第7話 ええっ!?東京にこんな大きな施設を!?
【まえがき】
ミスにより一部文章が重複しておりました。現在(9/25)は修正済みです。
ご指摘のほど、誠にありがとうございました!
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休憩時間にトイレだけ済ませて、教室に戻ってきた。
男から女に転生すると、聡明な諸君はどっちの性別のトイレを使うのかという問題を提起するかもしれない。
常識的に考えてみてほしい。こんなスーパーラブリーパーフェクト美少女が男子トイレにいたら、それこそ事案ではないか。男からしたら、トイレの中に美少女いたら怖いだろ。
ということで、今世では女子トイレを使っている。まあ心の性別ではなくて体の性別に合わせることが一番トラブルを少なくできるんじゃないか、と思っている。俺は。
いろいろスッキリしたところで、次は二次試験だ。筆記がちょっと怪しいから、ここでいい感じに点を稼いでおきたい。ちょうど坊主の試験官も戻ってきた。
「それでは二次試験の説明を始めます。二次試験は実技試験です。」
実技って何やるんだろうな? 試験官とタイマンとかだと困るな。人に向けて攻撃したことが無いからビビっちゃいそう。
PIでも破壊できるマリちゃんビームを人に向かって撃ったらどうなるかなんて、火を見るより明らかだ。
「実技試験はこの後演習場に移動して行います。試験内容は的当てです」
想像よりもだいぶ安全そうなのが来た。良かった〜。でも的当てっていっても的との距離によるよな? 試したことないけどマリちゃんビームの射程ってどこまであるんだろう。気になる。
「魔力を用いた方法であれば、どのような手段で挑んでも構いません。ただし、直接的な接触は禁止です」
まあ魔力込めてグーパンして、「はい当てました」って言われても意味わかんないしな。妥当。
「それではこれから移動しますので、みなさん私についてきてください」
ゾロゾロと移動する。やっぱり校舎内きれいだよな。この大きさだから掃除も大変だろうけど、どうやってきれいなままに保ってるんだろう。
校舎から外に出て、左手側にどんどん進む。こうやって移動していると、大人も結構いるのになんだかカルガモ親子の大移動みたいでちょっと面白い。老若男……男はあんまりいないか。老若女? 語呂が悪いな……。
そんなとりとめもないことを考えながら前を歩く人たちについていく。周りは結構おしゃべりしている人も少なくない。もしかしたら知り合いなのかな? 思ったよりも和気あいあいとしている。
いいんだ。俺にはシロがいるし、家に帰れば唯さんもいる。学校に友達はいないのかって? うっ頭が……。もうこの話はやめよう。
勝手に自滅して心に傷を負ったところでどうやら演習場の前まで来たらしい。
うっわひっろ。見た目はただのグラウンドなんだけどとにかく広い。サッカーコート二面分くらいあるんじゃないか?
どうやって東京の真ん中にこれだけの広大な土地を……?
考えると怖くなってきたな。もうこの話もやめよう。
坊主の試験官の先導にしたがって演習場の中に入る。今日は快晴だからな。まぶしい。
「みなさんにはここで二次試験を受けてもらいます。二次試験の内容は先ほども言ったように的当てですが、詳細な説明をこれからします」
そういうと試験官はガラガラと大きな台車を引いてきた。その台車の上には道路標識のようなものが載っている。向こうの地面に刺さってるやつと同じやつか?
「実技試験で使用する的は、これと同じ種類のものです。的の直径は50センチメートルです。通常時は白い的ですが、魔力が衝突した部分の色が一定時間変化するようになっています。また、変化する色は魔力の強さによって変化し、魔力が弱ければ青、強ければ赤というように変化します」
ほえー。なんかすごい技術が使われてそうだ。魔力のコントロールと出力を同時に測るためってことなのかな。魔力が弱いけどコントロールできるのはいいけど、魔力が強いのにノーコンだと危ないしな。
「加えて、的との距離は段階的に伸びます。5メートル、10メートル、20メートルと倍々に距離が遠くなっていき、20メートルの的に当てることができればその時点で試験は終了です。」
20メートルかあ。まあ全然当てれるっしょ。そんくらいの距離なら変身しなくてもよさそう。というか変身するの忘れてた。全然普段着。やっぱ朝は余裕を持って行動しないとこうなっちゃうんだわ。
服装も気にしてたけど……まあええか。なんでも実際にやる前はいろいろ考えるのに、いざ始まると特に気にならなくなるんだよな。
「また、同じ距離で的当てに三回失敗した場合も、その時点で試験終了となります」
逆に言えば二回までは失敗できるってことだ。まあ失敗しないに越したことはないけど。完璧美少女の力、見せちゃうよ~!
「それでは受験番号B001の方から試験を始めます。受験番号B001の方は前に出てきてください」
これ一人ずつやる感じ? トップバッターってかわいそう。新井とか安藤とか、アで始まる苗字の人って割食ってるよな。仕方ない。必要な犠牲なのだ……。
他の人たちがどんなもんなのか、お手並み拝見と行きますか。
緊張した顔つきの女の子が前に出る。同い年くらいかな?
「い、いきます! えいっ!」
少女が掛け声とともに放った魔力の弾は、まっすぐ飛んでいき的に命中した。的を見ると緑色の跡がついている。
無事5メートルの的に当てることができた少女は安堵した表情で大きく息を吐いた。
その後少女は10メートルの的には当てることができたものの、20メートルの的には上手く当てることができず、試験終了となった。だいぶがっくりしている。
試験自体はサクサクと進んでいき、結構流れ作業的に行われている。中には魔力そのものを当てるのではなく、魔力を込めた矢で挑戦している人もいた。まあ直接的ではないからいいのか。ほえ~。
(これって三回失敗した時点でもう不合格になると思うか?)
(どうしてそんなことを思ったのですか)
(さっきは色が変わるって聞いて、魔法の出力を測るためかと思ったんだけど)
(その認識で正しいと思いますが)
(そもそも出力を測る意味ってあるのか?)
(といいますと?)
(この試験って魔力を適切に使えるかを測ってるんだろ? 魔法の強弱って魔法を適切に使えるかどうかと関係ない気がするんだよな)
(なるほど。一理ありますが、いったい何のためにそんなことをするのでしょう)
(魔法学院……いや魔法庁の陰謀……?)
(陰謀とまではいかないでしょうが、何か他の意図があるかもしれませんね)
(まあなんにせよ手を抜いて落ちたなんて笑えないしがんばるか)
「受験番号B018の方は前に来てください」
シロと脳内で探偵ごっこをしていたらいつの間にか自分の番になっていた。
そんじゃ一発かましたりますか!
刮目せよ! スーパーラブリーパーフェクト魔法少女マリの雄姿を!
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