コンビニデート

 コンビニの店内には、レジにいる店員さん以外には私とあなただけ。


 そうこれは深夜のコンビニデートなのだ。


 私はあなたと出会うまで、深夜に行動することはなかった。夜10時になったら寝るような、良い子だった。


 そんな私は、深夜にコンビニで買い物をする。なんだかとても悪い子に、私はなった気分。


 でもいいの。あなたと一緒だったら、良い子じゃなくなったって。たとえ悪い子になったって、あなたと一緒にいれる幸せがあればそれでいい。


「ポテチとアイスにするけど、めみちゃんは何が良い?」


 あなたは笑って、私に話しかけてくれる。


「私もそれがいい」


 私も笑って、早く答える。


「ポテチと言ったらうすしおだろ」


 あなたは自信満々に、うすしお味のポテトチップスをかごにいれる。


「私はコンソメが好き」


 私はコンソメ味のポテトチップスをかごにいれた。


 コンソメ味のポテトチップスは味が濃厚で、一袋あっという間に食べきってしまうほどおいしい。


「やっぱりバニラが最強なんだよ。バニラがおいしければ、ほかのアイスもおいしいってことになる」


 そういってあなたはバニラのアイスをかごにいれる。


「そうかな? 私はイチゴが好き」


 私はイチゴのアイスをかごの中に入れた。


 イチゴはやさしい甘さとちょっとしたすっぱさがうまくあって、どれだけ食べても飽きない。


 そして2人別々にレジでお金を払って、コンビニから出る。


「こんな深夜にポテチとアイスを食べたら太りそうだな」


 車が走る音以外、何も聞こえない深夜の街。あなたの残酷な発言が響く。


「それは考えないようにしてたんだから」


 少し小走りになりながら、反論する。


 ポテトチップスとアイスを深夜に食べたら、太るのは分かる。それでも私は食べたい。


「まあ、めみちゃんは少し太った方がかわいいよ。今は少し痩せすぎだから」


「そうかな?」


 そんなわけないと思う。きっとほかの女の子の方が痩せている。


 でもなぜか私の顔はほてっている。


 今が深夜なのに、私は感謝した。そうじゃないと顔が赤くなっているのを、あなたにばれてしまうから。

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