第12話
「聞こえますか?」
・聞こえるよー!
・やっぱりかわいい
・私服姿最高!
カメラが赤く点灯し始めたので、声を出す。
するとすぐにコメントが流れ始めた。
「よかった。今日はミンツイで告知した通り質問コーナーをするよ」
初配信で十万人突破するほどバズっていろいろ聞きたいことがあると思い、この配信をすることにした。
ダンジョン内じゃあんまり答えられそうにもないからね。
今日の朝、質問を考えておいてと投稿しておいたおかげかすぐにものすごい数の質問コメントが来る。
・年齢は?
・いくつですか?
そんなコメントが最初に目についた。
「えっと、一か月前くらいに十六歳になりました」
・まじか
・ぴちぴちのJKじゃん
「あ、でも高校には通ってないのでJKではないですね」
・なん...だと?
・制服姿見れないのか
・絶対制服にあうのに
カメラの裏にいる紬さんもコメントを見て頷いていた。
「制服ですか...この髪でも似合うんですかね」
・似合うだろ
・もし同じ学校だったら絶対告白するわ
・ハーフ転校生みたいでいい
「確かに」
俺も一応男だからわからなくもない。
・てかその髪って染めてるの?
「地毛です。ハーフでもないですよ」
・まじかよ
・日本人でその髪まじ?
・髪様ありがとうございます
なんか神じゃなくて髪に感謝してるやつもいる。
ダンジョンじゃなくて家で配信することに少し不安があったが、思ったよりも普通にできている。
「私もわからないんですけど生まれた時からこの髪色なんですよ」
嘘ではない。
実際スキル覚醒時からこの髪色だから。
・その青いバラの髪飾りめっちゃ可愛い
・それな
・わかる。銀髪と相まって最強
「これ私も気に入ってるんですよね」
・てかずっと丁寧語なのはなんで?
そんなコメントが来る。
確かに、気にしてなかったけどこっちの姿の時は自然に丁寧語になっていた。
「えっと、多分つむ...一緒に暮らしてる人が年上だから自然となんだと思います」
・一緒に暮らしてる人?
・男?
・いい方てきに家族じゃないよな
「あ、女性の方です!私を助けてくれた人で———」
その時だった。
「どうも!リンと一緒に暮らしてるツムギだよー」
急に俺の隣に座ってカメラに挨拶をした。
紬さんの予定外の行動に、慌てて紬さんの肩をたたいた。
「な、なんで出てきちゃったんですか!」
「いや~、私も映ってみたいなぁって」
「聞いてないです!」
「いってないからね」
・まさかの美人
・画面が可愛すぎて俺、歓喜
・高評価推したわ
・でっか
・↑たしかに
「まあ、出てくる予定じゃなかったんですけど、この人が一緒に住んでるツムギさんです」
・陽キャ巨乳お姉さんとか最高すぎる
・美人お姉さんとキラキラJKが住んでるアパートがあるって本当ですか?
その後は、紬さんも加わって質問に答えることになった。
コメントと会話するのは、ずっと友達がいなかった俺にはすごく楽しい。
気づけば予定してた時間を過ぎていた。
「もうこんな時間ですね。今日はもう終わりにしましょうか」
「そうだねー、もう私も眠くなってきちゃった」
・もうおわりか
・お疲れー
・ツムギ姉さん大好きです!
「姉さんなんてやめてよ~!ありがとね」
「じゃあ、みなさんまた次の配信で」
そういって配信を閉じた。
「紬さん急にびっくりしましたよ」
「ごめんごめん。なんか見てたら楽しそうだなぁって思っちゃって」
「まあ紬さんがいいならいいんですけど」
【リンチャンネルについて語るスレ】
34 名無しのリスナー
リンちゃん可愛すぎる
35 名無しのリスナー
やっぱり銀髪最高
36 名無しのリスナー
しかもユニークスキルもちってもう推さない理由ないでしょ
37 名無しのリスナー
でも雑魚じゃんw
38 名無しのリスナー
>37 アンチはアンチスレでどうぞ
39 名無しのリスナー
てかまだ覚醒して一か月なのにソロでCランクダンジョン攻略って普通じゃないでしょ
40 名無しのリスナー
>39 それな。ソロなのがおかしい
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