第4話 スキー合宿と成人式
〜スキー合宿と成人式〜
バイト先では、〇〇大学のスキー部の人たちと一緒だった。
明るくて、体力があって、みんな笑い声が絶えなかった。
夏が終わり、アルバイトは終わった。
それぞれの学校へ戻っていく仲間を見送りながら、少し胸が空っぽになった気がした。
次の冬にスキー合宿があるという。
誘われたけれど、その頃には成人式が控えていた。
スカイブルーの振り袖を着ることが決まっていた。
「日焼けしてゴーグルの跡のある写真が一生残るなんて、嫌だ」
そう思って、頑なに断った。
何度も誘ってくれたのに、私は首を横に振り続けた。
今思えば、少し意地っ張りだったのかもしれない。
行けばよかったかな…。
スポーツブランドに就職した憧れの先輩も合宿には来ていた。
合宿に行った仲間たちは口々に
「すごく楽しかった」と話していた。
私はその輪に入れず、ただ遠くから眺めていた。
――私は、いつもこうだ。
大事な瞬間を、自分の頑固さで逃してしまう。
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