エピローグ
真の黒幕編
真の黒幕編
あれから5日が経過。マージィ、カーラ、トベの3人でカフェに行く。ダブルスデートのときにマージィの頭の中では、このようなことが起きていたのだろうか?マージィの妄想が、現実と一致した瞬間だ。
先日に引き続きマージィは、今度はカーラにリラックマの考察を教えていた。カーラはリラックマの考察に驚きながらも楽しんでいるようだ。マージィは、トベとマキの関係をカーラにも教える。カーラも以前にトベから直接聞いたため、2人の関係を知っていた。
マージィやカーラの会話を聞いていたトベは、自分だけ何か足りないような孤独を感じていたようだ。ここにモリーやサクシマたちがいないからだろうか?マキは急遽仕事が入ってしまったが、マキにも来てほしかったとトベは思ったそうだ。
いずれにしても「モリー失踪事件」は、もうドラマとして完結した出来事だ。今は「トモダチみーんな」で未来のことを考える必要がある。おそらくモリー失踪事件を拡大させた真の黒幕は、マージィのテニス初日に結成された4人組だったのだから。すなわちモリー失踪事件における真の黒幕は、マージィ、カーラ、サクシマ、トベの4人である。
マージィ、カーラ、サクシマ、トベの4人組は、リラックマの登場人物にそっくりなため、みんなが勘違いに勘違いを繰り返して大事件に発展したのだ。例えばリラックマやカオルさんは謎が多く、リラックマやコリラックマの関係も自由に解釈できるようになっている。リラックマの登場人物はまるで恋愛シュミレーションゲームの主人公のような存在で、多くの人が自分たちに当てはめて共感しやすい設定なのだ。しかしモリー失踪事件において、曖昧な設定は大きな罠だった。リラックマの設定と類似した曖昧な状況に、周りの多くの人たちも勘違いに勘違いを繰り返し、事件をより大きくし続けてしまったのだろう。もし本当の意味でリラックマを理解し、周りの人々が何事も決めつけすぎなければ、これほど事件が大きくならなかったはずだ。むしろリラックマという存在は、勘違いのせいで大事件を引き起こさないための「救世主」だと言えるのかもしれない。
モリー失踪事件の「無自覚系犯人」は発覚したが、あくまでこの事件はこれから繰り返される数々の事件の発端にすぎない。今後も新たな「無自覚系黒幕」たちによる「伝説」が繰り返されるだろう。そして「巻未来」こそが、未来に巻き込まれる「無自覚系犯人」の最有力候補なのだ。事件を大きくしないためには、「誰もが何事も決めつけすぎず、別の可能性がないか考えること」が重要だとトベは悟ったそうだ。
全てをまとめると、「つまりリラックマーズがクロマックマだったってこと」なのだ!
「リラックマーズ」と「クロマックマ」!
突如、トベの頭の中に、この奇妙な2つの言葉が同時に浮かんできたという…。
まもなく名前に同じイニシャルが連続する、TT、SS、MM、KKの4人で結成された「新生リラックマーズ」が新たな無自覚系黒幕としてクロマックマとなり、モリー失踪事件に勝るとも劣らない「伝説」を生み出す危険性が高い。それどころか知らない間に、新たな伝説がすでに始まっているのだ。もし新生リラックマーズによる「連続失踪事件」が引き起こされれば、未来の被害者は「トモダチみーんな」になるだろう。結果的に被害者の総数も計り知れない。クロマックマによる事件の連鎖をこれ以上引き起こしてはいけないのだ。
「リラックマーズ」と「クロマックマ」。この2つの言葉を深く心に刻む。
そして「新生リラックマーズ」や「トモダチみーんな」は、それぞれ己の信じる道を突き進み始める…。
・・・
そう、自称「伝説の伝道師」は、多くの人々に語る。そしてこの「伝説」を正確に長く広く語り継ぐことを、伝説の伝道師は改めて決意したのだった…。
(伝説の伝道師の伝説〜真の無自覚系犯人の伝説〜 完)
(伝説の失踪事件〜リラックマーズがクロマックマだった〜シリーズ全6部「第2部」に続く)
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