第7話 大事
「あ、あのっ!何見てるんですか!」
静かな図書館に少女特有の甲高い声が響いた。周囲の人間が一斉に注目するのを感じ、エリーはナルノ人の少女に向かって指を真っ直ぐ立てて口元に当ててみせる。
「静かにできる?」
「あ、ご、ごめんなさい!」
またもや大きな声が響き、人々は迷惑そうに顔を歪める。エリーは本を閉じて立ち上がると、少女に手招きした。
「ついてきて」
エリーは人気のない道に繋がる図書館の出口をくぐり、少女を振り返った。
「あなたはこの前のお嬢様ね。私に何か用かしら?」
少女は口をもごもごと動かし、小さな声で言った。何か言っているのはわかるが、内容までは聞き取れないくらいの声量だったので、エリーには何を言っているかわからなかった。
「…あー…ごめんなさい。耳が悪くて聞こえづらくて」
エリーの言葉に半泣きになると、少女は声を振り絞った。
「お嬢様じゃなくて、アマンダって言います!」
「あぁ、そう。アマンダさんね。それで…」
「アマンダです!」
勢いに押され、エリーは諦めた。
「…アマンダ。私に何か用かしら」
アマンダの表情が輝いて眩しい。彼女の愛らしさに、エリーは目が潰れるような錯覚に陥り思わず目を薄くした。一方問われたアマンダの方は恥ずかしそうにもじもじとしている。落ち着かないのか手の指を絡めては離し、また握るのを繰り返しており、彼女の目はエリーと目を合わせないように四方八方を飛び回っている。しかし意を決したのか、アマンダは真っ赤な顔でエリーの目を見て叫び出した。
「あっあなたのことが、知りたい…ですっ!」
「私を?」
そんな言葉が出てくるとは予想していなかったおかげで、エリーの頭も混乱する。
二人はハンカチを拾っただけの関係だ。何故わざわざ図書館にいるエリーを訪ねて“知りたい”と思うのかわからない。
重い沈黙が流れると、アマンダは今にも泣きそうな顔をした。エリーは彼女を泣かせないよう慌てて口を開こうとするが、男の声に遮られてしまった。
「エリー。勝手に外に出ないでください」
レンはエリーの居場所がわかるらしい。だからこそ急に走ったり離れたりすれば、誘拐を恐れてやって来るのだ。
「大丈夫よ。追手じゃなくてこの前のお嬢様」
そう言ってアマンダを紹介する。アマンダはレンとは上手く話せないようで、居心地が悪そうに目を逸らして一言も発しなかった。その様子にレンが眉を顰めたことに気付くと、エリーはレンを睨んだ。エリーよりも小さな女の子に対して大人気ない対応をするレンのナルノ人嫌いにはうんざりだ。
睨まれたレンはいつも通り居心地の悪さを表現しているが、アマンダに対して何か思うことがあるようだった。
「もう。言いたいことがあるんならさっさと言いなさい」
エリーに急かされてやっとレンの口が開かれる。
「いえ、その…昨日のゴーレムの男はどうしたのかと」
エリーはアマンダを見た。良い家のお嬢様ならば、確かに一人でこんな所に来るわけがない。護衛が必要だ。
「そ、それは…」アマンダが口を開いた。「会いたくて…お父様にバレないように、ニャダラに誤魔化してもらってるの!」
「ニャダラって…それが昨日の執事さん?」
「そうです」
しかし、エリーは手を顎に当てて考えた。
「でも、護衛なしなんて危ないわ」
「大丈夫です!」
アマンダは目を輝かせて服についていたポケットから紙切れを取り出した。その紙には妙な模様が描かれている。エリーの横からレンが紙を覗き込む。
「魔術の類か?」
アマンダはレンを見て不機嫌そうに眉間に皺を寄せたが、エリーの視線に気付くとすぐに答えた。
「空間転移魔術なんですよ。これを破ればどこにいてもニャダラがここに来てくれるんです」
「どこにいても?」
