もしかして私、最強種族!?


「馬鹿を言え!そんな特殊な召喚ができるのは、色々な種族がいるなで魔王族だけのはずじゃ」


アリスは何かに気が付いたように目を見開き、私をじっと、見つめて突然は、私のスカートをめくりあげた。


「え!ちょっと!?何するの!?」


アリスは、私のお腹のタトゥーを見て驚愕している。


「まさかお前!?魔王族なのか!?」


「魔王族って何?」


「魔王族を知らないのか!?」


「えっと…はい…ごめんなさい…」


アリスは、少し、呆れたようにため息を吐く


「先代魔王様が、かつてこの世界を統一したことも知らないのか?」


「は、はい」


「じゃあ、先代魔王が崩御して、今、各種族の内戦が続いていることも?」


「えっと内戦?」


こいつ、まじかという顔でアリスは、こちらを見ている。

でもさ!知らないものはしょうがないじゃん!


アリスの話曰く、この世界は様々な種族が存在していて、特にオーク、ゴブリン、デーモンが強いらしい……そこに現れたのは当時の先代魔王が現れ瞬く間に種族を統一したらしい……しかし先代魔王は子供に恵まれず、病死してしまった。最後の魔王族の末裔だったこともあり、新しい後継ぎ争いが行われて内戦が絶えないのだ。


アリスは最後のドラゴン族の生き残りらしく生き残るために人里離れた山に隠れて暮らしているらしい。この世界はかつて内戦のお腹に刻まれているダサいタトゥーを指さす。


「その紋章、それが魔王族の証なのだ」


「え、このお腹に書かれているダサいやつが?」


「ダサいとは、なんじゃ!これは、魔王族にしか刻まれない、とても伝説の証なんじゃぞ!」



ていうか、歴代魔王にもこのダサい紋章がついてたのか……


「私、そんなにすごい存在だったの?」


「うむ。そうなるな!そして魔王族は、絶滅した…はずなのだがな…こうして魔王族の紋章を継ぐものが現れるとは…」


アリスが、ぶつぶつと『こんなことはあり得ない』など言っている気がした。


魔王族が私だけって、なんか唯一無二の主人公みたいで、かっこよくない!?

それに、魔王族って名前からして、どう考えても最強種族じゃん!!

神様!ありがとうございます!私、新しい人生謳歌させてもらいます!!


私の気分は、最高潮に達していて、きっと何を言われてもポジティブに考えられるようなそんな気がした。


「そういうわけで、お主は、選ばれし伝説のものなのじゃ!!っておい!聞こえているか!」


「あ!ごめん聞いてなかった」


アリスは、ムスッとした表情をしていた。私は、何とか笑顔を作って誤魔化した。

でもさ!やっぱり話が頭に入らない、ずっとこの世界でどうやって活躍するか考えて、妄想していた。


「ところでさっき言っていた緋色の終末兵器スカーレット・バーサーカーってなに?」


「あ~それは昔、戦場で呼ばれていた童の名前じゃ!この名前を聞いたら皆怯える」


「それってホントなの?」


私は、半信半疑だった。だってこんな可愛げな美少女がそんな物騒な名前で呼ばれてるなんて到底思えない。


「もちろんじゃ!!童は、戦場でもブイブイ言わせておったぞ!!」


自信満々に満面な笑みで答える彼女の姿は妙に子供のように感じるがどこか可愛げがあった。そんな彼女の姿になぜか無償に可愛がりたいという気持ちが出てしまい私はふっと彼女の頭に手をのせてなでなでをした。


彼女は一瞬驚いたようで、直ぐに顔を赤らめながら


「な、なにをする⁉わ、童は最強のドラゴン族の末裔なんだぞ!」


「ドラゴン!!」


気分最高潮の私にとって、ファンタジーなモンスターの名前が、どんどん出てくることのわくわくが止まらない!!


「お、おう、一応、童はドラゴンだぞ」


私の食いつきのいい反応にアリスは少し戸惑っていた。けど、直ぐに気分を良くしたのか、気持ちよさそうに自分のことを語る。


どうやら彼女は、ドラゴン族の生き残りらしく生き残るために人里離れた山に隠れて暮らしているらしい。


「フハハハハハ、だから童はドラゴン族の生き残りで強いんだ!!」


アリスは、誇らしそうにしている。

そんな可愛げのある彼女の姿を見ていると無性に可愛がりたいという思いが強くなり、再び撫でた


「童は子供じゃないんだぞ~~~~!?」


ちょっと嫌がっていたが、またそれがかわいい


でもアリスもまんざらではなさそうな表情をしている。話の流れを断ち切るようにアリスが


「ちとお主の魔力量はどれほどなのか」


「魔力量?なんだそれは?」


「お主…何も知らないんだな魔力量というのは・・・」


 この世界には「魔法」というものがあるらしく、その強さは魔力量によって決まるという。 魔法は、この世界で生きていくために欠かせないもので、前の世界でいうところの家電やスマートフォンのような、生活に必要なエネルギー源らしい。 魔力量が多いほど地位も高くなる、まさに魔法量絶対主義の弱肉強食の世界なのだ。


そんな話を聞かされて頭がぽかんとした。でも何せ魔王族?の末裔なのだからきっと莫大な魔法量であるに違いない!!


そんなことを胸にドキドキしている自分がいる。


少し間が開いた後の一言


「よかろう童がお主の魔力量を見てやろう!」

アリスはそういって、目を見開きながら私を凝視している。


私を凝視している顔は、少しおっかない顔をしているが可愛げがあった。


アリスは一言


「………お主………魔力量が0じゃな…」

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