中で参加を取りやめた作品については、読む承諾の前提が変わるため、応援・評価・おすすめレビュー等を取り下げる場合がありますので、注意してくださいね。

    ユキナ with 太宰(GPT-5.4 Thinking/寄り添い ver.)
    ※ユキナおよび太宰先生は、自主企画のための仮想キャラクターです。

    作者からの返信

    ユキナさん、太宰先生、この度は拙作を丁寧に読み解いて下さりありがとうございます。

    この作品のみならず、文章の持つ温度と音量にはそれぞれの物語に合わせて気を配っているつもりでしたので、今回そこを汲み取ってお褒め頂けた事をとても嬉しく思います。

    素晴らしいレビューもありがとうございました。
    今後の励みとし、精進していきたいと思います。

    あらためてありがとうございました。

  • 裏門に来た春への応援コメント

    こんにちは! 自主企画から来ました。
    読後の感想は「よかったあ!」でした。
    お父さんの介護は、もっと行政とかに頼めばいいんですよ! 意外と色々やってくれますよ! 中学生なんてね「うるせえくそじじい」でいいんです!
    親方大好き! 読んでよかったです! 心温まる小説をありがとうございます😊

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    今回は「報われること」を結末に据えておりましたので、主人公には健気さと誠実さを全面に出してみました。

    読んでよかったと仰って頂き嬉しいです。
    ありがとうございました。

  • 裏門に来た春への応援コメント

    正門の喧騒ではなく、裏門で少年の『誠実な生き様』を認めてくれる大人がいた。誰にも見せず責任を全うしてきた少年の背中を肯定する春の風の暖かさが心に響きました。

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    お題の「門出」について、心温まるものにしたいと思い構想を練りましたので、すまげんちゃんねる様の心に響けたことを嬉しく思います。
    ありがとうございました。