エリーの目が見開かれた。スドゥの時といいバルガスの時といい、エリーが危ない目に遭うのはレンと離れている時が多かった。危険な目に遭わされそうになった時に紙を破るだけでレンを呼べるなら、旅の心配が一つ減る。
「ねぇアマンダ。それどうやるか教えてくれないかしら?」
エリーの言葉にアマンダは顔を輝かせ、レンは驚愕した。
「エリー!この娘は良い家の子供なのでしょう?持っているもの全て金のかかるものなのではないのですか?」
レンを無視してアマンダはエリーの手を握った。
「あなたの頼みなら私、喜んでお教えします!でも私自身はあまり魔術に詳しくなくて、この紙も偉大な魔術師であるお父様が私のためにこしらえてくださったものなんです。家に沢山の魔術書と材料が揃ってますから、お時間が大丈夫ならぜひいらして」
レンの表情が更に曇る。“本が部屋にあるから来い”と言われて一度スドゥに騙されているからだった。エリーもレンの表情が強張ったことに気付き、慎重に悩み始める。
「魅力的なお誘いね。とっても気になるわ。でも…そうね、それならこの人ともう一人の男の子を連れてきても良い?友達なの」
その言葉の中からスドゥへの信頼を感じ取ったレンは、更に不機嫌になってしまった。
「スドゥもですか?ここで調べ物をさせておけば良いじゃないですか」
レンがそう言うと、アマンダの表情が驚きに染まった。黄色い瞳が真ん丸に見開かれ、その顔には拒絶の色が表れている。
その時、図書館の扉が開いて誰かが近付いてきた。その少年は不機嫌そうに本を片手に抱え、人差し指を立ててレンとエリーに文句を言った。
「誰の為に本を漁ってると思ってるのさ?レンまで近くにいないんじゃ高い場所にある本が取れな…」
スドゥはそう言いながらアマンダの姿を見た。その瞬間、二人とも悲鳴をあげて騒ぎ出した。
「アマンダ!?引きこもりのくせになんで外にいるんだよ!」
「きゃあっ!汚い鼠がいる!エリー様、危ないですよ!」
反応からして二人に面識があるのは確実だ。レンはエリーを庇うように前に進み出る。スドゥはアマンダの発言に引っかかって尋ねた。
「エリー“様”だって?」
少年が目を見開くと、アマンダは頬を膨らませた。
「何よ!男の子っていつも私を馬鹿にして嫌だわ!」
「ばっ…馬鹿にしてなんかないだろ」
「エリー様と仲良くなりたくてお家に来て欲しいだけなのに、何が悪いのよ!」
「へっ?」
「えっ」
「は?」
三人とも思わず困惑の声を漏らした。おかしな事を言い出した当の本人は今にも泣き出しそうに顔を歪めて耳まで真っ赤にしている。その様子にさらに困惑が膨らむ。
「えっと、なんて?」
スドゥに聞き返されたのが気に食わなかったのか、アマンダは涙をこぼしながら怒鳴った。
「エリー様と仲良くなりたいの!悪い!?」
「え、いや…」
「顔も綺麗で中身も素敵なんだから好きになるに決まってるでしょう?正直、あんた達みたいな汚い男がエリー様みたいな素敵な女性と一緒にいるのがすごく気に食わない!」
「汚い…!?身なりを整えたのにまだ足りないというのか?」
レンがショックを受けているが、彼は少しズレていた。そんな彼を無視してエリーは小さく尋ねる。
「スドゥ。彼女フェリックスの知り合いなのね?」
「あぁ」スドゥは頷いた。「アントニオと同じ、フェリックスの贔屓客で…」
スドゥがそこまで言うと、アマンダが甲高い声で怒鳴った。
「あんな異常者と一緒にしないでくれる!?私は小さい女の子だったら誰彼構わず好きになる見境のない男とは違うのよ!」
「いやいや、君も十分異常者だからな?」
「うるさい!私は一途だしあいつみたいに死体を冒涜して弄んだりしないわ!」
「闇商人から人体買ってる人を世間では異常って言うんだよ。人体パーツ収集とかまともな人間がやるわけないだろ」
