ハッピーエンドを迎えた後、攻略した激重ヒロインたちに閉じ込められてしまいました。
とおさー@ファンタジア大賞《金賞》
1章:島から出ようとしたら監禁されてしまいました
プロローグ
正直に言うと、ハッピーエンドを迎える可能性は限りなく低かった。
なぜなら俺が転生した世界は鬱ゲーだったからである。
『黒潮、大蛇、祈りの島』
四国の孤島、『黒潮島』を舞台にしたこのゲームは、美しい海や広大な自然に彩られた楽園のような島で、特殊な事情を持ったヒロインたちとの交流を描いていく物語――の皮をかぶった鬱ゲーである。
キラキラとした日常など存在せず、因習や神隠しの呪い、風土病、御三家の血筋など、島特有の閉鎖的な価値観に縛られた救いのない話が続く。
なぜ救いがないかって?
――それは必ず一人のヒロインを選ばなければならないからだ。
ヒロインは三人。
血の繋がりはないが、物心ついた時から一緒に暮らしている一つ年下の妹――
普段はあざといが、島の養護施設育ちで、誰よりも愛情を求める後輩の女の子――
島を支配する御三家の族長の娘で、次期当主。巫女として島を守る役割を担っている本作のメインヒロイン――
彼女たちはそれぞれ、島の差別、孤独、呪いに苛まれ、原作では必ず悲惨な末路を迎える。
個別ルートはともかく、トゥルーエンドですら、たった一人のヒロインを選び、残りを切り捨てる選択肢しかなかった。
つまりこの物語にハッピーエンドは存在しないのだ。
でも、俺はそんな未来が許せなかった。
全ルートをクリアしている俺であれば、ゲームの結末を変えることだってできると、そう信じていた。
彼女たちの涙も、絶望も、すべてひっくり返して、全員を救う。
――原作には無かった選択肢を俺は選んだ。
そして掴み取った。
島の因習を打ち破り、ヒロインたちの心を救い、ついに全員救済のハッピーエンドにたどり着いたのだ。
――そのはずだったのに。
「約束しましたよね? お兄ちゃん、ずっとそばにいてくれるって」
「先輩、わたしを捨てないでくださいね?」
「私たちは誓った。死ぬまでこの島で共に生きるって」
彼女たちの声は、甘く、甘く、それでいて重かった。
どうやら救った代償でヒロインたちは病んでしまったらしい。
これは、ハッピーエンドのその先の物語。
エンディングを迎えたはずの俺が、攻略した激重ヒロインたちに閉じ込められてしまう、そんな物語だ。
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