第2話クラス発表

学校に到着すると、掲示板の前はすでに多くの生徒が集まっていた。


「うわ〜、すごい人だね~!やっぱみんなもクラス発表気になるよね〜」


「とりあえず俺らも見に行くか」


「了解しました!」


なんで俺に敬礼してるんだよと思いつつ、背伸びしながら見ようとすると


「あ~もう!皆の背中しか見えないよ~!」


確かにあかねは身長が高くないからこの場所では見えないか...


あかねの分まで探す。


「ふんっ!ふん!」


頑張って見ようとあかねがジャンプしている。かわいい


とは思いつつもけっこう楽しみにしていたクラス発表が見れないのはかわいそうなので前に行くとする。


「前でみようか」


俺がそう口にすると間髪入れずにあかねが答える。


「そうしましょう!!隊長!!」


まったくどれだけみたいのやら?ってかそのノリはいつまでやるのだろうか。隊長になった覚えはないんだが...


まぁそんなことはさておいて掲示板を見に行こうとすると聞きなれた声がする。


「お~そら、もう来てたのか~。俺ら一緒のクラスだったぞ~」


「おはよう、あかね、空くん。そうそう私たち一緒のクラスだったよ。」


そういって話しかけてきたのは晴人(はると)と光(ひかり)。二人は俺が知る中では生粋の陽キャでコミュニケーション能力はあるし運動はできるし何より性格がいい。この二人付き合っているのだが本当にお似合いのカップルだ。


「おはよう二人とも」


「おはよう!ねぇ私は!私も一緒だよね!!私だけ仲間外れじゃないよね!!」


朝の態度とは裏腹になんやかんやあかねは皆と一緒のクラスになれるか心配だったようだ。


「大丈夫だってあかね、"私たち"一緒のクラスって言ったでしょ?」


「良かった~、私だけ仲間外れだったら寂しくて死んじゃうところだったからね~」


「うさぎかお前は」


皆一緒のクラスであかねもうれしそうだ。実際、俺も話せる相手がいることに安堵している。


「いや~にしても去年に続いて今年も一緒か~、運がいいねぇ~」


晴人がケタケタ笑う。


「また四人で一緒に過ごせそうでよかったね」


光がきれいな笑顔で微笑んでいる。俺もその顔をみてうなずいているとあかねがこっちを向いている。少し不満があるのだろうか?よくわからないが。


「晴人と光って本当にお似合いだよね〜。二人が一緒にいるの見てるとなんか青春だなぁ~って思うよ!!」


あかねが無邪気にそんなことを言う。確かに、二人が並んで立つ姿は美男美女のカップルそのものだった。


「まったくその通りだな。俺みたいな日陰者と一緒にいていいのかって思うぐらいにな」


割とちゃんと思っている。正直二人と一緒にいるというだけで本来低いはずのクラスカーストもなんとなく高くなっている気がするし学生生活も快適に過ごせているといえる。少し申し訳ないぐらいだ。あかねにも同じようなことを思っている。俺と一緒にいると活動の幅も狭まるだろうし本当は一緒にいないほうが良いのではないだろうか。まぁそんなことを口にしたら本気で怒られるんだけどな。


「おいおい空。俺らはお前と一緒にいるのが楽しいから一緒にいるんだぜ?そう自分を卑下するなよな。

それとお前らにそう茶化されるのは違うんだよな~...お前らのほうが青春してるだろ!!」


「まったくその通りだね。二人を見てるととても微笑ましいんだよ?」


「ちょっ!!だから空とはそういうのじゃないんだって~!!」


二人に茶化されてしまう。あんまり俺とのそういうので言われるのはあかねがかわいそうなので反論しようとするがその前にあかねが反論してしまった。それはそれでちょっと悲しい。


そんなこんなしていると時間が過ぎていくので教室に向かう。


「はいはいその辺で。ここにずっといるのも邪魔になるし新しい教室も覚えなきゃだし早くいくぞ~」


「「は~い。」」



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~放課後~


「それじゃこれからはこのクラスの仲間と一年間過ごしていくんだからな~。仲良くするように。それじゃ

、解散!」


担任のあいさつ、自己紹介などなどHRも終わりクラスメイトがぞろぞろ帰り始めていく。


「じゃ、俺たちも帰るか~」


晴人が軽やかに言うと、あかねが少し困ったような顔をした。


「あ...私、バスケ部は式の準備と片付けで残らないといけないから...」


「あー、そっか。入学式の準備もあるもんな」


俺が納得していると、晴人がにやりと笑った。


「じゃあ空はもらっていくな〜」


「もう!!そんなんじゃないよ!!」


あかねが慌てたように顔を赤くして否定する。でも、その後小声で俺たちに聞こえないように呟いた。


「でも...放課後...」


その表情は少し寂しそうだ。そんなに四人で帰りたかったのか?まぁあれだけ皆と一緒になりたがってたから無理もないか...


「ほらあかね、また一緒に帰ろうな」


「う、うん...」


まだあかねは顔が赤いままだった。


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~帰り道~


「じゃ、二人ともまたな」


「おう!またな!」


「またね!あかねに優しくしなよ~」


「はいはい、ほんじゃ」


空と別れて二人でまた歩き始める。


「なんであれで付き合ってないんだろうな~」


「ほんとにね~あんなラブラブなのにね~不思議だ」


光はいぶかしんだ表情をしている。俺だって不思議に思う。


「正直私たちより仲いいもんね~」


「あ~あ~羨ましい限りだね」


別に仲が悪くなっているわけではない。あの二人が仲が良すぎるという話だ。


「あっあそこのカフェ新しくできたところなんだよね~、行こうよ」


「お~そうだな。俺いま金持ってねぇから割り勘だけどな~」


「さすがにそれはね。おごってもらうほど図々しくないよ」


俺たちもまた歩いていく。


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