第6話 あれ? なんだこれ?
母さんが女神様って・・・・委員長はどうしてそれを知っているんだ?
「あのさ・・それって、誰かから聞いた? まさかそんな事、信じてないよね」
「え? 誰からって、みんな知ってるよ」
「・・・・え?」
ちょっと待て! そんな非常識な話、そもそも信じるのか? え? 世の中ってそう言うもの? 女神様って飲み込めるもんなの?
「あの、女神様って・・・・」
「うん、素敵だよね、羨ましいなー、お母さんが女神様なんて!」
うわ、なんだか飲み込んじゃってるよ、女神が実在する事実!
そうなんだ、みんな平気なんだ、女神様が実在しても。
「じゃあ、この間、母さんが斧持って立っていたのって・・」
「うん、でも童話とは違うのね、まさか鉄の斧だけ持っていたなんて。私、信用されていないのかな」
そこ? 悩むところ、そこ?
委員長が寛容なのは知ってたけど、目の前に女神が居たってところまではいいんだ? そこは前提としてOKなんだ!
凄いな委員長、いや、凄いのは飲み込める世の中全体ってことなのか?
・・・・自分の母親の事が秘密だと思い込んでいた自分がバカバカしくなるな。
まあ、幼い頃は友達に自慢していたくらいだから・・・・合ってるのか。
「実はね、私、女神様に凄く憧れていて・・」
「そうなの? でも、委員長ならきっと素敵な女神様になれるのにね」
「そんな事ないよ、星野君のお母さんみたいに美人じゃないから」
「そう? 美人かな?」
「・・・・?」
「ん? どうしたの?」
「えっと、あんなに綺麗な人って、あまりいないと思うけど・・お母さんって、どちらの方?」
「どちらって・・・・天界、とか?」
「やだ、もう、なにそれ(笑)! そう言う意味じゃなくて、どこのご出身って事」
「どこって? 多分、埼玉県?」
すると、彼女は大笑いを始めた。
なに? え? どういう事?
「ハハハっ(笑)! そんな訳ないじゃない! あんな彫りの深い顔で埼玉県って(笑)。どう見ても北欧とかロシアの人だよね」
・・・・そうか、そう見えるんだな。
俺は毎日顔を会わせていたから、母さんが近所のおばさんとそこまで違うって思っていなかったけど・・・・北欧? ロシア人? たしかに美人ではあるし、髪色も・・・・
「ねえ委員長、家の母親って髪、何色に見える?」
「変な事聞くのね? 金髪じゃない、とても綺麗な」
「金髪・・・・」
たしかに・・・・金髪だ。
あれ? いつ染めた?
あれ? なんか、ちょっと記憶が混乱しているな。
普段は肝っ玉母さんみたいなのに、そう言えば容姿は・・・・外国人だよな。
「そう言えば、星野君とお母さんって、似てないけど・・・・これって聞いちゃダメな、あれかな」
「・・・・」
俺はただ、絶句するしか無かった。
これほど身近な存在なのに、こんな初歩的な事がいままで疑問にすら思わなかった?
あれ? なんだこれ?
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