スドゥが休む間もなく言い返すせいで、アマンダは地団駄を踏んで癇癪を起こし始めた。
「ひどいひどい!なんでそんな事言うの?やっぱり男なんて大嫌い!」
そう言う彼女の手には例の紙が握られており、今にも破ろうと持ち直している。
「まずい、ニャダラが来る!」
紙が破られる。紙は燃え上がって大きな炎となった。その炎は大きく揺らめき、強い熱風を巻き起こした。レンはエリーを庇うように抱きしめる。
熱風が収まってからアマンダがいた方を見ると、そこには恐ろしく長身で細身の執事が立っていた。
「スドゥが私をいじめた!ニャダラぁ!」
「おやおや」
ニャダラは閉じられていた瞼を片方だけ開け、三人を見つめた。
「エリー様と一緒にいるということは、あの方を裏切ったんですね。ならば手を出しても怒られないという事」
ニャダラの目は細められ、彼の顔には不気味な微笑が張り付いた。
「旦那様にホムンクルスを献上したら大層喜ばれることでしょう」
目の前のゴーレムから発される圧はとても強く、体が強張ってしまうほどだった。昨日見た穏やかで紳士的な彼とは打って変わって、今の彼は明らかな敵意を持って三人を見ていた。しかし、そんな時でもスドゥの口は閉ざされない。
「確かにフェリックスは僕に怒ってるだろうけど、僕を私物化したら君達にカンカンになるだろうさ!」
ニャダラは鼻で笑った。
レンは前に進み出ると、彼と向かい合って拳を構える。
「どうも、土のゴーレムさん。レン様と言いましたっけ」
「どうでもいい。エリーを私から遠ざけるつもりなら容赦はしない」
レンが戦う気になるといつも重苦しい空気が漂い始める。剣呑な雰囲気に気付いた街の子供達がこちらを見て騒がしくなり始めるが、二体のゴーレムは動じない。
スドゥがエリーの手を握って走り出すと、背後から困惑したレンの声が聞こえてきた。スドゥは振り返らなかったが、心配になったエリーは後を振り返った。
「少々手荒になります。すみません」
エリーの目の前にはニャダラの顔があった。その不気味さに恐怖を覚えると同時に、レンはどうしたのかという不安が彼女の胸を埋め尽くす。
瞬きの間にスドゥの腕から引き剥がされ、エリーはニャダラの肩に担がれていた。その時にレンの姿が見えた。彼は地面に倒れているが、ただ倒れているのではなく、体の前半分が黒く変色しており、シャツが燃えていた。
「レンに何をしたの!」
「あぁ、少し私の“体”に触れていただいただけですよ」
そこで民衆から歓声が上がった。
「さすがサミージュ様が作った“炎のゴーレム”!どんなゴーレムよりも強いぞ!」
エリーは耳を疑った。ゴーレムは土でできているものだと思っていたが、炎で出来たゴーレムが存在するのか。
「レン!しっかりしてよ!」
いつの間にかレンに駆け寄っていたスドゥが彼を起こそうとして体を揺する。すると黒く変色した部分が崩れ、レンの顔や腕が地面に落ちた。
絶望がエリーを襲う。恐怖が体を支配し、底の見えない絶望が重くのしかかる。息が苦しくなって呼吸が激しくなる。
“また”置いていかれる。
「おや、エリー様?大丈夫で…」
ニャダラが言い終わる前に、エリーの肘が彼の後頭部に直撃した。その拍子に印が掠れ、ニャダラの体が崩れる。レンが崩れた時とは違い、ニャダラの体は炎になって崩れた。
エリーは地面に落ちると、炎をその目に捉える。炎の中にきらりと光る何かがあった。魔術石だ。
「ニャダラ!」
アマンダが駆け寄ってくるが、エリーはかつてスドゥにしたようにアマンダの腕を掴み、彼女の体を持ち上げて勢いのまま地面に叩きつけた。地面が肺のある場所に直撃したせいで、彼女は悲鳴すら上げることもできないまま顔を歪める。それを見て子供達の息を呑む音が聞こえた。
「お嬢様に何してんだ、このフェルモマ人!」
