イベント② 女子会で俺が唯一するべき事


「それで、何をして遊ぶのかな?」

神楽が首を傾げて白石に視線を向けて来た。


「そうね、ゲームなんてどうかしら?」

そう言って机の下に置いてあった段ボールの中から

ゲームカセットを取り出した。


「ゲームか、久しぶりにやるな。」

ちなみにゲームをやるのは久しぶりではない。

だけど見た所、アクションゲームが多い気がする。

アクションゲームは前世含めてやるのは初めて何だよな、俺がやるのは基本恋愛要素ありの物である。


「では、僕は本でも読んでよう。」

こいつは、やっぱり友達居ないだろうな〜と俺は

思った、本読むなら家でも出来るよなぁ?


「ふふ、やはり貴方は魁斗君に相応しくないよう

です。」

お前はいつまで俺にくっついてんの?

俺はそっと離れてカセットを選んでいた白石を

小峠にくっつけておいた。


「何かと思えばどう言うことかしら?」

白石は、困惑していたがこの結果は当然だろ?

この場にこれ以上ない組み合わせじゃないか!

俺は女の子同士でも純愛なら平気なので

頼むから今日はそのままくっついててくれ!


「紅玉、離れて下さい」

直ぐに小峠が白石の頬を摘んで睨みつける。


「いだいわ。あの、私が悪いの?!」

確かに悪くないな。


一番最悪な結果になった…………

「それで、どのゲームをやりますか?」


「そうね、これなんかどうかしら?」

白石が格闘ゲームを指差した。

俺を間に挟まなければ何でも良かったわ。


「何で俺を間に挟むの?」


「偶然です。」

「偶然よ。」

偶然って何?!思わず声が出そうになってしまった。こんなに場所が空いてるのにわざわざ俺の

隣に来るのが偶然な訳ないよね?


「まぁまぁ、いいではないか〜」

ゴロンと本を読んでいた神楽が俺の膝の上に

頭を乗っけて来やがった。


「お前何してんの?」

本当に何やってんの?俺はこんな状態望んで

ないのに。取り敢えず神楽!お前何頭乗せてんだ!


「おいおい、そんなに怖い顔で睨んじゃ駄目だよ?

格好いい顔が台無しに「ベチ」

俺は我慢する事が出来ず膝に乗せている神楽の

頭に軽くチョップをしてしまった。


「いだぁ、何をするんだ!乙女の頭を叩く何て。

君はそれでも男なのかい?

男ならしっかり受け止めるべきじゃないかい?」


「なら、女でいいから!なら、女でいいからぁ!」

頼むから俺抜きで純愛してくれよ!

俺を間に挟んで!右から体をくっつけられて?

左から頭を肩に乗せられて?

膝の上には乙女の頭?

ふざけんな?!

まず、俺は肩に頭を乗せてる子にそれはやめてくれるかどうか聞く事にした。


「何で肩に頭乗せてくるの?」


「好きだからだけど……何か?」

そんな、こいつは訳の分からない事を言ってんだ?

って顔で俺の事を見てくるな!

訳分からないの俺ね?分からないのは俺だから!

白石は諦める事にして体をくっつけてくる子に

やめるよう言った。


「なぁ、離れてほ「好き」


「え?」

何か聞こえたんだけど気のせいだよね?


「好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き」


「あ。(諦めた)」

何か聞いちゃ駄目なの聞いたかも。

小峠は俺に体をくっつけてる間ずっと恍惚な表情を

浮かべこんな呪詛の様に呟いていた。

俺って呪われてるの?こいつもはや…………………一種の妖怪だろ。

俺はこの時悟った………………ヤンデレは…………関わらないで見るのが一番幸せだったと。


「あ!皆ずるーい!あたちのお兄ちゃんだよ!」

さっきまでお菓子を漁っていた詩杏がこっちの

状態に気付いて頬を膨らませながら後から

抱き着いて来たのだ。



さっきより悪化してね?

俺はこいつらの純愛が見たかったのに…………










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る