第2章 アリーの過去と精霊界の召喚

1話 記憶の断片

 王宮の夜。

 精霊アリーは、夢の中で見知らぬ風景を見ていました。

 それは、精霊界――かつて彼がいた場所です。

 そして、そこには「禁忌の契約」の契約が眠っていました。



「……この感覚……懐かしいようで、苦しい……」

 精霊の魂は、遠い記憶を映しているのでした。



 王女アミーナが、不安そうに声をかけました。

「アリー、顔色が悪いよ。……精霊にも顔色ってあるの?」

「姫様……、少し、思い出したことがありまして」

 アリーの声は、いつもより少しだけ震えていました。



 アリーは、こう語りはじめました。

「かつて私は、精霊界で……ある契約を破ったのです」

「契約って……精霊界」にも、罰があるの?

 アミーナは、初めて聞く精霊界の掟に、静かに耳を傾けました。



 そこへ突然、サウンドオンリーで声が聞こえてきました。

「アリー・ラフィエル。精霊界より召喚命令を受けた。」

 見回して声を探すアミーナ。

 アリーのほうは、知っていたかの様子。

「……来たか」

 今回の物語が、静かに動き始めました。

 過去の現在が交差する時が、訪れたのです。





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