第2話
「う、ううん...」
俺は気がつくと何処か森の中だろう場所の大きな木の根元に座り込んだ状態で目を覚ました。
空は明るい、まだ昼前だろうか。
「異世界に転移するとか行ったけど夢じゃ...ないみたいだな」
俺の記憶は部屋でゲームしてた時からあの神だと名乗る老人の少し話したことで終わってるから、ここは本当に異世界なんだろう。
「てっきりまたこの転移した世界の管理人と話すことになるかと思ってたけど、いきなり森の中か。さてどうしたものか...」
そう思ってあたりを見回す、見えるの木ばかりだが少し道になってるような部分も見える。獣道だろうか?
そのあと近くの方を見ると手元に本のようなものが置いてあることに気がついた。形は大きめで図鑑のような感じだ。
その大きな本の表紙には色々書かれたメモが添えられていた。
「えーっと何々、異世界の歩き方...?」
メモの内容はこうだ。
『ようこそ異世界人!私はこの世界の管理人です、直接話すことが出来ず申し訳ない。このメモに必要最低限の事は記載するのでしっかりと読むように!
まず君にやって貰いたいことはこのメモと一緒にあった図鑑を埋めていくこと!何故?と思うかもしれないがこの世界は管理人の私でも管理しきれないほどのモノで溢れている!君が図鑑を埋めてくれるとその情報は私の下まで届くから管理がしやすくなる!
それに君も図鑑を埋めていくほどに恩恵が得られるシステムにしておいたから、ぜひ頑張って埋めていってくれ!
期限などは無いが、強くなりたいなら図鑑を埋めていくのが近道になるようにしておいたから是非この世界を楽しみながら役目も果たしていってほしい。
次に伝える大事なこと君のステータスを見ることだ、頭の中でも声に出しででもいいからステータスと念じてくれ!
続きはそこに書いておいたからね』
「ふむ...つまりこの図鑑を埋めていくのか、なんだか楽しそうだな」
そう言って図鑑を手にすると図鑑は粒子になって身体の中へ入ってきた。
「なっ!図鑑消えちゃったぞ!俺の身体に吸い込まれたって感じだけど...えっと、とりあえずステータス!見てみよう」
声に出したことで眼の前によくあるゲームのステータス画面が出てきた。
『
名前:リョウ・モリノ
年齢:28
性別:男
種族:人間(異世界人)
職業:無職lv1(変更可)
HP 50/50
MP15/15
筋力:10
技量:8
耐久:8
知力:10
精神:15
運:5
耐性:なし
ステータス効果:なし
所持スキル
言語翻訳EX 万物図鑑の加護1
』
と表示された、うーん低そうだ。無職lv1と書かれてるのが弱そう。
スキルの欄には言語翻訳EXと書かれている、確かにスラスラ読めたがメモもきっと異世界の言葉で書かれていたのだろう。
それと万物図鑑の加護、これはさっきの図鑑の事だろう。メモに続きはステータスにあると書かれていたが何処だ?
そう思ってステータス画面を触ってみる、すると触った箇所の説明がポップアップで表示されることに気がついた。
なのでまずは万物図鑑の加護をの情報を見ていく。
『万物図鑑の加護:世界の管理人によって付与されたスキル
与えられた図鑑の項目が埋まることで基本ステータスが向上、および新たなスキルが発現する。
またこの加護には『マジックインベントリ』と『万能鑑定』が含まれているが、それらのレベルは図鑑の項目が埋まることで同じく強化されていく』
と書かれている、このマジックインベントリが気になったので触ってみる。
『マジックインベントリ:万物図鑑の加護により付与
現在レベル1 アイテムの種類10個スタック数5個まで可能 生物不可 時間停止機能』
ということらしい、どうやって開くんだ?同じくインベントリ!と叫んでみる。
すると眼の前にステータスとは別にウィンドウ画面が出てきた。
中には何故か既にいくつかのアイテムが入ってるらしい。
その中に管理人からのメモ2があったので触ってみると、ウィンドウに手が吸い込まれる感じがした。
少し怖いが手を入れてみる、すると何かを掴んだ感じがしたので取り出すとメモが出てきた。
『ちゃんとこのメモを見つけられたということはステータス確認をしてスキルの把握も出来たということだね!
