奇妙な評判をもつ山奥のホテル。
医師・七田と助手・谷神芽理がその謎を追ううちに、物語は静かな不穏から一転、
人間の“欲望”と“郷愁”が交錯する社会派サスペンス!
閉ざされた空間の緊張感、じわじわと忍び寄る違和感、
そして終盤に明かされる真実は、読者の予想を軽く裏切る展開。
ホテルの描写は圧巻で、まるで人間の心の闇が具現化したようです!
恐怖の正体は怪異ではなく、人の内にある「過去への執着」。
静かにですが、確実に胸を締めつけます。
七田と谷神の掛け合いが、重いテーマの中に温度をもたらすのも見事。
社会派ミステリーとしても、心理ドラマとしても秀逸な一作です。
メンタルクリニックの受付さんと院長が、患者さんの持ってきた「謎」を解き明かすべく奔走するミステリ。
1話目を読んで驚きました。「とにかく文章が読みやすい!」もうこれをレビュータイトルにしようかと思ったほどです。寝る前に読むものを探していて見つけた作品で、およそ3万の文字数にちょっと尻込みしたのですが、最初の数行でがっつり引き込まれて、一気読みです。
内容は、ジャンルがミステリですのであまり触れずにおきたい……ので、キャラクターの魅力を。とにかく主人公の芽理ちゃんがかわいい!本当に、ずっとかわいいんです、この人。本当にかわいい。相棒(?)の七田先生も、頭が良くて優しくて——と、本当ならかっこいいと言うべき人なのでしょうが、かわいらしいんです。
この素敵な2人の仲の良さに癒されつつ、不穏な空気にハラハラもできる、とってもお得な作品です。読みやすいミステリ作品をお探しの方は、ぜひぜひこちらを! 読後はきっと、私のように、彼女たちの次の活躍が見られることを望むでしょう!