大きな批判の声が聞こえるが、エリーがそちらを睨みつけると声が止んだ。彼女の目には激しい怒りが燃えて血走っている。その目を少女がして良いものと形容するのはお世辞でも出来ない。
アマンダは力を振り絞ってニャダラに近付こうとするが、伸ばした手はエリーに踏みつけられて地面に擦り付けられる。
「いたい!やめてください!」
「先に手を出してきたのはあなた達の方でしょう。私は悪くない」
そう言うと、エリーはニャダラの核に近付いた。ニャダラは頭部のみを人間の形に戻していたが、エリーはすかさず印を消し、炎に戻ったニャダラに足を振り上げ石を砕こうとしたその時だった。
「何してんだ!」
騒ぎを聞きつけた街の大人がエリーの腕を掴んだ。
「サミージュ家の所有物を壊したらどうなるか!」
「触らないで!」
「やめなさい!」
まだまだ細い少女の腕には大人を凌ぐ力などなかった。エリーの血走った目が殺意を宿す。スドゥはそれに気付いて声を上げた。
「や、やめっ……!」
突風が巻き起こったと思うと、エリーの腕を掴んでいた大人が遠くに吹き飛ばされていた。
「エリーに手を出す輩の排除は私の役目ですからね」
「レン!」
見上げると、まだ黒く変色して回復していないレンが立っていた。エリーに微笑んでいた彼だったが、不意に目を見開くと膝をついてしまった。
「大丈夫なの!?」
「あれはただの炎ではありませんね…威力が強いのか、私の体を構成する水分を飛ばして土を溶かしてしまうらしい」
「もう戻らないの?」
「一度溶けてしまったものは捨てるしかありません。新しい土を取り入れないと」
「そんな…」
二人が話している間にニャダラが立ち上がった。彼も足取りがおぼつかないようで、姿勢の良かった彼の立ち姿は負傷した人間のように頼りないものになっている。
「印を解かれると、困るんですよね…」
ニャダラは苦しげに笑うと、手を前に出した。その手からどこからともなく細長い棒のようなものが出現し、それはみるみるレイピアの形を成した。まだ戦う意志がある。
レンは何も言わずにニャダラを見つめていたかと思うと、突然ニャダラの眼前に迫っていた。
(速い…!)
レンは固まったままの黒い拳をニャダラの頭部に振り下ろす。あまりの速度に反応できず、ニャダラはされるがままだった。
「正体がわかれば貴様に勝ち目はない。貴様のような若造が、無謀にもこの私に手を出したのが全ての間違いだ」
ゆっくりと低い声で話すレンに、スドゥは恐ろしいと感じるばかりだった。レンに殴られる度に形を崩し、人間の姿に戻ればまた殴られるのを繰り返す炎のゴーレムは、目を逸らしたくなるほど哀れだった。その光景はアマンダには勿論辛いもので、彼女は泣きながらやめてと懇願を繰り返していた。
「やめてください、お願いします、お願い…」
「なんで?」エリーが言った。「元は先に攻撃したあなた達が悪いでしょう?レンが死んじゃったと思った私の気持ちは考えないくせに、自分は泣いて懇願して、馬鹿じゃない?」
「ごめんなさい、ごめんなさい…」
スドゥは混乱した頭で必死に考えた。アマンダのことは好きではないし、フェリックスの贔屓客ということはエリー達の旅には邪魔になる。フェリックスに渡すつもりはないらしいが、彼女は人体収集家なのだ、エリーに何をするかわかったものではない。しかし、今はあまりにもアマンダとそのゴーレムが哀れに思えた。
ニャダラが悪い奴ではないのはスドゥが一番知っていた。彼は主人が大事なだけだ。アマンダは子供だから行動が幼稚で、こんなことになるなんて思っていなかっただろうし、今までの付き合いの中で知っていることだが彼女には悪意がない。エリーに興味を持って話しかけたのは本当だろう。しかし、たった今圧倒的な強さの前になす術もなく蹂躙されている。
