いわゆる“配属ガチャ”に振り回されながらも、自分の居場所を探し続ける挑戦者たちの姿を、バスケットボールという熱量あふれる舞台を描き出す。
プロの世界。
生き残りをかけて新しい道へ踏み出すべきか悩む姿は、現代の読者に強く重なるだろう。
バスケットにかける想い。
それぞれの役割や得意分野が試合の流れに絡むことで、物語に自然な緊張感が生まれている。
敗北という名の“生存”の設定が、スポーツの爽やかさと職場や学校の現実味を巧みに交差させている点が秀逸だ――「先生、バスケがしたいです」
互いの才能や努力への敬意として描かれている点も印象深い。配属で与えられた場所に不満を抱えつつも、コートに立てば誰もが平等に戦い、成長を示せる――そんな希望が読後にそっと残る。
配属ガチャに翻弄される時代を生きる読者にとって、この物語は“選ばれた場所”ではなく“自分で意味をつけていく場所”の価値を静かに教えてくれる。
最後に
やや設定語り、パワプ◯みたく感じましたが、設定や考察を楽しみたい人には親切な作品です。