第12話 部下って? 何?
湖畔・キャンプ場を背にした平地から……部下らにレーザーガンを向けられた一般人9人が湖に向かって歩きはじめる……。
「待て! 俺は所轄署捜査課主任の神田だ。(拡声器片手に、空いている方に手でフォルダーネックの警察IDを見せて)君たちは完全に包囲されている。人質を解放し、大人しく投降しなさい!」と今時カジュアルビジネスコーデの神田主任。そばに同コーデの女子。
暗がりや物陰に潜み……水辺以外の現場を取り囲んでいる武装警官隊が姿を露わにする。
「はい。気がついてはおりましたよ。でもねぇ……」と部下のスピーカーからの声。
「気がついていた? 何処だ? 何処で見ている!」と周囲を見渡す神田主任。
「そんなことはどうでもいいです。ですが、貴方方は包囲したようですが。無駄ですよ」
「警告はした。これは人質生命を脅かす凶悪行為だ。君たちが所持しているみょうちくりんな鉄砲を放棄して投降の意志を見せなければ!」
「部下共。里奈さんご家族だけは指示通りになさってください」とスピーカーの声。
拡声器を下して、「そうかい」と呟いて神田主任が大きく右手を振って合図する。
囲った警官隊推定総勢100人がアクリル製盾を前にして……囲みを狭くする。中には警察拳銃を構えている警官もいる。
スパン! スパン! スパン……と桟橋突端のいつの間にか置かれているブラックシートの隙間からと、キャンプ場屋根あり炊事場の物陰と、比較的高台の湖畔草地に伏せた暗がりからと、消音器ライフル銃声が3発ずつ発射背れ。部下9体のみょうちくりん銃を弾き飛ばす。手に当たってしまった6体の部下は……ヒット部から徐々に塵となり……消滅する。
「へ? なんだ? 此奴らって!」と神田主任が目を剥く。横の女子も驚いて主任を見る。
様子を窺っていた麻美も同様に目を剥くも、「これかぁ」と思わず声にしてしまう。
「え? なんですか? 麻美さん」と女将さんが問う。「あ。いいや。何でも」と麻美。
「そういえば。国家公安扱いで。着てた確認事項って。此奴らのことか?」とぶつくさの神田主任。横にいた所轄捜査課バディの若手女子捜査員が「ううん?」と神田の顔を見る。
「まあいいでしょう。さあ里奈さんらを」とスピーカー声が新たな支持を出す。
里奈と家族が部下集団の2体に連れ去られる。里奈と後ろを行く美久の背にピッタリとレーザーガンが当てられているのは、警察関係者なら誰の意にも明らかだ。
パーン! パーンと二発の銃声がして、里奈家族を連れ去ろうとする部下を完全撃ち抜き。部下2体は完全消滅する。
「こいつら。所謂部下は皆。高性能なアンドロイドよ。主任さん」と怒鳴る麻美。
「へ? は! あ!」と懐から携帯してきた警察拳銃の通称サクラでハグレ残った部下らを。バディ女子も手を貸して同様に銃撃して、場を制圧する。
「よおし。後処理だ。鑑識さんもお願いする」と右手を振ったて場を仕切る神田主任。
麻美が2発の謎の狙撃した場所を特定しようと周囲を見渡し……ホテル屋上に止める。
ホテル・屋上――中ほどに引っ込んで、愛用ライフルのスタンドを折り畳み、装いライフルバッグに弾倉別に収納するスナイパーマイカ。後ろでドローンが控えている。
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