「レン。やりすぎだよ。もう二人とも抵抗する気失せてるでしょ」
できるだけ明るい声音で言うのは、強者の機嫌をこれ以上悪くしないためだ。
レンは動きを止めるとスドゥを一瞥した。その途端、彼はいつものように情けない拗ね顔を披露した。
「なぜお前に指示されなければならないんだ」
不機嫌そうだが恐ろしさはない。スドゥに揶揄われた時に拗ねるいつも通りの顔だった。レンはその顔のままエリーの方を向いて尋ねた。
「エリー。この二人、どうしますか」
声をかけられたにも関わらず、エリーは振り返らずアマンダを凝視したままだった。懇願する少女は哀れに思うほど沈黙に震えている。
エリーはアマンダに言った。
「あなたもニャダラが死んじゃったって気持ちになればいいんじゃない?それで平等でしょ」
その声には温度がなく、どこまでも無機質な声だった。アマンダはびくっと肩を揺らすと、恐る恐るエリーを見上げた。
「い、嫌です。私、ニャダラがいないとダメなんです。家族なんです…お願い…」
エリーはまだ沈黙したままだったが、やがて振り返ってレンを見た。
「まあ、このくらいにしてあげましょう。私は優しいから」
スドゥは安堵に胸を撫で下ろした。レンは物足りなさそうに手をぶらつかせ、口を尖らせた。こうして三人はこの街でも大きな騒ぎを起こしたのだった。
エリーはアマンダとニャダラに情けをかける代わりに何も描かれていない紙切れを要求し、スドゥに預けて街を発ったのだった。
一行は街を出ると、偶然森を抜けようとしている芸人の荷車に遭遇した。スドゥが交渉すると、親切な彼らはタダで載せてくれると言った。三人は無賃で荷車に乗ることに成功した。
荷車に揺られていると、エリーはスドゥの隣に座って話しかけた。
「あなた、レンを呼ぶ紙作れる?」
「あぁ、転移魔術か。この前の紙切れってその為に要求したの?」
「そうよ。お金は節約しなきゃ」
「無料で貰えるものは貰う…うん、君って商人に向いてるよ」
「ならないわよ」
「はは」
二人が笑い合っていると、のそりと起き上がって二人の間に首を突っ込んでくる男がいた。
「ねぇエリー。聞きたいことがあって」
「何?」
レンは嬉しさを隠しきれず、にやけながら言う。
「私が死んだと思って悲しかったんですか?」
エリーが溜め息をつくと、レンはさらに調子に乗った。
「旅を始めた最初の頃はあなたに嫌われていると思っていたんですが」
「まぁ、好きじゃなかったわ」
「でも」レンは嬉しそうに笑った。「好きになってきたでしょう?私のことが大事ですよね?」
「えぇそうね。私を置いて先に死んだら許さないから」
エリーは真顔だったが、レンの口角はそれはもう幸せそうに上がった。
「えぇ、えぇ!死にませんとも!あなた以外とは、ね。ふふ!」
面倒な彼女とクールな彼氏みたいだと思ったが、冷静に考えて何を見せられているのかわからない。スドゥの目は死んだ。
「ロハンネ人の顔をした顔に印のないゴーレム。しかも恐ろしく強いらしいですよ。その街で一番の実力を誇っていた炎のゴーレムが圧倒されたらしいです」
声の高い青年が言うと、顔に印のある少年が口を開いた。
「それは『ケンガシュレッド』で暴れたゴーレムと同じなのか?」
少年のような見た目をしているにも関わらず、彼の声は低く口調は古風だった。そんな少年に惚れ惚れして、青年は話を続けた。
「ケンガシュレッドでは金髪と黒髪のゴーレムが目撃されています。おそらく黒髪のゴーレムと同一の個体である可能性が高いですね」
「黒……そうかそうか。よくやった」
少年に褒められ、青年は頬を染めて喜んだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます