リレー小説OBNR(猫の耳毛)

猫の耳毛

5話

いなずま。 さんの書いた4話です!

https://kakuyomu.jp/works/16818792440346102916/episodes/16818792440346519524


1話から見たい方はこちらへ!↓

https://kakuyomu.jp/works/16818792439757544319


――――――――――――――—



「お姉ちゃん来てるって⁉︎」


 この圧倒的カオスな状況に現れた破壊神、東雲しののめ奈菜なな

 ...俺の妹である。


「あ、奈菜ちゃーん!今日も可愛いねー!よしよしよしよし...」


 俺の好きな宵華は、この小学生の仮面をかぶったクリーチャーに夢中だ。

 たしかに客観的に見て、奈菜は可愛いだろう。全体的に赤で統一された服が、また保護欲をそそるのだ。

 そして、よく「ありがとう」を言い、ずっとニコニコしてる。


「おっ!奈菜ちゃん!久しぶりー」


 春渡よ、お前も幼馴染なんだから分かるだろ?

 その笑顔に騙されるな!


「あ、お兄ちゃん!とうとう勇気を出して、大好きな宵...」


「あー!あー!そうだ奈々、腹減ったろ!ほらポテチ、姉ちゃんよこせ」


 こいつは、これを全て計算している。

 認めたくないが、うちの妹は頭が良い。

 俺が宵華を好きなことをしちゃう上で、色々とイタズラをする。


「おい虹斗私のポテチ返せ」


 そして春渡、お前もニヤニヤしながらこっちを見るな。

 だがしかーし!今日は負けるわけにはいかぬのだ!

 カウンターを喰らえ!


「お前、昨日テストの店悪かっただろ?ちゃんと勉強しろ」


 しょせん小学生!詰めが甘いな。


 そして、奈菜はしばらく悩んだ末に一つの答えを導き出した。


「じゃあ、お兄ちゃんも宵華姉ちゃんも、頭いいから二人に教えてもらおうかな!」


 え...?

 宵華と2人、春渡の邪魔がない!?


「は?別に、俺はそんな頭良くないけど、そこまで...」




————ここで、東雲虹斗は、全てが奈々の計算の家であることを理解した。

奈菜は当然知っている。虹斗がツンデレであると。故に、彼は否定から入る!


 その隙を、春渡という男は、逃さなかった。


「じゃあ僕が教えるよ!成績良いし」


 時すでに遅し。

 虹斗は、奈菜の計算されたステージの上で踊らされる、操り人形だった。


 しかし、この次の言葉が、この混乱状態にある戦場を、さらなるカオスへと導く!


「春渡お兄ちゃんありがとう!宵華姉ちゃんも、こんなにたくさんの男の子に囲まれて、隅に置けませんな—」


「あはは...」


「それに、奈菜、この前見ちゃったんだからね!」


「...?何を?」


「この前帰り道で、道宵華姉ちゃん、不良から助けてもらったイケメンに顔っ真っ赤にしてたじゃん!」


「「「え...?」」」







次回は、詩さん!よろしくお願いします!

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