第4話 どうしてもお礼?じゃあ...わかるよね?

怪物モンスター巣窟ハウスにしちゃ、数が多かったな...もともと近いものが出来つつあったのか?」

疑問に思いながらも、全ての魔石を集める。

一個の漏らしもなく集め終わり、モンスターも近くにはいないことを確認し、二人の元へと戻る。

いつの間にかダンジョン災害も終わったみたいだ。

「あの...大丈夫、でしたか?」

「あ、大丈夫、です。これ、貴方たちに」

魔石の袋を渡す。

俺からしたら端金レベルだが、この子達の装備分くらいにはなるだろう。

「ぇぇえ!?う、うけとれないですよ!!」

「それ、装備にあてて」

「そ、そんな...横取りみたいでちょっと....」

こそっと近寄って耳打ちする。

「君らの配信用ドローン、声だけ拾えてる。多分戦闘中に再開されてる。映像はカメラが潰れてて映ってない」

「そ、それじゃあこれはなおさら...」

「大丈夫。今からお芝居するから、そして、最後にドローン壊す。その弁償だと思ってほしい」

「わ、わかりました。でもお芝居とは?」

疑問符をいくつも浮かべる葵さんから離れ、演技を始める。

「うぉっほん!そうだな!どうしても礼がしたいなら、わかっているよな?」


:音声だけでも復活!

:どうして男の声が?

:ほむらっちは?!あおいちゃんは!?


「なぁ『盟友』よ?ダンジョン災害に巻き込まれ、たまたま怪物の巣窟にぶち込まれ、なすすべなくやられ、その死に際を救った恩に、どう答えるおつもりかな?」


:この男、なんかムカつく言い方だな

:ほんとに二人とも生きてるの?

:え、死にかけたん!?大丈夫!?


「え、えとぉ、皆さん、安心してください。私も焔ちゃんも生きてます。焔ちゃんはちょっと寝てますけど」


:あおいちゃんんんん!!

:生きててよかった!!

:ほむらっち!寝てんのかい!


「それで、お礼の件なんですが..その...あいにくお金もなくて...」

「安心しろ、今から十分に貰おう...あぁこの羽虫は、潰しておくとするか」


:誰だか知らんが、俺らの天使に手ェ出すなや!

:逃げてあおいちゃん!!頼むから!

:あかん、ドローンが!!


バキぃぃぃ!!

ぱらぱらぱら...


この配信は終了いたしました。



「これで、いい」

「あ、あの、影丸さん」

「ん?」

「お礼の件ですが、その、私初めてで...」

「あ、いや、本当に差し出す必要はない。それに、その手段は最後だと覚えていてほしい」

「え、じゃあ何を返せば!!」

「もう一人の子にも言っといて、また会えた時に声かけて欲しい。それが、1番のお礼」

「...わかりました。焔ちゃんにも伝えときます」

「それじゃ、『盟友』また会う日まで」

そう言って、影丸さんはスッと消えてしまいました。

まるでそこに最初からいなかったかのように...

「へっくしょん!!...早く予備の服を着て、脱出しなきゃ...」

また会えると信じて。


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