第24話 狙われる女
「悪い、少し言い過ぎた、許してくれ」
俺は、素直に謝罪の言葉を伝えるとバーバラはわずかに俺の方へと顔を向けてきた。
「別に、気にしてないよ」
「そうか」
「で、どんな情報を知りたいの?」
「そうだな、今最も世間を騒がせている事情、表と裏の両方だ」
「表の情報で言えばあんたの死で持ち切りだけど?」
「・・・・・・そいつはいい、他には」
「そうだね、新時代のE7とか?」
「それも聞いた」
「そう、じゃあ裏の方がいいね」
「あぁ」
「大手ギルド達が【オリジン】確保にかなり活発に動いてるみたいだけど、それも知ってる?」
「なぜ、奴らはオリジンを狙ってる?」
「なんでも、オリジンの保有する無限のエネルギーに着目しているみたいだね」
「無限のエネルギーだと?」
「えぇ、オリジンは人に宿る力の根源とされるエネルギーを無限に秘めた存在だと言われている。それを欲しがっているそうよ」
「・・・・・・何を言ってるのか、まったくわからねぇな」
「HP、MP、攻撃、防御、魔力、素早さ、精神っていう七つの力があるでしょ?」
「それは知ってる」
「これらのエネルギーの源がオリジンよ、つまり、オリジンを手に入れることが出来れば各分野において圧倒的な力を手にすることが出来るという事よ」
「圧倒的な力か・・・・・・」
俺はすかさず隣で寝ているそばかす女に目を向けた。こうしてみると本当にただの女だが、その内に秘めたものはそこ知らないバケモノだ。
もちろん、いまだ疑惑の段階であり確証はないが、もしもこいつがオリジンとして捕獲対象にでもなればその疑惑は真実へと変わるだろう。
「つまり、どいつもこいつも強い力が欲しいってわけだ」
「そういう事ね、最近は前よりも物騒になってるから、かなり本腰を入れてる」
「ちなみに、あんたの隣でつぶれてるそばかすの子、懸賞金がつけられてるからね」
「・・・・・・今なんて言った?」
「だから、その黒縁メガネのそばかすの女の子だよ、見たところただの冴えない女の子に見えるけど、なんでその子に検証がかけられるんだろうね?」
「懸賞がかけられているだと?」
「そうだよ、多分その子で間違いないはずだよ、ほらこれ懸賞のチラシ」
バーバラが手渡してきたチラシに目を通すと、そこには確かにそばかす女の顔がさらされており、懸賞額は0が七つも並んだ高額なものだった。
「なんだこれは、あまりにも仕事が早すぎる」
「私もついさっき貰ったところ・・・・・・ねぇ、まさかとは思うけどその子がオリジンだなんて言わないわよね」
「さぁ、どうだろうな?」
「でも、懸賞額からして明らかに」
「黙ってろ、それより、他にオリジンについて情報はあるか?」
「現時点ではそれくらい、あとはダンジョン攻略への意欲が高まっているのは聞いた。なんでも【クイーンズルームの怪物】の調査の本腰を入れるとか、なんとかで、相当殺気立ってる」
どうやら、すべてはオリジンのために世界が動いているらしい。まぁ、明確な目的が知れただけでも十分な収穫、だが、まさかそばかす女に懸賞金がかけられているとは思わなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます