自分が手掛けた小説は、どこかの誰かにとって支えになっているのではないか。この作品には書き手側の想いや、応援に近しいメッセージ性が含まれているようでした。導入部も、確率は低いもののどこかあり得そうな状況でロマンを感じます。画面の先で作品を追う彼女の心情や、抱えている背景描写がとても鮮明に描かれています。主人公が彼女のために奔走し、最善を模索しながら寄り添おうとする姿も素敵です。物語の方向性も温かく、読了後に穏やかな気持ちになりました。書き手にも響く素敵な作品です。