ヴェリテトゥルー大学校で私は輝くステラになる

猫こんた

0話 母知らずの没落貴族の娘の話

私はステラ・ソフィア、とある村の村娘。周りの大人は私がかわいいとか言っていた。

(その言葉、前にもこのおじさんから聞いたなぁ)

かわいいという言葉は何十回も何百回も聞き、私の立場にとても不満があった。お父さんの立場は私が生まれる前までは貴族だったが母親と結婚した影響で没落してしまったという。それでこの村に隠居しているとお父さんは言っていた。

「お父さん、ただいま」

「おかえりステラ、干し肉のスープが出来たぞ」

「またこれなの?」

「またって、お金が全くないんだから仕方ないだろう?」

お父さんはそう言っているが私は分かっている、私が大人になった時に金を全部渡して自分自身は消えるという事だ。

(まったく、私にバレバレなんだよね)

私は干し肉のスープを飲みほした。

(なんだか今日のスープ、薄味だったなぁ)

お父さんはこの食事には満足してなくても子供が満足してくれたらいいと思っている。

「なんだ?まだ満足しないのか?」

「なんだか今日のスープ、薄味だね」

「そうなのか?味付け間違ったかな」

「まったく、私がいないと味付けが出来ないんだね」

お父さんは料理が全くのダメダメで私が手伝って完璧なスープが出来上がるのだ。

「はは、ごめんなぁ」

「良いんだよ」

そう言えば私の母は私が1歳の時に居なくなったとお父さんから聞いたけど、私は母の正体を突き止めたいと奮闘していた。

「私、外で遊んでくる~」

私は家の外に出ると知らない人に絡まれた。

(何だろうこの人、私と同じ匂いがする)

すると私に刃を振ろうとしてきたが後ろに立っている人が気になった。

「神が生き物を殺す事は許されてない」

知らない人がそう言うと神の肩を掴んで遠くに投げ飛ばした。

「ふん!」

知らない人が魔法陣を出し、その中を拳で殴った。すると神は遠くに消えていった。

「おお~ありがとねーちゃん!」

「ああ、どういたしまして」

知らない人はそう言うと私の頭を撫でてきた。

(なんだか知らない人なのにいいなぁ~)

そして知らない人はこの村を去っていったが私は知らない人が触れた髪の毛をくしくしと触っていた。

(さっきの人とてもカッコよかったなぁ~)

私は嬉しそうに家に帰るとお父さんは私に何かあったのか聞いてきた。

「ステラ、何かいいことでもあったのか?」

「うん!知らないおねーちゃんが頭を撫でてくれた!」

「そうか~良かったなぁ~」

そして私はお父さんがくれた勉強道具を持って私の部屋に入った。

(お父さんがくれた勉強の本をやらなくちゃ)

お父さんは私に対して勉強を進めている、理由は自分自身の力を知るためって言っていたけど、私自身の力は私にもわかってないのだ。

「魔力は動物や植物に影響すると……ふむふむ」

そんな事を学んでいくうちに頭が良くなっていく気がしていた。そして村の中で頭の賢さが一番になるとお父さんにはこんなことを言われた。

「ねぇ、ステラはもっと上の舞台に立ちたくないか?」

「上の?」

「そうだな……魔法やら格闘術やらのエリートが集まる学校があるんだ、そこに行ってみないか?」

「……興味ないかも」

「どうしてだい?」

「だって私はお父さんが心配だから、だっていつもせき込んでるでしょ?」

お父さんは最近せき込んでいて私が学校に行った時にお父さんが病気で死んじゃったら嫌だから断った、だけどお父さんは私にその学校を進めてきた。

「もうお父さんは長くはない、それに金はこのために溜めてきたんだ。その気持ち分かるか?」

「どうしてそこまで私の事を後押ししてくれるの?」

「俺の一人娘だからだ、子供に愛情を注ぎたいのは親の務めじゃあないのか?」

私はお父さんの一押しがあり、決めた。

「私、その学校に行きたい」

「そうか、なら俺は娘をフォローするぞぉぉ!!」

こうして私はお父さんのフォローを受けながら学校の受験勉強に向けて頑張り始めたのだった。そして勉強をしていくうちに過去、魔王と勇者がいた事が分かった。

(へぇ、魔王と勇者って互角だったんだ、でも一つのミスで魔王が負けたのかぁ)

過去の話を読んでいくとだんだん面白いと思ってきた。

「ねぇお父さん、魔王ってどんな人だったの?」

「魔王かぁ、空想の生き物だと思うけどな……はは」

お父さんはそう言うと私を部屋から追い出した。

「向こうで本でも読んできなさい」

私は部屋の扉を閉じるとき、お父さんの方向を見た。

(お父さん、私がいないときいつもペンダントを見てる、何を見てるんだろう)

興味津々な年ごろで私は夜にお父さんの部屋に忍び込んだ。

(お父さんは寝てる、今のうちに首にあるペンダントを見るぞ)

私は静かにお父さんの胸元に手を伸ばした瞬間、ガラスが割れる音が後ろから聞こえた。

(えっ、何々!?)

私は怖くて一歩も動けなかった。

「これが貴族の娘か、こっちに来い」

強盗が私の口に布を巻き、声が出ないようにした。

「もごごごぉ!!」

(まって、お父さんが……死んじゃう!)

手首と足首が縛られ、自由に動けない今、私はお父さんが強盗に刺されることしかできなかった。だが心の奥から血が沸騰するような熱さが全身に広がっていった。

「やっぱり貴族は金目の物あるなぁ、ならさいなら」

強盗がナイフをお父さんの心臓に突き刺そうとした時、周りから風が吹く音が聞こえてきた。

「いい金蔓だったぜぇぇ!!!」

すると私の縄がブチブチと音を立てて千切れた。そして強盗は私が縄をちぎったことに気が付いた

「どうしてお前縄をちぎってるんだ!?」

「お父さん……守る」

その時、私の周りには七色の結晶が集まりだした。

「何だその結晶は……」

すると私の結晶が光りだし、強盗を焼いて行った。

「熱い!そうだ、耐火魔法をぉぉ」

強盗は耐火魔法を自身にかける前に蒸発して消えていった。

(……人が消えた)

騒がしかったのかお父さんが起きた。

「……どうしてステラがここに居るんだ?」

「ガラスが割れて知らない人が……お父さんをナイフで」

「分かった、これ以上言わなくてもいい。だがその後ろに浮かんでいる結晶はなんだ?」

私はハッとすると結晶を隠し始めた。

「これは違うの、これは……」

「いや、まるで母親と同じだな。もしかして俺のペンダントが気になっていたのか?」

図星を突かれた私は黙り込んだ。するとお父さんはペンダントを見せてくれた。

「左が俺で右がステラの母親だ、どうだ?別嬪さんだろう?」

母親の服は薄着でなんだか妖艶な雰囲気を醸し出していたのだった。

「……それでこの人は何なの?」

「時が来たら話すさ、それに今は夜遅いし寝る時間だよ?」

そう言うとお父さんは起き上がり、私をベッドに寝かせた。

「ねぇねぇ、私っていったい何者なの?」

「俺の娘だ、今はそれだけでいいんだ」

そう言うとお父さんは私の頭を撫でて部屋を出た。

(気になる……でも眠らないとね)

そして私は眠り、そして朝になって起きると勉強や戦闘訓練をしていったのだった。

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