第30話 ルークと神の炎
世界の創造。それは己の魔法の世界を構築する能力。そして、想像された世界は、それ全てが魔法である。
この創造された世界の中にいる人は、魔法の中にいるのも同義と言っても過言ではない。
つまるところ、ルークの無属性なんて意味がない。その世界すべてから守ろうとするならば、膨大な魔力を消費しなければならない。否、それで足りるとも限らない。
世界の創造とはそういうものだ。壮大で、無慈悲で、最強の支配する力。
もし、これに対抗しうる何かがあるとするならば、寝ているフラマが起きてルークに協力するか、第三者の侵入だ。または、そのどちらとも。
だが、外部から侵入しようにもそんなこと一部の人間にしかできない芸当だ。
世界に生える葉を探し当てて、そこに行く能力がいる。
だから、ルークはその一握りの可能性に賭けた。
「起きろ、フラマ!!」
だが、その呼び声にフラマはびくともしない。
「はぁ、そんなもので起きるはずもないですよ〈閃光〉」
ステラは、光となって飛ぶ。そして、カテーナによってルークは世界の果てまで吹き飛ばした。
ステラは、すぐに世界の果てまで追いついてきた。
「〈アルバ〉」
ルークは、〈アルバ〉をステラに放つ。
この前は〈アルバ〉を無属性魔法としか言わなかったが、今その真の能力を伝えよう。
〈アルバ〉の意味は、「夜明け」や「白」といった意味がある。その意味の通り、無に帰す。
魔法も呪も全てを消し去って、明ける。
ステラは〈アルバ〉をカテーナで跳ね返そうとする。
ルークが指す手がステラには分かる。だから、そこにカテーナを持ってくればいいだけだ。
「それの対処法は分かっていますよ。圧倒的な光魔法であれば、〈アルバ〉すらも跳ね返すことが可能なのです」
「はは、それがどうした!!」
ルークは光の魔力をさらに流し込んで、そのままステラの背後の方に飛ばした。
そこにいたのはフラマだった。
〈アルバ〉はフラマにぶつかる。そして、疲労等のみだけが消し去られた。
消去する力に浄化する光を詰め込むことで、条件を絞り込み、それに対する威力を高めたのだ。
ここで高めた力というものは、回復や浄化の力だ。
フラマはすぐにでも目を覚ました。
辺り一面を見渡して、最後にルークとフラマを交互に見た。
二人とも、攻撃が当たるか当たらないかの距離で攻め合っている。その上、この世界は魔法だとフラマは認識している。
そのため頭に浮かぶものは、疑問。
己がどちらに着くべきかという「疑問」だ。
この答えに正解等はない。ただ、あるのは正義と欲のみだ。
「〈ルミネ・イグニス〉」
光り輝く炎は、ルークとステラを燃やすべく放たれた。
「なっ⁉〈アルバ〉」
まさか自分が撃たれると思っていなかったルークは、驚きを隠せず口を少し開けて、驚きの声が喉の奥からこみあげた。
逆に、その炎を難なく避けたステラはそれを利用しようと試みる。
「フラマ、助けてください!!ルークが、彼等クレイジー・サーカスに協力しているんです!!」
ルークは、こいつ何言っているんだろうかと思う。裏切り者はお前だろう?と。
だが、フラマは簡単にその言葉を信じてしまったのだ。否、言葉に洗脳の魔法を乗せていた。
ルークとて、それに気づく。
「ステラ!また、やりやがったな!!」
ルークはステラに向かって咆える。だが、そんなものにステラは振り向きすらしなかった。
「〈神よ、我に炎の加護を、好みが燃え尽きたとしても、邪を燃やし尽くそう・イグニート〉」
フラマの髪は黄金に燃え上げ、瞳にも炎がともる。
息を吐けば、浄化の熱い熱を吐く。
この力は、フラマの持つ魔法で最も強く危うい力だ。
本当の神の炎を己の身に宿すことで身体能力、魔法威力、その他もろもろの能力を高めるのだ。
「まさか、そこまで本気で来るとはな」
フラマは炎の剣を作り、突っ込んでくる。
目の前に来た時に〈アルバ〉を発動することで、炎を消す。
だが、熱気によって火傷しそうなほどだった。
これを身に宿すフラマはなおのこと辛いだろう。
「なぁ、フラマ!聞いてくれ!!」
「裏切り者に慈悲などありません!!」
ルークの話は聞かず、神の炎を振るう。
ルークはそのまま、フラマの停止に追い込もうと〈アルバ〉を起動する。
だが、それを読んでいたステラは先回りをしていた。
「さぁ、やってください。フラマ」
フラマの魔法がルークに直撃する。フラマの対応に魔力を割いてしまったがたために、威力を少ししか殺すことができなかった。
「ぐあぁぁぁぁぁ!」
ルークは、死ぬことを恐れ回復魔法を自らにかける。
「フラマ、自由に戦ってください。私がサポートします」
フラマのような暴走に近しい自強化とステラが組むと、それはもう蹂躙の様であった。
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