手紙を贈りたくて…

俺は全速力で走って学校の門の前まで向かった。


母校が見えてくると、影山と佐々木がなんだか楽しそうに喋って門の前に立ってるのが見えてくる。


「はぁ…はぁ…佐々木先生…影山先生…久しぶりです…はぁ…」


俺が息を切らして合流。


『おぉ〜もしかして田中か⁇久しぶりだな〜今日同窓会だったのに忘れてたのか⁉︎』


最初に佐々木が話しかけて来た。


「仕事忙しくて忘れてましたテヘヘ…て言うか影山先生も呼ぶんならそう案内に書いて欲しかったっすよ…」


『そうだよな〜なんかサプライズだからって言われてて、黙ってたんだけど悪かったな逆に…俺も影山が来てくれるなんて思ってなくてさ…ありがとな〜直人〜♪』


もうすでに酔ってんのか佐々木は上機嫌に影山先生の肩に腕を回し抱きついた。


『重いっすよ佐々木さん…また太りました⁇』


影山は重そうにしてる。


『それを言うなよもう…じゃあ俺はもう帰るなぁ〜影山がお前に会いたかったみたいで、来るまで話し相手になってくれって言われてさ…と言うかもう連絡先も知ってる仲になってたんだなびっくりした。では、ドロンしますわ…』


佐々木は若干千鳥足で、駅のある方へと去っていった。


「カゲヤマァナオトォ⁉︎余計なこと仲田に言っただろ⁇さっき店に来て騒ぎになりそうだったんすけど⁉︎」


俺は早速さっきまでの出来事に怒った。


『え⁇ごめん…同じクラスで仲が良かったとか彼が言い出したもんだからつい教えたんだけど、会いたくなかった⁇』


「ったりめぇだ‼︎と言うか仲良くないよ。あいつ俺のこと目をつけていじってたんだぞ当時⁇」


影山はびっくりした表情で、なんだかとても申し訳なさそうに俯く…


『そうなんだ…なんかごめんな…俺担任として受け持ってたわけじゃないから普段の様子とか知らなくて…まんまと騙されたってわけか…』


「ならしゃあないっすけど…」


そう言われちゃったら許すしかない。


「で、佐々木とは何話してたの⁇」


『たわいもない思い出話だよ…あっ…そういや田中に謝っといてって言われたなぁ。お前が俺への手紙を卒業した後も持ってここに来たこと今の先生達から聞いたらしくて、勝手にいなくなってたこと知らせてなくてごめんねって…』


佐々木…その話聞いたんだ。俺の最後に渡そうと思った手紙のこと…


「あの…あのさぁ⁉︎直人…その手紙まだ取ってあるからさ、良かったら俺の家に取りに来ない⁇」


『またお邪魔していいの⁇帰れなくなっちゃうから、泊まってもいいのまた⁇』


直人はなんだか嬉しそうに返して来た。


「帰りたいなら貰うだけもらって急げばいいんじゃね⁇」


俺はツンとして言う。


『今日も会えるって思ってたからさほんとは…話したかったし…ゆっくりお邪魔させてもらえる⁇嫌ならいいんだけど?』


「別にええけど…じゃあ行こ…」


俺は思わず直人の手を引き自宅への道を歩く。

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