シュガーバインは、その葉裏に隠す甘く白い樹液が特徴。学名の意味は「処女の蔦」。すこやかに育ちながらも実らぬことが由来とも謂う。隠世(かくりよ)の如く現世(うつしよ)と重なりながら永遠の時を漂う妖精の森で織り上げられる少年二人の邂逅は、何を実らすのか。この慈しみ溢れる物語を、末永く楽しみたいです。
ふたりの少年が出会い、妖精たちの住む幻想的な森で過ごす様子が絵本のようにきらきらしていて、読んでいて心温まる物語でした。2人の関係性がこの幻想的な世界を儚く切なくもさせますが、まるで宝物を見つけたような気分にもさせ、名残惜しいその気持ちがラストシーンを一層鮮やかにしてくれました。短編でありながらも、不思議な世界を満喫できる素敵な物語です。