イベント③ 修羅場かな?

「二人で何してる訳?」

声がした方向に視線を向ければ


「つ、椿がどうしてここに?」

椿が居た、俺さぁ、ヒロインと会わなきゃいけない

呪いでもかかってんの?

そうじゃないと納得出来ない確率で行く場所に

ヒロインが居る件について。


「あら、邪魔な女が居たけれど無視をすれば

良いわよね?」

白石よ、普通に可哀想だろ。

目合ったよな?なんなら俺達に声かけてきたよね?

それを素通りってマジかよ。


「おい、無視すんな!

紅玉、どう言う事だよ、デートするなんて聞いて

ないぞ!」


「あら、貴方に言う必要があるのかしら?

別に貴方とそんなに仲良くないと思うけれど?」

あの、喧嘩しないでもらっていいか?


「あたしも魁斗に付いてくぞ!」

えぇ……勘弁してぇ?

俺ね、ヒロインに構う時間なんてありませんよ?

ヒロインとぉ〜、主人公をくっつけたいなぁ〜。


「お姉ちゃん、何してるの?」

白石と椿が言い合いをしていたのだが後から小さい女の子が椿の服を引っ張りそう言ってきた。


「桜、少し待ってくれ、紅玉に用があるんだ!」


「私には貴方とお喋りする時間なんてないのだけど。」


「何だと!あたしだって魁斗とデートした事ないんだぞ!それなのにどうして紅玉が魁斗の初めて

何だよ!」


「二人共、取り敢えず外に出よっか?!」

誤解を生む発言はやめて?

これだと俺が二股してる屑だと思われるじゃん!


俺は取り敢えず急いで二人の腕を引っ張り外に

出る事にしたんだけど椿の妹だと思うんだけど

その子に服を引っ張られてその子もついでに

付いて来たんだけどどう言う状況なの?

何で俺の服を掴むのかな?

俺は君のお姉ちゃんとは、何の繋がりもありませんよ?


「それでさ、これには事情があるんだよね。

椿、聞いてくれ、白石が小峠にプレゼントを

送りたいみたいでさ?

一緒に選んで欲しいって頼まれたんだ!

だから、これはデートじゃないんだよ?」


「魁斗君の言ってる事は全て嘘よ。

これはデートって事前に伝えてたのよね。

水族館に来たのは彼の意思よ?

つまり、彼は、私のデートへの誘いを受けたって

事よ。貴方は、私に先を越されたのよ?

分かったら邪魔者は早く消える事ね。」

うん…………何で状況を悪化させんの?

穏便に済まそうとしたじゃん?

俺の嘘をバラした事によってさっきよりも

椿が物凄い目で俺を見てくるよ?


「お、お、お、お前等は付き合ってんのか?!」

そんな訳あるか。


「そうねぇ、私達ね、実はつきあ「ってないからね?!」


「本当に付き合ってないからぁ!

白石!状況を悪化させんなぁ?!

椿が今にもお前を殺しそうな顔してるからね?!

とても、TVには映せない様な顔してるよ!

俺、嫌だからね?!白石と一緒に刺されるの」

白石を刺したら今度は俺が刺されそうな気がする。

本当に俺関係ないけどね?

今回のデートの事だって殆ど脅しで水族館に

来た訳だしね。

あれ?俺、被害者なんじゃない?


「はぁ………とにかく私とのデート中よ。

邪魔しないで貰えるかしら?

それとも、貴方には私達のデートを邪魔する

権利があるのかしら?

彼の恋人とかじゃないなら邪魔しないで?」


「うぐっ。け、けど!私の方が先に」


「それは、貴方が悪いんじゃないの?

貴方が早くデートに誘わないから私に先を

越されるのよ?」

白石、椿のライフはもう0ですよ?

やめてあげて?


「お兄ちゃん、大変そうだねぇ〜。」


「そうだな、帰りたいね。」

ん?俺、誰に返事した?


「うぉ!ビックリしたわ。

いつから俺の隣に居たんだ?」

気付けば俺の隣で苺ジュースを飲んで呑気に

鼻歌を歌っている椿妹が居た。


「お兄ちゃん、一緒に水族館回らない?

あの二人の言い合いもう少し続きそうだし。

折角水族館来たのに連れがあの調子だから。」

同情するぜ。一緒に来た連れが急に知らない女と

喧嘩を始めたら流石に楽しめないか。


「分かった、じゃあ、向こうで一緒に魚見てようか?」


「うん!じゃあ手繋いで?」

何がじゃあなの?普通に意味が分かりません。

この世界の女の子は皆挨拶代わりに手を繋ぐのが

当たり前なのかな?


「ハグレない様に手を繋いで欲しいんだけど」

ハグレない様に?そんなに子供には見えないけど。

でも、もし迷子になったら椿に怒られんの俺だしな〜。今の様子見た感じもう少し時間かかるだろうし今より機嫌悪くなってそうだし迷子になった

とか言ったら本当にヤバそうだし。


「分かった、迷子にならない様に手を繋ごっか。」

最近手を繋いでばっかりだなぁ。

男が聞けば俺を睨みつけるんだろうが俺は

望んでないんだよねぇ。


「じゃあ、あれ見たいなぁ!」








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