第44話欲しいもの、みお、膝枕

 chapter006


「みおってさ〜、ほしいものある?」


「ほしいもの?」


「そう、ほしいもの、例えばこんなものが欲しい〜とかそういうのがあれば聞くよ?」


「うーん……」


 ここはもう、正攻法で行くしかないと思った。

 ほしいものを聞いて、それを明日買って明後日渡す……それが一番健全なやり方だと思って……


 まあ、一番は隠してちゃんと伝えるのが一番何度けどね。

 私は生憎そういうのが苦手なのだ。

 だからここは、正直に欲しいものを聞いてどんなものを買えるかとか……色んなことを考えつつみおに尋問みたいなことをしているのだ。


 こんな可愛い尋問があってたまるかと思うけど……この場合、尋問されてるのは私だけど。


「ふぶきがほしい」


「え?」


「ふぶきがいい!」


 膝の上に乗っている神様はそんなことを言った。


 私が、いいと……

 これは、困ったな……私がプレゼントがいいというのは麻宵さんとかかなとか思ったけど……まさかみおがそんなことを言うとは……


「だめ……?」


「う……」


 ダメじゃない…ダメじゃないって言いたい……

 けど!!私を取り合うのは嬉しい、けど……でも私はできるだけ、ユイにあげたい……!!


「ふーん……」


「みお?」


「ううん、なんでもなーいけど、ユイはずるいなぁ」


「え?」


 ユイのこと……まあ、ユイは可愛いしずるいし私の事ちゃんと気遣ってくれるし、みんなのことちゃんと見てるし、作る料理は美味しいし信じられないくらいに家事は上手いし、私の事好きでいてくれるからほんとに嬉しいし……


 でも、みおがずるいなんて思うってユイもユイで愛されてるんだなってことがわかるかも。


「うちも、もっと……吹雪に愛されたいなって」


「みお……あら可愛い」


「なっ……///」


 こういう反応をするから可愛い。

 いや、可愛いというかそういう反応をするとは思ってなかったから少し驚きかも。

 うん、やっぱりこう見るとほんとに可愛い。


 みおはいつも可愛いけど、改めてこんなに可愛いところを見ると頭がほわほわしてしまいそうだ。


「ふぶきのほうがかわいいって……まよいがいってた!」


「麻宵さん……あなたはあなたで綺麗ですよ……」


「ほ〜、それで誤魔化せるのか?」


 まさか、いつの間に麻宵さんが居たのか……まあ相変わらず照れ屋さんであることは変わらないから可愛いんだけど。


「あたしを可愛いというか……残念ながら、あたしは可愛さとはかけ離れているが?」


「えー、居るだけで綺麗なのに初対面のあれを見せられて可愛くないっていう方がおかしいよ」


「ん……」


 それに、たまに麻宵さんは嫉妬するところとかあるから可愛いと思うよ?

 いや、可愛いというか可愛すぎて見惚れてしまいそう……って感じだったけど。


「ふふん、私の言うことに間違いはないのだ」


「いや……お前は可愛い、それは確実だそれ以上でもそれ以下でもない」


「誰の言葉よ……」


「そりゃあ、シャア……」


 それ以上はいけない……しかもその発した時はクワ〇ロさんだったでしょ。

 というか、最近ガン〇ム系を読ませているからか発言が登場人物に似てきたような気がする……


 クリスマスに渡す本は難しいやつにしておこうかな。


「ああ悪かった!」


「……?」


「ふふ、よろしい」


「ふう……」


 みおはなんのことかわかってないから可愛いねぇ……いや、可愛すぎて何も考えられないけれど……


「みおはいい子だな」


「まよいがいうと、なんか変」


「おいどういう意味だ」


「え?そのままだよ?」


 この子……絶対私を巡って嫉妬してるから凄い当たりが強いような気がする……

 いや、強いというのは分かっていたけれど……こんなにも、小悪魔的な感じになれるのは逆にすごい……


 恐ろしい子よ……みお……


「ふふん」


 ぎゅっと、私の腕を胸あたりに押さえつけてるあたり、やっぱり確信犯だなと思うのは気のせいだろうか……


 麻宵さんも麻宵さんでそれを見て私のところに擦り寄ってきた。

 どうやら、これは……また修羅場になるという事なのかな?