このマジックインベントリには役に立つアイテムと資金を入れておいたから是非役に立ててほしい。
図鑑はスキルだから同じように念じることで手元に出現する、図鑑の詳しい説明は図鑑の中に記載してあるから読むように!』
とのことだった、意外と親切だなと思ったが拒否権なしで連れてこられて図鑑埋めしろって言う割には恩恵が少ないのか...?どうなんだ?とか考えたがとりあえずは考えるのをやめた。
というのも今はまだ明るいが地理感もない森の中だ、現代人の俺はキャンプ趣味などもなかったので野宿の方法もわからない、とりあえずどうにかして夜になる前に人がいる街、村にたどり着きたい。
他にインベントリに入れていたアイテムはこれだ。
『
ミスリルのダガー(自動修復)
水入り革袋:5
パン:5
干し肉:5
HPポーション:5
MPポーション:5
旅人の外套(隠密1)
通貨:10金貨 50銀貨 100銅貨
』
だった、どうやらお金は別枠で専用らしい。
ふーむ、とりあえずほんとスターターキットって感じだな、でもこのダガーと外套はかなり使えそう。
とりあえず取り出してみる。
ミスリルのダガーはとても切れ味が良さそうで、ミスリルってのは見たことなかったけどとてもキレイで陽の光に反射して輝いて見える。刃物は包丁ぐらいしか扱ったことないから気をつけて使っていきたい。自動修復は刃が欠けたり汚れてもすぐ元通りになるらしい。
外套はというと、深緑色をした地味めなフード付きのジャケットという感じだ、ジャケットというにはかなり大きいので羽織ってみると膝辺りまで覆ってくれた。
隠密というのはどうやら見つかりにくくなるらしい、もちろんレベル1だし装備していても音を立てたりするとバレるレベルだかこっそりと行動すれば弱い魔物などは気が付かないと書かれている。
とりあえず装備は確認した。外套を装備して気がついたのだが、どうやら俺の服はこちらの世界に合わせて変わってるらしい、なんか村人って感じの服を着ていた。具体的にはグレーの上着に、ズボンは紐をベルト代わりに結んで落ちないようにしているこれまた暗い青色だ、当然両方無地。
靴はそこそこ歩きやすそうなブーツだった。
さてとりあえずこの目覚めた木の下は安全な感じだから、動く前に図鑑の確認もしよう。もしかしたらそこに何かまたヒントがあるかもしれないし。
今度は声に出さず脳内で図鑑と念じてみる。
すると手元に消えた図鑑が現れた、さっそく開いてみる。
1ページ目には目次が書かれている、目次を過ぎると図鑑について書かれいた。
『万物図鑑について
この図鑑は貴方が発見したあらゆるアイテムや魔物が自動で登録されていきます、一定の登録数あるいは図鑑完成度を超えるたびに所持者が強化されていきます。
強化については専用のページが随時更新されるのでそちらをご参照ください。
また便利機能としてアイテムレシピの表示やドロップアイテムの確認、エリアコンプリートボーナスなどもあるので活用してください。』
と書かれていた、うーんまだ始まってないけど結構ワクワクしてきたな。
ページを捲ってみる、次のページは...。
「おっ、これは使えるかもしれない!まだ表示されてない部分があるけどエルベールの街周辺エリアというページが書かれている。つまりこの街の近くの森って事だなここは」
そう思ってその目次を触ってみるとページが自動で捲れていく。
『
エルベールの街周辺エリア
採取したアイテム 0
発見した生物0
詳細な分布図...
』
詳細な分布図を触ってみる、するとまたページが捲れていきそこにはマス目で区切られた地図のようなものが表示されていた。
表示されていたが、自分が訪れたことのないマス目のエリアは何も描かれていないので今は1マスだけだ。
だがこのマップには自分の現在地と向いている方向が矢印のようなもので表示されている、そしてここから北の方に行くとどうやら道のようなものがありそうだ。少しだけマス目の切れ目が道っぽい、川かもしれないがとりあえず言ってみよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます