エロゲ世界のモブ悪役に転生したけど俺は純愛が大好きなので無理矢理だけは許しません?!

愛平

ヒロイン達と出会おう!1年生編

プロローグ ここ……エロゲの世界じゃね?

俺、野村英二のむらえいじは、高校2年の春交通事故で死亡した。猫を守ろうとして道路に飛び出したのだから

死んじゃうのも仕方がないかも知れない。

車に跳ねられたが意識は、朦朧としているものの

まだ、周りが見える。家族は泣いてくれるだろうか。ないな。俺は、自分で言うのも何だが家族に

冷たかった記憶がある。家族と話すのは1日に

数回程度。時々無視をする事もある。

妹には、優しく接した記憶がない。

実は、家族とは、血が繋がっていない。

俺の父が再婚して付いてきたのがその妹って訳。

仲良く出来る気がしない。

別に母さんが好きだったと言う訳ではない。

母さんは、浮気をして出て行った。

そんな母を好きにはなれない。

父は、俺の為に一人で頑張って働いてくれていた。

だから、そんな父の幸福をずっと願っていた。

だから、再婚すると聞いて正直嬉しかった。

父も笑顔が増えて来たように思える。

だけど、やはり、血が繋がっていないからか

俺と妹と今の母の関係は、良好とは、言えなかった。別に無視をしたくてしてる訳ではない。

ただ。どうやって話せばいいのか分からなかった。

家族には申し訳無く思う。

雰囲気を悪くしてしまっていると思う。

だけど、そんな俺だけど三人の幸せを誰よりも

願っている。


頭から赤い水滴が落ちている。

今日は、妹の誕生日だった。伝えたい。

おめでとうと笑顔で言ってあげたい。

15歳の誕生日を迎える妹と恋バナをしてみたかった。だから、折れた足を引き摺りながら。

変な方向に曲がってしまった右腕を支えながら歩く。人に会う度に驚かれたり悲鳴を上げられたり

救急車を呼ぶ人も居た。

でも、俺は立ち止まらない。

その足で自分の家まで歩いて行く。

意識が飛びそうなのを痛みで耐えて歩き続ける。

そして家の前まで来た。インターホンを鳴らした。

そして足音が近付いてくる。

元気な返事が聞こえて来た。

もう何も頭に入って来ない。

そして扉が開かれた。中からはピンクのツインテールの可愛らしい花柄のワンピースを来た少女が

立っていた。

「はーい。何方でしょ……う…」

妹が顔面蒼白で俺を凝視していた。

目の端から涙が溢れていた様にも見えたがもう何も見えない。暗くて何も見えなくて死が近付いているのが分かる。怖い。でも伝えるんだ。


「胡桃。誕生日おめでとう!」

見せた事のないような満面の笑みでそう伝えた。

そこで意識は、途切れた。



……………………そして世界は、変わる……………

こ…こは?

俺は、死んだんじゃないのか?

目が覚めた時知らない天井だった。

何が起きているのか理解出来なかった。

俺は、死ななかったのか?

取り敢えずベッドから立ち上がり周囲を見回す。

まず、病室では、ない。そして。

俺の部屋でもない。階段を下り色々見て回る。

お風呂場、トイレ、部屋、物置部屋。

窓から見える景色。

一体何だここは?洗面台を見つけた俺は絶句した。

言葉にならない悲鳴と言うのを確かに俺は、その時初めて経験した。

鏡に映る自分は、なんと………

エロゲ世界………『貴方と純愛がしたかった。』

の世界に転生していた事にまず驚いた。

そして次に驚いたのが転生してしまったキャラだった。真田魁斗。主人公のヒロイン達を次々に寝取る

悪役の子分的立ち位置のキャラだった。

時に靴を隠し時にヒロインが何処に行ったのか伝え時に主人公に嘘を付いてヒロインから遠ざける。

そんなお邪魔虫キャラだった。

何で俺が真田魁斗に?と困惑していた。

このキャラは、悪役と同じ末路を辿る。

一緒にヒロインに刺されたり。

道路に押し出されたり。屋上から落とされたり。

酷い目に遭うキャラだった。

どうにかしなくては、このままでは、俺は死ぬ?!

今の俺の見た目は子供。

まだ間に合うかも知れない。

色々考えていた時だった。

リビングから人の声がした。

「魁斗〜!ご飯の準備が出来ましたよ〜」

そんな明るい声が聞こえて来た。

そりゃそうだよな。この世界にも家族は、居るよな。

ガチャ

「おはよう、婆ちゃん!」


「ええ。おはよう?」

優しい笑顔で俺に微笑みかけて来た。


「今日もご飯ありがとう、とても美味しい!」


「あら、どうしたの?珍しいわね。

でも、嬉しいわ!」

とても嬉しそうに俺を見てくるお祖母ちゃん。

きっと前世の心残りもあるんだと思う。

前世の経験があるからこそ今世では、素直になろうと思えた。

俺は、別に家族が嫌いだった訳じゃない。

嫌、友達の居なかった俺にとって一番の存在だった。だから、今度は、後悔したくない。



…………………………………………………………

この時の真田魁斗は、知らなかった。

主人公をすぐに裏切ってしまうゲームのヒロインが

どうしても好きにはなれなかった。

だから、距離を取っていたのに

根は、優しい魁斗は、どんどん自分から頭を突っ込んで行くことになる。

その先は果たして天国なのか………それとも破滅?





キャラクターの漢字がもし分からない方が居れば

1年生一学期編のエピローグを見て下さい!











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