「それで、ほしいもの聞かないのか?」


「それは……別に、麻宵さんは欲しいもの分かるし」


「ふぶきそんなとこまでわかるなんて……」


「ほお、どういうのだと思うんだ?」


 どういうのと言われても……多分本とか行ってくるんだろうなぁ……ガ〇ダムの続きとか……それか……

 いや、ここはキセルを買ってあげるのもありかもしれない。


 キセルとなるとなんか


 それか、金のキセルとか……


『似合うか?』


 似合いすぎです……やめましょう。

 いや……綺麗すぎてほんとに渡していいか悩んでしまいそうになるんですが……


「何を想像した……」


「え?麻宵さんの綺麗な姿」


「ん……」


 二人とも照れることを言うと可愛い表情をしてくれそうだなぁ……

 まあ、こんなにも可愛いとなるとほんとにどうしてみおと麻宵さんは弱いんだろうか。


 いや、可愛い表情をしてくれるからこそどこか触れやすいのかなぁ……

 まあ、触れやすいというか可愛すぎるというか。


「ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ(皆どうしたんですか?)」


「いやいや、欲しいものを聞いてただけだよ〜」


「ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ(その割には皆が凄い恥ずかしそうな表情をしていますけど……)」


「ああ、それは……」


 二人を見ると顔が赤くなって……ぼーっとしてる感じに見える。

 やっぱり、可愛いのがずるいなぁ……


「可愛くなんか……」


「ない……」


「ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ(二人ともそういうところが可愛いんじゃ……)」


「「む」」


 膨れてる。

 たしかに可愛いのは可愛い……けど、可愛すぎるにも程がある……と言えばいいのだろうか。


「よい、しょ……」


「なぁ?!」


「あ、ありがと」


「えへへ……」


 今ナチュラルにみおを膝の上からどかして、私を膝枕させるなんて……

 八尺様……恐ろしい子……いや、恐ろしいけど怖すぎる……


 多分私のことを考えると私しか考えられないということか……

 やっぱり、八尺様の欲しいものは私、ということになるのかな。


 でもそれ以上に……


「膝枕……いいな」


「えへへ……よか、った」


「だけど、こんなにも気持ちいいとは……」


「ぽぽぽぽぽぽぽ(頭撫でますね)」


 やっぱり……こういうのがいいんだ……いや、このまま撫でられるのは嬉しいかな……

 ずっとやられたい……ずっと、このまま……ユイにもやられたいかもな……


「気持ちいい……」


「ふふ、よか、ったです」


「もっとしてぇ……」


 と言うと、もっともっと……優しく撫でてくれている。

 これは……ほんとに優しすぎる……八尺様はほんとに私のこと好きすぎだねぇ……


 でも、ユイももっと素直になってこういうことやってくれればいいんだけど……


「ぽぽぽぽ(吹雪さん?)」


「ん?」


「ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ(ユイさんにやって欲しいなとか思ったんでしょ)」


「なっ……」


 バレてる……だと……そんなはずない……八尺様は心を読むようなんてこと……


「わかりやすいもん……ずるい」


「ああ、たしかに分かりやすいな」


「あう……」


 これは……まあ、明日……か。

 明日にでもユイの欲しいものとあやの欲しいもの……あとは、翼委員長の欲しいものでも聞いて……買うしかないか。


 家族が笑顔になってくれるのなら……私はそれだけでいいんだけどね。

 この、最高の景色をずっと見ることができるのであれば……ほんとに、それだけでいい。


 そうだ、後輩ちゃん達にも……連絡しておこうかな。



 to be continued

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